2級土木・令和3年後期一次No.6~No.11
No.6
コンクリートの配合設計に関する次の記述のうち, 適当でないものはどれか。
- 所要の強度や耐久性を持つ範囲で, 単位水量をできるだけ大きく設定する。
- 細骨材率は, 施工が可能な範囲内で,単位水量ができるだけ小さくなるように設定する。
- 締固め作業高さが高い場合は,最小スランプの目安を大きくする。
- 一般に鉄筋量が少ない場合は,最小スランプの目安を小さくする。
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解答1
1. 単位水量は,作業できる範囲でできるだけ少なくなるようにし, 上限は175kg/mを標準とする。
2.細骨材率は,一般に小さいほど同じスランプのコンクリートを得るのに必要な単位水量が減少する傾向にあり,それに伴い単位セメント量の低減も図れることから経済的なコンクリートとなる。
3.4.記述のとおり
No.7
フレッシュコンクリートに関する次の記述のうち, 適当でないものはどれか。
- スランプとは、コンクリートの軟らかさの程度を示す指標である。
- 材料分離抵抗性とは, コンクリートの材料が分離することに対する抵抗性である。
- ブリーディングとは, 練混ぜ水の一部の表面水が内部に浸透する現象である。
- ワーカビリティーとは, 運搬から仕上げまでの一連の作業のしやすさのことである。
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解答3
1.スランプは、スランプコーンを引き上げた直後に測った頂部からの下がりで表す。
2.材料分離抵抗性は,単位セメント量あるいは単位粉体量を適切に設定することによって確保する。
3.ブリーディングは,コンクリートの打込み後, 骨材等の沈降又は分離によって, 練混ぜ水の一部が遊離してコンクリート表面に上昇する現象である。
4.記述のとおり
No. 8
鉄筋の加工及び組立に関する次の記述のうち, 適当なものはどれか。
- 型枠に接するスペーサは,原則としてモルタル製あるいはコンクリート製を使用する。
- 鉄筋の継手箇所は, 施工しやすいように同一の断面に集中させる。
- 鉄筋表面の浮きさびは, 付着性向上のため、除去しない。
- 鉄筋は,曲げやすいように,原則として加熱して加工する。
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解答1
1.記述のとおり
2.継手を同一の断面に集中すると, 継手に弱点がある場合, 部材が危険になり,また継手の種類によっては継手部分のコンクリートの行きわたりが悪くなる こともあるので継手は相互にずらして設けることを原則とする。 継手位置を軸方向に相互にずらす距離は,継手の長さに鉄筋直径の25倍を加えた長さ以上を標準とする。
3.鉄筋を組み立ててからコンクリートの打込みまでに長時間が経過し, 汚れや浮きさびが認められる場合は、再度鉄筋を清掃し、 鉄筋への付着物を除去しなければならない。
4.鉄筋の加工は, 常温で行うことが原則である。 加熱して加工する場合は、あらかじめ材質を害さないことが 確認された方法で, 加工部の鉄筋温度を適切に管理して行う。
No. 9
既製杭の施工に関する次の記述のうち, 適当でないものはどれか。
- プレボーリング杭工法は,孔内の泥土化を防止し孔壁の崩壊を防ぎながら掘削する。
- 中掘り杭工法は,ハンマで打ち込む最終打撃方式により先端処理を行うことがある。
- 中掘り杭工法は,一般に先端開放の既製杭の内部にスパイラルオーガ等を通して掘 削する。
- プレボーリング杭工法は,ソイルセメント状の掘削孔を築造して杭を沈設する。
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解答1
1.プレボーリング杭工法は、掘削ビットおよびロッドにより, 水または掘削液を注入しながら地盤を掘削・撹拌混合して孔内を泥土化し, 孔壁の崩壊を防ぎながら掘削する。地質条件により掘削孔が崩壊するような場合は, ベントナイト等を添加した掘削液を使用する。
2.中掘り杭工法の先端処理方法には, 最終打撃方式とセメントミルク噴出撹拌方式があ り,最終打撃方式は、 ある深さまで中掘り沈設した杭を打撃によって所定の深さまで打ち込むものである。
3.記述のとおり
4.プレボーリング杭工法は, 支持層まで掘削した 後,根固液を注入撹拌混合しながら反復して根固部を築造する。 根固部の築造後,杭周固定液を注入・撹拌混合しながらロッド及び掘削ビットを引き上げて, ソイルセメント状の掘 削孔を築造した後、 既製コンクリート杭を沈設する。
No. 10
場所打ち杭の各種工法に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
- 深礎工法は,地表部にケーシングを建て込み, 以深は安定液により孔壁を安定させる。
- オールケーシング工法は,掘削孔全長にわたりケーシングチューブを用いて孔壁を保護する。
- アースドリル工法は,スタンドパイプ以深の地下水位を高く保ち孔壁を保護・安定させる。
- リバース工法は、 湧水が多い場所では作業が困難で、酸欠や有毒ガスに十分に注意する。
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解答2
1.選択肢の記述内容はアースドリル工法である。深礎工法は, 掘削孔の全長にわたりライナープレートを用いて孔壁の崩壊を防止しなが ら、人力または機械で掘削する。
2.記述のとおり
3.選択肢の記述内容はリバース工法である。アースドリル工法は、表層ケーシングを建込み, 孔内に注入した安定液の 水圧で孔壁を保護しながら, ドリリングバケットで掘削・排土する。
4.選択肢の記述内容は深礎工法である。リバース工法は,スタンドパイプを建込み, 掘削孔に満たした水の 圧力で孔壁を保護しながら, 水を循環させて削孔機で掘削する。
No. 11
下図に示す土留め工の(イ), (ロ) の部材名称に関する次の組合せのうち, 適当なものはどれか。

- (イ)腹起し・・・(ロ)中間杭
- (イ)腹起し・・・(ロ)火打ちばり
- (イ)切ばり・・・(ロ)腹起し
- (イ)切ばり・・・(ロ)火打ちばり
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解答3
図の(イ)は切ばり, (ロ) は腹起しである。
腹起し:連続的な土留め壁を押さえるはりであり,切りは,腹起しを介して土留め壁を相互に支えるはりのこと。
中間杭:切ばりの座 屈防止のために設けられるが, 覆工からの荷重を受ける中間杭を兼ねてもよい。
火打ちばり:腹起しと切ばりの接続部や隅角部に斜めに入れるはりで,構造計算では土圧が作用する 腹起しのスパンや切ばりの座屈長を短くすることができる。
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