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アセットマネジメントとストックマネジメントの違いとは?図解でわかりやすく解説

ストックマネジメントとアセットマネジメントの違いは何?

ストックマネジメントとアセットマネジメントは、どちらもダムや橋、道路などの公共(土木)施設における、長寿命化を図るための管理方法や施策のことです。

ですが、ストックとアセットで少し意味合いが異なりますのでさっそく確認していきましょう。

わかりやすく解説!

アセットマネジメントとストックマネジメントの違いとは?図解でわかりやすく解説

まずは簡単に英語(カタカナ)意味からみていきましょう。

「ストック」は蓄えや資産、「アセット」は資産、財産などの意味があります。

ストックマネジメント アセットマネジメント
施設の修繕・改築等を最適化するための長期的な計画や施策 ストックマネジメントに財源(収支)を加えた考え方

つまり、ストックマネジメントとアセットマネジメントの違いは、【お金(財源)】について含まれているかどうかです。

どちらも土木分野においては、ダムや橋、上下水道施設などの公共土木資産について、更新や補強・補修を計画的に進めることで長寿命化を図ることが目的とする用語と覚えておきましょう。

 

ストックマネジメントとは?わかりやすく解説

ストックマネジメントとは、

ポイント

  • 施設機能の診断
  • 施設状態の評価
  • 劣化予測
  • 対策工法の検討
  • ライフサイクルコストの算定

といった一連の作業を行うことにより、施設を計画的かつ効率的に管理する仕組みと定義されています。

コスト低減を図り、高い資産価値を維持していくものです。

ストックマネジメントの流れは以下のとおり。

 

 

日常管理からはじまり、施設の機能診断、評価、計画作成を経て、日常管理の継続または対s買うの実施という順に進めます。

この流れをくりかえし行うことで、適期に適切な対策を講じ、施設の長寿命化を図り、維持管理を含めたトータルコストの低減が目的です。

 

アセットマネジメントとは?わかりやすく解説

アセットマネジメントも、基本的にはストックマネジメントと同じ考え方です。

しかし異なる点は、財源確保についても加味されているところ。

点検や補修、更新における費用は、なんらかの形で確保しなければなりません。

そういった財源なども含めた考え方や管理が、土木における「アセットマネジメント」と呼ばれるものというわけです。

 

土木施設の機能診断および機能保全計画(アセットマネジメント&ストックマネジメント)

土木施設の機能診断は、日々の点検および、非破壊検査などがあります。

外的要因 内的要因
地震、渇水などの自然災害の影響

技術の陳腐化

施設利用者ニーズの多様化

施設周辺立地環境の変化

法制度、基準の改正

保全管理の不徹底

不適正な使用方法

リスク対策の不備

寿命、性能低下

構造欠陥、施工不良

当初計画の錯誤

機能の低下は、単に経年劣化したために発生するとは限りません。

建設当時では予測し得なかった条件変化や、施設を取り巻く環境変化などさまざまな要因があるでしょう。

さらに要因はひとつだけでなく、複数の要因が関係していることが多いです。

 

また非破壊検査は、構造物を破壊せずに、健全度、劣化状況を調査し、規格などによる基準にしたがって合否を判定する方法です。

コンクリート構造物の非破壊検査の種類は以下のとおり。

非破壊検査対象 非破壊検査の種類 原理 規格
配筋

かぶり厚さ

電磁波レーダ法 電磁波を放射して、鉄筋から反射してきた反射波を受信して計測 NDIS 3429

(日本非破壊検査協会)

電磁誘導法 電流の電気的変化を検出して、磁界中の良導体(鉄筋)を探査 NDIS 3430

(日本非破壊検査協会)

X線法 X線をコンクリート構造物の断面方向に透過させ、撮影された透過画像から内部の様子を確認 NDIS 1401

(日本非破壊検査協会)

強度 リバウンドハンマ法 コンクリート表面に重錘(おもり)を衝突させ、その反発度を測定することにより強度を推定 JIS A 1155:2012
超音波法 強度と音速の高い相関関係を利用して推定 JIS Z  2355
衝撃弾性波法 コンクリート表面をインパクタで打撃し、入力した縦弾性波速度と強度の関係式から推定 NDIS 2426-2

(日本非破壊検査協会)

施工不良

 

 

ジャンカ

コールドジョイント

内部空洞

劣化・損傷

浮き

はくり

打音法 コンクリート表面をハンマで打撃し、打撃音を測定。

打撃力や打撃音の分析から内部空洞などの欠陥の有無を検知

NDIS 2426-3

(日本非破壊検査協会)

電磁波レーダ法 電磁波を放射し、施工不良箇所の比誘電率が異なっていることから、反射してきた反射波を受信して検出 NDIS 3429

(日本非破壊検査協会)

衝撃弾性波法 コンクリート表面をインパクタで打撃し、縦弾性波が施工不良箇所の存在による

  1. 伝搬速度の低下
  2. 伝搬経路の伸長
  3. 欠陥表面の反射
  4. 曲げ振動の発生

などの性質を利用して検出

NDIS 2426-2

(日本非破壊検査協会)

赤外線法

(サーモグラフィー法)

コンクリート表面温度を赤外線カメラにより計測し、温度分布状況から空洞などを検知 NDIS 3428

(日本非破壊検査協会)

劣化・損傷

ひび割れ

超音波法

(直角回析波法)

超音波を発信による圧縮波を検出してひび割れ深さを測定 JCMSⅢB 5705-2003

(日本建材産業協会)

衝撃弾性波法 コンクリート表面をインパクタで打撃し、縦弾性波がひび割れ先端を回析することによる伝搬時間差から深さを測定 NDIS 2426-2

(日本非破壊検査協会)

X線法 X線をコンクリート構造物に透過させ、撮影された透過画像からひび割れの分布状況を検出 NDIS 1401

(日本非破壊検査協会)

鉄筋腐食 電気化学的方法

(自然伝位法)

腐食により変化する鉄筋の電位を測定することで、鉄筋腐食を診断する方法 ASTM C 876-91

一方、各構造物の詳細な診断結果をもとに、施設全般としての総合的な機能診断、経済比較を行い、最適機能保全計画の策定を行います。

全面一括更新 橋梁などにおいて、健全度、劣化状況が著しく劣り、今後の使用が困難な場合に施設全体を改修するもの
区間更新 道路、水路などの一部区間で健全度、劣化状況が著しく劣る場合に、該当区間のみを更新するもの
部分補修 トンネルや管水路の内空部や道路、構造物の表面の補修を行うもので、下水道管などで新工法の開発が盛んに行われている

 

アセットマネジメントとストックマネジメントの違いとは?わかりやすく解説まとめ

アセットマネジメントとストックマネジメントの違い

ストックマネジメント アセットマネジメント
土木施設などの修繕・改築等を最適化するための長期的な計画や施策 ストックマネジメントに財源(収支)を加えた考え方

アセットマネジメントとストックマネジメントどちらも、ダムや橋、道路などの公共(土木)施設における、長寿命化を図るための管理方法や施策として活用される考え方

 

以上です。

ありがとうございました。

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員(土木職)の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業
  • 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)として7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 現場監督・施工管理の経験あり
  • 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛け等の資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインに情報を発信しています。
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