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品質規定方式と工法規定方式の違いとは?締固め曲線や盛土締固めの管理方法

工法規定方式と品質規定方式の違いが知りたい

盛土の管理には、品質規定方式と工法規定方式の2種類があります。

今回は上記2つの方式についてサクッと紹介!

また土木施工管理技士の試験にもよく出ますのでしっかりチェックしておきましょう。

それではさっそくスタートです!

品質規定方式と工法規定方式とは?締固め曲線や盛土締固めの管理方法

まずは品質規定方式についてです。

品質規定方式とは?

品質規定方式とは、土木工事などにおける盛土の管理において、発注者が必要な品質を仕様書に明示し、締固め方法については受注者(施工者)にゆだねる方法です。

品質管理の方法としては以下の3つが挙げられます。

品質規定方式

  1. 締固め度および乾燥密度で規定する方法
  2. 空気間隙率または飽和度を施工含水比で規定する方法
  3. 強度特性、変形特性で規定する方法

品質規定方式➀締固め度および乾燥密度で規定する方法・締固め曲線

土質室内試験での締固め試験で得られた最大乾燥密度と現場の締固められた土の乾燥密度の比を「締固め度」と呼びます。

締固め度=(現場における締固め後の乾燥密度ρd)/(基準となる室内締固め曲線における最大乾燥密度ρmax)×100(%)

この数値が規定以上になっていること、施工含水比がその最適含水比を基準として規定された範囲内であることを要求する方法です。

そして一般に土の現場測定は、

  1. 砂置換による土の密度試験方法
  2. RI計器による方法

が用いられています。

 

品質規定方式②空気間隙率または飽和度を施工含水比で規定する方法

締固めた土が安定な状態である条件として、空気間隙率または飽和度が一定の範囲内にあるように規定する方法です。

道路盛土では空気間隙率を10~15%以下の範囲に、飽和度を85%以上に規定し、締め固めた土の強度・変形特性が設計を満足する範囲に施工含水比を規定します。

 

適用される土質は、乾燥密度により規定するのがむずかしい、自然含水比が高いシルトまたは粘性土に適用される例が多いです。

このような場合、施工含水比の規定としてはその上限の含水比をトラフィカビリティや設計上に要求される力学的性質を満足し得る限界で定めるのが一般的でしょう。

そして現場における締め固めた土の飽和度および空気間隙率は、現場の土の単位体積質量を測定して次式から求めます。

飽和度Sr=W/{(ρw/ρd)-1/Gs}(%)

空気間隙率Va=100-(ρw/ρd)×(100/Gs+w)

Sr:飽和度(%)

Va:空気間隙率(%)

ρw:水の単位体積質量(g/cm³)

ρd:乾燥密度(g/cm³)

Gs:土粒子の比重

W:現場で測定した含水比(%)

そして上記の図のように、同じ土に対してでも、突固めエネルギーを変えると異なる突固め曲線が得られます。

ただし含水比によって同じ締固めエネルギーでも飽和度が異なるので、施工含水比を規定しないと所望の強度は得ることはできません。

 

また、締固め規定の標準値としては以下のとおり。

粘性土 砂質土
空気間隙率 10%以下 15%以下
飽和度 85%以上(85~95) 不適用

道路土工-施工指針の基準となっていますので確認してみてください。

 

品質規定方式③強度特性、変形特性で規定する方法

締固めた土の強度特性は、土粒子あるいは土粒子構造間の水分量によって変化します。

そして締固め直後の状態では最適含水比よりやや低い含水比のときに強度、変形抵抗は最大で、圧縮性が最小となることが知られています。

この方法は、締固め盛土の強度あるいは変形特性を現場CBR、地盤反力係数(K値)、貫入抵抗、プルーフローリングによるたわみ等により規定する方法です。

適用される土質は、水の浸入により膨張、強度低下などの起こりにくい安定した盛土材料、すなわち岩塊、玉石、砂、砂質土などに適し、とくに乾燥密度の測定が困難な岩塊や玉石には便利な方法とされています。

併せて原位置試験についてもチェックしておきましょう。

 

工法規定方式とは?

工法規定方式とは、締固め機械の機種、敷き均し厚さ、締固め回数などを仕様書で定め、これにより一定の品質を確保しようとする方法です。

盛土材料の土質、含水比があまり変化しない現場ではこの方法が便利です。

ただしこの方法を適用する場合には、あらかじめ現場締固め試験(試験施工)を実施して、工法規定の妥当性を確認しておく必要があります。

また土質や含水比が大きく変化するような場合には、締固め機械の機種および重量、土の締固め厚、施工含水比、施工回数などの作業標準をただちに見直し、必要な適正処置をとりましょう。

そして適用される土質は、現場で乾燥密度を求めるための土質や強度特性を求める試験が行いにくい、岩塊や玉石などの粒径が大きい盛土材料が多いです。

 

工法規定方式と品質規定方式の違い

品質規定方式と工法規定方式の違いはこんな感じ 🙂

品質規定方式 工法規定方式
土木工事などにおける盛土の管理において、発注者が必要な品質を仕様書に明示し、締固め方法については受注者(施工者)にゆだねる方法 締固め機械の機種、敷き均し厚さ、締固め回数などを仕様書で定め、これにより一定の品質を確保しようとする方法

例:ローラやブルドーザの走行回数などで規定する、TS・GNSSを利用して走行位置をリアルタイムに計測

ただしこの方法を適用する場合には、あらかじめ現場締固め試験(試験施工)を実施して、工法規定の妥当性を確認しておく必要あり

①締固め度および乾燥密度で規定する方法 一般の土に利用

締固め度=(現場における締固め後の乾燥密度ρd)/(基準となる室内締固め曲線における最大乾燥密度ρmax)×100(%)

①砂置換による土の密度試験方法

②RI計器による方法

盛土材料の土質、含水比があまり変化しない現場に適している

【工法規定の盛土材料として要求される一般的性質】

①締固め後の圧縮性が小さいこと

②せん断強さが大きく所定の強度が得られること

③粒度分布が良いこと

④吸水による膨潤性が低いこと

⑤雨水などの浸食に強いこと(透水性が小さいこと)

⑥施工性が良いこと

⑦機械のトラフィカビリティが良いこと

②空気間隙率または飽和度を施工含水比で規定する方法 高含水比などの粘性土に利用

空気間隙率⇒粘性土10%以下、砂質土15%以下

飽和度⇒粘性土85~95%、砂質土不適用

③強度特性、変形特性で規定する方法 砂質土や岩塊、玉石など強度低下が起こりにくい安定した盛土材に利用

CBR、支持力係数K値、貫入抵抗、たわみ量

どちらの方式も試験方法や定義などはしっかり覚えておきましょう。

さらに土木施工管理技士の試験にもよく出ますのでチェックしておいてください。

 

品質規定方式と工法規定方式の違いとは?締固め曲線や盛土締固めの管理方法まとめ

品質規定方式

  1. 締固め度および乾燥密度で規定する方法
  2. 空気間隙率または飽和度を施工含水比で規定する方法
  3. 強度特性、変形特性で規定する方法

工法規定方式とは、締固め機械の機種、敷き均し厚さ、締固め回数などを仕様書で定め、これにより一定の品質を確保しようとする方法(盛土材料の土質、含水比があまり変化しない現場ではこの方法が便利)

品質規定方式 工法規定方式
土木工事などにおける盛土の管理において、発注者が必要な品質を仕様書に明示し、締固め方法については受注者(施工者)にゆだねる方法 締固め機械の機種、敷き均し厚さ、締固め回数などを仕様書で定め、これにより一定の品質を確保しようとする方法

例:ローラやブルドーザの走行回数などで規定する、TS・GNSSを利用して走行位置をリアルタイムに計測

ただしこの方法を適用する場合には、あらかじめ現場締固め試験(試験施工)を実施して、工法規定の妥当性を確認しておく必要あり

①締固め度および乾燥密度で規定する方法 一般の土に利用

締固め度=(現場における締固め後の乾燥密度ρd)/(基準となる室内締固め曲線における最大乾燥密度ρmax)×100(%)

①砂置換による土の密度試験方法

②RI計器による方法

盛土材料の土質、含水比があまり変化しない現場に適している

【工法規定の盛土材料として要求される一般的性質】

①締固め後の圧縮性が小さいこと

②せん断強さが大きく所定の強度が得られること

③粒度分布が良いこと

④吸水による膨潤性が低いこと

⑤雨水などの浸食に強いこと(透水性が小さいこと)

⑥施工性が良いこと

⑦機械のトラフィカビリティが良いこと

②空気間隙率または飽和度を施工含水比で規定する方法 高含水比などの粘性土に利用

空気間隙率⇒粘性土10%以下、砂質土15%以下

飽和度⇒粘性土85~95%、砂質土不適用

③強度特性、変形特性で規定する方法 砂質土や岩塊、玉石など強度低下が起こりにくい安定した盛土材に利用

CBR、支持力係数K値、貫入抵抗、たわみ量

以上です。

ありがとうございました。

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員(土木職)の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ
  • 現場監督・施工管理の経験あり
  • 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛け等の資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインに情報を発信しています。
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