こんにちは、1級土木施工管理技士のちゃんさとです。
土留め支保工と言っても、アンカー式や控え杭タイロッド式土留めなど種類があり、工法も異なります。
それぞれの特徴を確認していきましょう。
この記事を書いている人
- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国公立大学の土木工学科卒業
- 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などの資格もち
- 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報発信をしています。
土留め支保工と土止め支保工の違い
【土留め支保工】と【土止め支保工】の漢字のちがいは、使っている組織(機関)がちがいます。(意味はいっしょ)
- 労働安全衛生法関係では「土止め」
- 国土交通省の技術基準関係では「土留め」
よって、労働安全衛生法がらみでは「土止め」を使い、技術基準がらみでは「土留め」を使っているそうですよ 🙂
だからどちらも間違いではないですが、現場などでは「土留め支保工」の方が使われることが多いです。
土留め支保工(土止め支保工)の種類
土留め支保工の種類は大きく分けて4種類です。
土留め支保工の種類
- 切ばり式
- アンカー式
- 控え杭タイロッド式
- 自立式(支保工なし)
土留め支保工(土止め支保工)の種類別工法と特徴
それぞれの特徴と工法を解説していきます。
切ばり式土留め
工法
切ばり、腹起しなどの支保工と、掘削される側の地盤抵抗によって、土留め壁を支持する工法です。
特徴
切ばり式の特徴は以下のとおり。
- 現場の状況によって、支保工の数や配置の変更ができる
- 機械掘削のとき、支保工がじゃまになりやすい
- 掘削面積が広いと、支保工(切ばりや腹起し)の数が増える
アンカー式土留め
工法
掘削周辺の地盤中に定着させた土留めアンカーと、掘削される側の地盤抵抗によって土留め壁を支持する工法です。
特徴
アンカー式の特徴は以下のとおり。
- 掘削するところに切ばりがないので、機械掘削がかんたん
- 偏土圧が作用する場合でも適用可能
- アンカーを定着させるため、良質で強度のある地盤が必要
- 掘削周辺にもアンカーを打設できる敷地が必要
- 掘削周辺に既設構造物や基礎、地下埋設物などがあると、アンカー施工ができず適用はむずかしい
- 土留め施工終了後、アンカーを地中に残置した場合、将来障害になるなどの問題が発生する可能性がある
控え杭タイロッド式土留め
工法
土留め壁の背面地盤中にH形鋼、鋼矢板などの控え杭を設置します。
そして土留め壁とタイロッドでつなげ、これと地盤の抵抗により土留め壁を支持する工法です。
特徴
控え杭タイロッド式の特徴は以下のとおり。
- 比較的良質な地盤で、浅い掘削に適している
- 地盤変位が大きく、自立式土留めなどが適用できない場合に使われる
- 掘削するところに切ばりがないので、機械掘削がかんたん
- アンカー式よりも経済的
- 掘削周辺に控え杭とタイロッドを設置するための敷地が必要になる
自立式(支保工なし)
工法
切ばり、腹起しなどの支保工を使わずに、地盤の抵抗力で土止め壁を自立させる工法です。
特徴
自立式(支保工なし)の特徴は以下のとおり。
- 比較的良質な地盤で、浅い掘削をする場合に適する
- 掘削面内に支保工がないので、掘削がかんたん
- 支保工がないため、土留め壁の変形が大きくなる
土留め支保工(土止め支保工)種類・工法・違いまとめ
土留め支保工まとめ
土留め支保工の種類は大きく分けて4種類!
- 切ばり式:切ばり、腹起しなどの支保工と、掘削される側の地盤抵抗によって、土留め壁を支持する工法
- アンカー式:掘削周辺の地盤中に定着させた土留めアンカーと、掘削される側の地盤抵抗によって土留め壁を支持する工法
- 控え杭タイロッド式:土留め壁の背面地盤中にH形鋼、鋼矢板などの控え杭を設置して土留め壁とタイロッドでつなげ、これと地盤の抵抗により土留め壁を支持する工法
- 自立式(支保工なし):切ばり、腹起しなどの支保工を使わずに、地盤の抵抗力で土止め壁を自立させる工法
【土留め支保工】と【土止め支保工】の漢字のちがいは、使っている組織(機関)が違う(意味はいっしょ)
- 労働安全衛生法関係では「土止め」
- 国土交通省の技術基準関係では「土留め」
また、土留め関係でいっしょに読んでおいたほうが良い記事は、以下の土留め壁の種類についてです。
今回は以上です。
参考になればうれしいです。
ありがとうございました。