こんな疑問にお答えします。
合わせて空中写真測量における写真地図作成の方法も解説していますのでぜひご覧ください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ!
空中写真測量と航空レーザ測量の違い!原理や仕組み&写真地図作成
ちがいはこんな感じ 🙂
空中写真測量 | 航空レーザ測量 |
空中写真測量は、飛行機などにより上空から撮影された連続する空中写真を用いて、数値地形図を作成する作業
カメラはフィルム航空カメラやデジタル航空カメラなどがある |
航空レーザ測量システムは、飛行機に搭載されたGNSS、IMU、レーザ測距儀で構成
そしてこれにより地形を計測し、グリッドデータ(格子状の標高データ)などの数値地形図データファイルを作成 |
【作業工程】
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【作業工程】
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【原理】
①重複する2枚の空中写真を用いて撮影時の状態を再現 ⓶空間的な位置関係を合わせて、対象地域のステレオモデルを作成 ③ステレオモデルと実際の地形との整合性を取ることにより、縮尺や空間位置(方位や座標)を決定 ④整合性の取れたモデルから平面図化し、地形図を作成 |
【仕組み】
航空レーザ測量はGNSSにより飛行機の位置、IMUにより飛行機の姿勢を計測し、レーザ測距装置により地上を左右にスキャンしながら飛行 レーザの照射方向と地表からの反射時間により飛行機と地上との距離を決定し、地上固定局(電子基準点)とキネマティック法により飛行機の地上に対する位置を決定して、地上でのレーザ反射場所の標高と位置(x,y,z)が決まる仕組み GNSS/IMUとは、GNSSとIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)をシステム的に組み合わせたもので、言い換えれば「位置&姿勢計測システム」のこと これによりレーザ測距装置の位置と姿勢情報をリアルタイムで計測・記録することができる |
どちらも数値地形図を作成する作業ですが、空中写真測量はカメラを使用、航空レーザ測量はGNSS・IMU・レーザ測距儀で構成されるなど、仕組みや原理が異なります。
空中写真測量の写真地図作成
写真地図作成は、空中写真をスキャナにより数値化した数値写真や、デジタルカメラで撮影した数値写真をデジタルステレオ図化機などにより正射変換し、写真地図データファイルを作成します。
さらに隣接するオルソフォルト画像をモザイク処理し結合する、モザイク画像を作成する作業も含まれます。
作業工程
作業工程の流れは以下のとおりです。(黄色部分)
写真地図作成の作業工程
- 作業計画
- 標定点の設置
- 対空標識の設置
- 撮影
- 同時調整数値地形モデルの作成
- 正射変換
- モザイク
- 写真地図データファイルの作成
- 品質評価
- 成果などの整理
数値地形モデルの作成 | デジタル化された空中写真で、デジタルステレオ図化機の自動標高抽出技術を用いて標高を取得し数値地形モデルを作成する作業 |
モザイク | モザイクとは隣接する正射投影画像の重複部分について、位置と色を合わせて接合する作業
モザイクの手順①濃度補正→②濃度返還による色合わせ→③接合点の探索→④接合点周辺の濃度の平滑化 |
写真地図データファイルの作成 | モザイク画像から図葉単位(地図情報レベル2,500の図郭)に切り出し、位置情報として位置情報ファイルを作成して、CDなどの電磁的記録媒体に記録する作業 |
中心投影と正射投影
写真地図とは、中心投影である空中写真を、地図と同じ正射投影に変換した写真画像です。
空中写真の特徴として、対象物-レンズ中心-フィルム面に写される対象物が一直線状にあるということが挙げられます。
このように光がレンズ中心(1点)を通り、フィルム面に写されるものを中心投影といいます。
これに対して、ある平面を基準として直角に交わるように対象物の点を写真上に写したものを正射投影と呼びます。
空中写真は中心投影で撮影されており、高い建物などは写真主点を中心に放射状に倒れ込むように映るため、距離や面積が正しくなく、地図と重ね合わせても一致することはありません。
しかし正射投影に変換された空中写真は、同じ縮尺の地図に重ねれば一致する写真画像となります。
2つのちがいは以下にまとめましたのでご覧ください。
中心投影
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光がレンズ中心(1点)を通り、フィルム面に写されるものを中心投影という
中心投影により撮影された対象物は、高低差が写真平面上のズレとなり、写真の主点(一般的には鉛直写真であるため、主点=鉛直点=等角点)から離れるほど、その”ズレ”が大きく写真上に写る |
正射投影
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光がレンズ中心(1点)を通り、フィルム面に写されるものを中心投影という
同中心投影のようなズレはなく、まうえから見たように写される 基準面に対して、直角に交わるように写真上に投影される |
ちなみに地図は正射投影で描かれています。
正射変換
空中写真における正射変換とは、スキャニングして数値化した数値写真またはデジタルカメラで撮影した数値写真をデジタルステレオ図化機を用いて、モニタリングしながらオルソフォト画像(正射投影写真画像)作成する作業のことです。
上記の図では、構造物のA点は中心投影の場合、写真上のa点に投影されることになりますが、正射投影の場合はb点(地上のB点)に投影されなければなりません。
正射変換とはこのa点をb点に移動させること。
この移動量は地上ではhtanθによって表され、写真上ではその写真縮尺分母(m)で割って表されます。
オルソフォト画像では、対象物の標高によるズレを正射変換により修正するため、その縮尺は写真全体がほぼ一定となります。
写真地図(オルソフォト)の特徴
写真地図(オルソフォト)の特徴は以下のとおりです。
写真地図の特徴
- 地表面の標高モデルを作成することができる
- オルソフォト画像は、地形図のように縮尺は均一であるため、縮尺が分かれば画像計測により2地点間の距離を求めることが可能
- オルソフォト画像は対象地域の標高データがあれば、1枚の空中写真からでも作成可能
- デジタルステレオ図化機を用いることにより、オルソフォト画像を作成することができる
- 作業状態の保存が可能なため、評定の終わった任意のモデル図化作業をいつでも実施、中断、再開することができる
- デジタルステレオ図化機で使用するデジタル画像の取得方法には、写真測量用スキャナを使用して空中写真フィルムを数値化する方法のほか、デジタル空中カメラを使用し直接取得する方法がある
注意点としては、写真地図には地形図のように等高線が描かれているわけではないため、画像上で傾斜を計測することはできません。
さらに実体視を行うためには中心投影である必要があります。
正射投影に変換された写真地図では実体視を行うことはできませんのでご注意ください。
空中写真測量と航空レーザ測量の違い!原理や仕組み&写真地図作成まとめ
空中写真測量 | 航空レーザ測量 |
空中写真測量は、飛行機などにより上空から撮影された連続する空中写真を用いて、数値地形図を作成する作業
カメラはフィルム航空カメラやデジタル航空カメラなどがある |
航空レーザ測量システムは、飛行機に搭載されたGNSS、IMU、レーザ測距儀で構成
そしてこれにより地形を計測し、グリッドデータ(格子状の標高データ)などの数値地形図データファイルを作成 |
【作業工程】
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【作業工程】
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【原理】
①重複する2枚の空中写真を用いて撮影時の状態を再現 ⓶空間的な位置関係を合わせて、対象地域のステレオモデルを作成 ③ステレオモデルと実際の地形との整合性を取ることにより、縮尺や空間位置(方位や座標)を決定 ④整合性の取れたモデルから平面図化し、地形図を作成 |
【仕組み】
航空レーザ測量はGNSSにより飛行機の位置、IMUにより飛行機の姿勢を計測し、レーザ測距装置により地上を左右にスキャンしながら飛行 レーザの照射方向と地表からの反射時間により飛行機と地上との距離を決定し、地上固定局(電子基準点)とキネマティック法により飛行機の地上に対する位置を決定して、地上でのレーザ反射場所の標高と位置(x,y,z)が決まる仕組み GNSS/IMUとは、GNSSとIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)をシステム的に組み合わせたもので、言い換えれば「位置&姿勢計測システム」のこと これによりレーザ測距装置の位置と姿勢情報をリアルタイムで計測・記録することができる |
写真地図作成の作業工程
- 作業計画
- 標定点の設置
- 対空標識の設置
- 撮影
- 同時調整数値地形モデルの作成
- 正射変換
- モザイク
- 写真地図データファイルの作成
- 品質評価
- 成果などの整理
以上です。
ありがとうございました。