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電磁波レーダ法の留意点や原理とは?電磁誘導法との違いも解説

電磁波レーダー法ってなに???

電磁波レーダ法とは、コンクリート非破壊検査のひとつ。

電磁波を放射し、鉄筋等から反射してきた反射波を受診して、鉄筋の位置や深度を確認します。

この記事は、電磁波レーダ法について、原理や特徴、留意点などをまとめてありますので参考にしてください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次から 😉

 

電磁波レーダ法の留意点や原理とは?電磁誘導法との違いも解説

電磁波レーダ法は、別名:パルス電磁波レーダ法とも呼ばれ、コンクリート非破壊検査のひとつです。

電磁波レーダー法の原理(流れ)は以下のとおり。

電磁波レーダ法の原理(ながれ)

  1. 電磁波をアンテナからコンクリート表面に向けて放射
  2. 電磁波がコンクリートと電気的性質の異なる物質で反射(例:鉄筋や空洞などの境界面)
  3. 再びコンクリート表面に出て受信アンテナに受信

この送信から受信まで戻る時間から、反射物体までの距離を知ることができます。

平面的な位置は、距離計を内蔵した装置を移動させることにより、位置情報を得ることも可能です。

 

ちなみに深度などの計算はこんな感じです。

測定値 計算式 概要
深度(D) (1/2)×T×V(m) 送信アンテナからの電磁波が鉄筋などに反射して受信アンテナで受信されるまでの時間差T(s)の1/2に、透過した媒質中の速度V(m/s)をかけたもの
電磁波速度(V) (3×10⁸)/√εr(m/s) 電磁波の速度は、空気中では3×108(m/s)

コンクリートなどの空気以外の媒質を進む場合は、媒質それぞれの比誘電率εr(イプシロン)に影響される

参考に、主な媒体の比誘電率εrものせておきますね 🙂

材質 比誘電率εr(主な媒体)
真空 1
空気 1
発泡スチロール 1
雪(かたまり) 1.4
ポリスチレン 2.4~2.7
清水氷 4
海水氷 6
石灰岩(乾燥) 7
石灰岩(湿潤) 8
御影石(乾燥) 5
御影石(湿潤) 7
頁岩(湿潤) 7
砂岩(湿潤) 6
砂(乾燥) 3~6
砂(湿潤) 10~25
土(乾燥) 2~6
土(湿潤) 10~30
関東ローム(乾燥) 2~5
関東ローム(湿潤) 10~40
砕石 5~9
永久凍土 6~13
コンクリート(乾燥) 4~6
コンクリート(標準) 6~8
コンクリート(湿潤) 8~20
アスコン 4~6
清水・海水 81
導体(金属など)

 

 

 

また特徴としては、電磁波レーダ法はコンクリートの湿潤状態や品質などに影響を受けやすいです。

そのため、比誘電率を調整することで、鉄筋かぶり厚の精度を高めることができます。

 

いっぽう電磁誘導法より精度面は落ちますが、かぶりが厚い場合にはかなり有効な手段です。

電磁波レーダ法
できること できないこと

電磁誘導法に比べて

①深いかぶり厚が測定(約200mm~300mm)

②空洞

③塩ビ管などの測定

ができる

電磁誘導法に比べて

①径の推定

②精度の高い測定

などがむずかしい

 

 

電磁波レーダ法の留意点

電磁波レーダ法で、できないことは以下の3つです。

電磁波レーダ法のできないこと

  1. 鋼繊維などの金属ファイバーが混入したコンクリートでの測定
  2. 鉄筋径の推定
  3. 精度の高い測定(電磁誘導法にくらべ)
計測状況にもよりますが、プラスチックのファイバーが混入したコンクリートはきほん測定可能です

 

いっぽう、電磁波レーダ法の鉄筋探査器を使うにあたって、電波法などにひっかかってしまうことを心配する人もいるようです。

ですが結論としては、電磁波レーダ法の鉄筋探査器は空中ではなく、地中に向かって電磁波を放射するので問題ありません。

アンテナ自体にもシールドがされており、四方八方に放射するわけではないので、使用場所の規制などもありませんのでご安心ください。

 

 

電磁波レーダー法の探査機

電磁波レーダ法には、鉄筋探査機を使います。

購入となると200万~300万ほどかかります。

会社で保有していなければ、レンタルまたは探査受託するのが一般的のようです。

 

電磁波レーダー法と電磁誘導法とのちがい

電磁波レーダ法と電磁誘導法の違いはこんな感じ。

測定&できること 電磁波レーダ法 電磁誘導法
鉄筋径推定 ×
測定可能深度 200~300mm程度 最小10mm以下

最大100mm以上程度

鉄筋
塩ビ管 ×
空洞 ×

測定可能深度や鉄筋径の推定、材質によって測定できるかが異なります。

 

電磁波レーダ法の留意点や原理とは?電磁誘導法との違いまとめ

電磁波レーダ法とは、コンクリート内などの状況を非破壊で確認できる方法

電磁波の送信から受信までに戻る時間から、反射物体までの距離を知ることができる

平面的な位置は、距離計を内蔵した装置を移動させることにより、位置情報を得ることも可能

電磁波レーダ法はコンクリートの湿潤状態や品質などに影響を受けやすい

電磁波レーダ法の鉄筋探査器は空中ではなく、地中に向かって電磁波を放射するので電波法はひっかからない(問題なし)

電磁波レーダ法の原理(ながれ)

  1. 電磁波をアンテナからコンクリート表面に向けて放射
  2. 電磁波がコンクリートと電気的性質の異なる物質で反射(例:鉄筋や空洞などの境界面)
  3. 再びコンクリート表面に出て受信アンテナに受信

電磁波レーダ法ができないこと

  1. 鋼繊維などの金属ファイバーが混入したコンクリートでの測定
  2. 鉄筋径の推定
  3. 精度の高い測定(電磁誘導法にくらべ)

電磁波レーダ法と電磁誘導法のちがい

測定&できること 電磁波レーダ法 電磁誘導法
鉄筋径推定 ×
測定可能深度 200~300mm程度 最小10mm以下

最大100mm以上程度

鉄筋
塩ビ管 ×
空洞 ×

 

以上です。

ありがとうございました。

 

名前:ちゃんさと
  • 元公務員(土木)の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木)として7年間はたらいた経験をもつ
  • 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報を発信中!
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