掘削(くっさく)とは、土砂や岩石を取り除く作業の総称です。
主に土木工事や建築工事などで、構造物設置や土砂除去などに用いられる作業工程のひとつとも言えるでしょう。
さらに今回は、専門的な掘削の意味や、掘削に使用する機械(掘削機)についても解説していきますので、ぜひチェックしてみてください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
掘削とは?掘削作業の意味や掘削機の読み方&掘削工事について
冒頭でお話したとおり、掘削とは、土砂や岩石を取り除く作業の総称のこと。
掘削は「くっさく」と読み、土木工事や建築工事で使用される専門用語です。
一方で、さらに土木工事・建築工事での踏み込んだ意味を考えると、
現地盤線から施工基面まで(施工基面より上)で、埋め戻しを伴わない作業を【掘削】と呼んでいます。
さらに掘削には【明かり掘削】という言葉もありますので、詳しくは別記事でどうぞ!
ちなみに土を掘る作業には、掘削以外に「床掘り(とこぼり)」というものもあります。
床掘りは、構造物を築造・撤去する部分や埋戻しを伴う作業を指しています。
つまり、掘削と床掘りのちがいは埋戻しをするかどうかです。
さらに詳しくは別記事でご確認ください。
また、掘削における法律についても確認しておきましょう。
日本の法律では、私有地でも特定の場所において掘削(作業および行為)をする場合には、事前に自治体(国・県・町)の許可、もしくは届出を必要とする場合があります。
関連する法律は以下のとおり。
掘削に関連する法律
- 海岸保全区域(海岸法)
- 河川区域(河川法)
- 砂防指定地(砂防法)
- 保安林(森林法)
- 景観計画区域(景観法)
- 生産緑地地区(生産緑地法)
- 緑地保全地域(都市緑地法)
- 伝統的建造物群保存地区(文化財保護法)
- 市街地開発事業等予定区域(都市計画法)
- 特定の有害物質により土壌が汚染されている区域(土壌汚染対策法)
掘削作業を行うときは、かならず該当の自治体へ確認および相談してみてください。
ショベル系【掘削機】とは?意味や特徴&読み方も
掘削機は、「ショベル系掘削機」が基本で主流です。
掘削機は「くっさくき」と読みます。
ショベル系掘削機とは、自走用の下部走行体とそれに対して360°全旋回できる上部旋回体とから成る本体に、
- ショベル
- バックホウ
- クラムシェル
- ドラグライン
などの機械のほか、その他相互に交換可能な各種の作業装置を組み合わせて一体の機械(コンプリートマシン)とするものです。
主に掘削や積込作業を目的とする機械で、油圧式ショベル・機械式ショベルなどの種類があります。
また、掘削機に伴う専門用語と意味は以下のとおりです。
掘削機の専門用語 | 定義や意味 |
運転質量 | 燃料、潤滑油、作動油および冷却水を規定量とし、製造業者が指定する作業装置を装備した本体に、乗員1名分(75kg)および携行工具の質量を加えた質量 |
機械質量 | 運転質量から乗員の質量(75kg)を差し引いた質量 |
機体質量 | 運転質量から、作業装置、乗車定員、燃料、潤滑油、冷却水、作動油、携行工具などの質量を差し引いた本体の乾燥質量 |
機械総質量 | 運転質量に最大積載質量を加えたもの
最大積載質量は、標準バケット山積容量に土砂の密度として1,800kg/㎥を乗じた値 |
バケット容量 | バケットの内容積で、平積容量・山積容量などの総称
ショベル、バックホウ、ローディングショベルでは山積容量をもって表示し、クラムシェルは平積容量をもって表示する 平積み容量とは、バケット上縁に平らに掘削物を入れたときの容量 定格山積容量とは、バックホウおよびフェイスショベルの場合はバケットに土砂を山盛りに入れ、土砂の安息角を1:1とし、ローディングショベルの場合は1:2としたときの容量をいう。 |
そして、ショベル系掘削機についてさらにくわしく見ていきましょう。
ショベル系掘削機
- バックホウ
- パワーショベル
- クラムシェル
- ドラグライン
掘削機➀バックホウの特徴
バックホウは、アームに取り付けたバケットを手前に引き上げ掘削するのが特徴。
機械の位置より低い場所の掘削に適しており、固い地盤の掘削も可能です。
掘削機②パワーショベルの特徴
パワーショベルとは、アームに取り付けたバケットを前方に押出し掘削します。
油圧式ショベルのひとつで、バックホウと見た目はよく似ています。
機械の位置より高い所での掘削や、比較的固い地盤の土砂・破砕された岩石の掘削に適しています。
掘削機③クラムシェルの特徴
(引用:テレスコ式クラムシェル:タイヨウ株式会社)
クラムシェルは、開閉式のバケットを開いたまま垂直下方に卸、バケットを閉じて土砂をつかみ取り掘削するのが特徴で、狭い場所を深く掘り下げる箇所に適しています。
さらに具体的に言えば、河床の浚渫(しゅんせつ)や局所的掘削などの場所で、比較的やわらかい地盤が合っています。
掘削位置は機械より低い場所が適切ですが、多少高い場所でも問題ありません。
掘削機④ドラグラインの特徴
ドラグラインとは、ロープで懸垂された爪付きバケットを落下させ、他のロープで引き寄せ掘削する機械です。
機械の位置より低い場所で、河川や軟弱地の浅く広い掘削に適していると言えるでしょう。
掘削とは?掘削作業の意味や掘削機の読み方&掘削工事まとめ
ポイント
掘削とは、土砂や岩石を取り除く作業の総称のこと。掘削は「くっさく」と読み、土木や建築の建設工事で使用される専門用語
さらに土木工事や建築工事での踏み込んだ意味を考えると、現地盤線から施工基面まで(施工基面より上)で、埋め戻しを伴わない作業を【掘削】と呼んでいる
掘削機は「くっさくき」と読む
ショベル系掘削機とは、自走用の下部走行体とそれに対して360°全旋回できる上部旋回体とから成る本体に、
- ショベル
- バックホウ
- クラムシェル
- ドラグライン
などの機械のほか、その他相互に交換可能な各種の作業装置を組み合わせて一体の機械(コンプリートマシン)とするもの
主に掘削や積込作業を目的とする機械で、油圧式ショベル・機械式ショベルなどの種類がある
以上です。
ありがとうございました。
この記事を書いた人
- 元公務員(土木職)の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ
- 現場監督・施工管理の経験あり
- 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛け等の資格もち
- 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報を発信しています。
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