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衝撃弾性波法のコンクリート非破壊試験とは?デメリットや弾性波速度&原理

衝撃弾性波法についてかんたんに教えて

こんなぎもんにお答えします。

衝撃弾性波法とはコンクリート内を調べる非破壊検査のひとつです。

衝撃弾性波法の原理やメリット・デメリット、計算式(弾性波の速度導出)などをまとめたので参考にしてください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちら 🙂

 

衝撃弾性波法のコンクリート非破壊試験とは?デメリットや弾性波速度&原理

衝撃弾性波法は、コンクリート表面をインパクタ(鋼球)で打撃し、入力した縦弾性波速度と強度の関係式により、コンクリートの厚みなどを推定するものです。

鋼球によってコンクリート表面を打撃し、コンクリート中を往復する弾性波(周期)を計測します。

この周期は、波動が測定面と背面あるいは内部欠陥を1往復する時間と同じです。

つまり周期を分析すれば、

  1. コンクリートの厚さ
  2. 内部欠陥の有無
  3. 欠陥の深さ

などが分かります。

ちなみにコンクリート適用範囲は、0.1~5m程度です。

また、衝撃弾性波法以外のコンクリート非破壊検査はコンクリート構造物の非破壊検査【種類&一覧】をご確認ください。

 

衝撃弾性波法によるコンクリート非破壊検査のメリット・デメリット

メリット・デメリットを挙げるとするとこんな感じです。

メリット デメリット
コンクリート表面処理が不要

外部電源不要

システム機械が軽量であるため、もち運びが便利

打音法と比較して、周囲の騒音の影響を受けにくい。

欠陥の検知に加え、強度や杭を含む既存構造物の健全性を評価できる

他の境界面からの反射の影響により、周波数のピークが混在することがある

内部欠陥による共振周波数よりも高い周波数が必要(検出限界)

複数の欠陥が重層している場合、背後の欠陥を検知することはむずかしい

コンクリート表面処理が不要で、システムも軽量なため、比較的どんな場所でも検査ができるのが特徴。

また打音法などと比較すると、周囲の騒音の影響も受けにくい傾向にあります。

コンクリート内の欠陥検知に加え、強度や杭を含む既存構造物の健全性も評価できることがメリットです。

 

いっぽうデメリットは、弾性波の反射は、他の境界面からの影響を受けることがあり、周波数のピークが混在してしまうことがあります。

また内部欠陥を検出するには、共振周波数よりも、高い周波数が必要です。

さらに複数の欠陥が重層している場合、重なっている部分の背後の欠陥は、検知が困難な場合があります。

 

 

衝撃弾性波法によるコンクリート非破壊検査に用いる計算式(弾性波速度)

日本非破壊検査協会の試験方法(NDIS2426-2)に基づくと、

圧縮強度評価方法による弾性波伝搬速度の測定は、以下の式が用いられます。

E={ρ(1+v)(1-2v)/(1‐v)V²

E:弾性係数(Pa)

ρ:密度(㎏/m³)

v:ポアソン比

V:弾性波伝搬速度(m/s)

 

次に圧縮強度については以下の式が提案(推奨)されています。

Fⅽ=β×V^(α)

Fⅽ:圧縮強度

V:弾性波伝搬速度(m/s)

α、β:回帰速度(実験により定める)

 

そしてひび割れ深さの評価方法については、以下の式を用います。

d=√(V△T/2)²-L²

d:ひび割れ深さ

V:弾性波伝搬速度(m/s)

△T:ひび割れ先端を回析した弾性波の伝搬時間(s)

L:ひび割れ開口部から入力点および測定点までのキョリ(m)

 

いっぽうコンクリート厚(板厚)は以下の式で求められます。

T=Vp/2f₀

T:コンクリート厚(板厚)

Vp:P波速度

f₀:共振周波数

コンクリート中の弾性波は、物性の異なる境界面で反射して戻ってきます。

戻ってきた弾性波は、表面で再び反射するため、多重反射による周期的な定在波(P)となります。

この反射波(P)による共振周波数f₀を利用し、既知の弾性波速度からコンクリート厚を算出できるというわけです。

 

 

衝撃弾性波法のコンクリート非破壊試験とは?デメリットや弾性波速度&原理まとめ

衝撃弾性波法は、コンクリート表面をインパクタ(鉄球)で打撃し、入力した縦弾性波速度と強度の関係式により、コンクリートの厚みなどを推定するコンクリート非破壊検査

衝撃弾性波法のメリット&デメリット

メリット デメリット
コンクリート表面処理が不要

外部電源不要

システム機械が軽量であるため、もち運びが便利

打音法と比較して、周囲の騒音の影響を受けにくい。

欠陥の検知に加え、強度や杭を含む既存構造物の健全性を評価できる

他の境界面からの反射の影響により、周波数のピークが混在することがある

内部欠陥による共振周波数よりも高い周波数が必要(検出限界)

複数の欠陥が重層している場合、背後の欠陥を検知することはむずかしい

衝撃弾性波法に用いる計算式(速度導出)

測定値 計算式(速度導出) 意味
弾性波伝搬速度(弾性係数) E={ρ(1+v)(1-2v)/(1‐v)V²

E:弾性係数(Pa)、ρ:密度(㎏/m³)、v:ポアソン比、V:弾性波伝搬速度(m/s)
圧縮強度 Fⅽ=β×V^(α)

Fⅽ:圧縮強度、V:弾性波伝搬速度(m/s)、α、β:回帰速度(実験により定める)
ひび割れ深さ d=√(V△T/2)²-L²

d:ひび割れ深さ、V:弾性波伝搬速度(m/s)、△T:ひび割れ先端を回析した弾性波の伝搬時間(s)、L:ひび割れ開口部から入力点および測定点までのキョリ(m)
コンクリート厚 T=Vp/2f₀

T:コンクリート厚、Vp:P波速度、f₀:共振周波数

 

 

以上です。

ありがとうございました。

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木)として7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報を発信中!
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