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標準作業量の計算式や作業能率の計算方法!工事作業量の計算

今回のテーマは【作業量の計算】です。

工事を行う上で、作業の効率化を図ることは管理者として重要なことであり、実作業量はどれくらいかということは把握しておきたい事柄です。

ただし、計算だけでは読み切れない現場でのさまざまな要因を加味したうえで、その後の工程管理に活かしていくようにしてください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂

 

標準作業量の計算式や作業能率の計算方法!工事作業量の計算

労働者1人あたりの実作業量は、単純にいえば次の式で求められます。

労働者1人あたりの実作業量=全実作業量/全労働者数

そしてこの全実作業量/全労働者数をさらに分解していくと、

全実作業量/全労働者数=稼働率×労働時間×作業時間率×(標準)作業能力×作業能率

といった式になります。

そのほか、土木計算に関する内容はまた別記事でまとめていますので併せてご確認ください。

稼働率

稼働率の計算方法は以下のとおりです。

稼働率=稼働労働者数/全労働者数

稼働率とは、労働者の在籍人数や建設機械の総台数に対する実際の稼働人数、稼働台数の割合です。

 

一方で、稼働率を低下させる要因としては次のものなどが挙げられます。

稼働率低下原因例

  1. 悪天候、地質の悪化など不可抗力による要因
  2. 作業の段取り待ち
  3. 材料の供給待ち
  4. 災害
  5. 機械の故障
  6. 作業および賃金不満による休業
  7. 労働争議
  8. 設計変更、その他発注者の指示による待機

労働時間

労働時間の算出は、労働延べ時間を稼働労働者数で割ると求められます。

労働時間=労働延べ時間/稼働労働者数

 

作業時間率

作業時間率とは、労働時間に対する実際の作業時間の割合をいい、工事の能率に著しく影響します。

作業時間率=実作業時間/労働時間

 

作業時間の低下をもたらす時間的損失には、建設機械の調整、給油、発破待ちなど作業上どうしても必要なものや、悪天候など不可抗力によるものがありますが、管理の仕方によって大きく変化しますので注意してください。

管理不良による時間損失の要因を挙げておきますので、できるだけ排除する努力を行い、施工計画を遵守できるように調整していきましょう。

【管理不良による時間損失の要因(例)】

  1. 建設機械の故障
  2. 機械組み合わせの不均衡
  3. 段取りの不適当による作業の中断
  4. 現場監督者の指示間違い
  5. 不注意による災害事故
  6. 材料供給の遅延
  7. 工事の手直し

標準作業量(作業能力)

(標準)作業能力の求め方は以下のとおりです。

(標準)作業能力=全標準作業量/実作業延べ時間

 

作業能率

作業能率とは、通常の条件下で達成しなければならない標準作業量に対する単純作業量の割合を指しています。

作業能率=実作業量/標準作業量

 

作業能率が低下する要因としては以下の事項が考えられます。

作業能率低下原因

  1. 労働者の未熟練
  2. 地形、地質などの機械適合性の不利
  3. 機械の配置、組み合わせの拙劣
  4. 機械の維持修理の不良と老朽
  5. 季節および天候の不良
  6. 照明・足場など環境の不良、不整頓
  7. 作業不満・作業荷重・夜業の連続・不規律などによる労働意欲の減退
  8. 施工段取りの不適当

 

作業量と工事単価&工事原価の関係(計算)

施工の経済性を評価する尺度として工事の単価があり、工事単価は工事原価をそれに見合う作業量で割って求められます。

工事の単価=工事原価/作業量

上記の式より、工事の単価は工事原価に比例し、作業量に反比例することが分かりますね。

例えば、工事原価が3割マスト単価は3割高くなり、作業量が3割減少すると単価は4割以上も上昇し、作業量がゼロに近づくと単価は無限大∞に近づくことになります。

このことから、作業量の減少は単価への影響はとても大きいことがわかるでしょう。

工程管理をしっかり確認し、作業量や工事単価・工事原価のバランスを考慮するようにしてください。

 

標準作業量の計算式や作業能率の計算方法!工事作業量の計算

作業量の計算式

【労働者1人あたりの実作業量】

=全実作業量/全労働者数

稼働率×労働時間×作業時間率×(標準)作業能力×作業能率

稼働率 稼働労働者数/全労働者数
労働時間 労働延べ時間/稼働労働者数
作業時間率 実作業時間/労働時間
標準作業量(作業能力) 全標準作業量/実作業延べ時間
作業能率 実作業量/標準作業量

作業量・工事単価・工事原価の関係

工事の単価=工事原価/作業量

  • 工事の単価は工事原価に比例し、作業量に反比例す
  • 作業量の減少は単価への影響はとても大きい

 

以上です。

ありがとうございました。

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報発信中!
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