こんなお悩みを解決します。
コンクリート打設方法って時間とか気温とか基準が多くて覚えるのが大変ですよね。
そこで今回は、コンクリート打設方法のまとめ記事をつくりました。
この記事を読めば、コンクリート打設方法のポイントや基準、気温、時間などがとりあえずまるっとわかりますよー!
この記事を書いている人
- 元公務員の土木ブロガー
- 国立大学★土木工学科卒業
- 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などの資格もち
- 某県庁の公務員土木職として7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 今はブログやYouTubeで土木施工管理技士や土木知識などをメインにさまざまな情報を発信しています。
それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。
コンクリート打ち込みの注意点や温度・時間!気温やうち重ね時間も解説
まずはコンクリート運搬から見ていきましょう。
コンクリート運搬時間
コンクリートを練り混ぜてから、運搬車が荷おろし時点に到着するまでの時間は1.5時間以内(90分)を標準とします。
また運搬のとき、コンクリートの圧送は連続して行うことが原則です。
しかしやむを得ず中断する場合は、中断時間を1時間以内(60分)とし、暑中コンクリートや流動化コンクリートの場合は、中断時間をさらに短くしてください。
コンクリート打ち込み時間や気温
コンクリート練り始めから打ち終わるまでの時間と気温の関係
コンクリート打ち込みの基準は以下のとおりです。
外気温が25℃を超えるとき、1.5時間以内(90分)
外気温が25℃以下のとき、2時間以内(120分)
コンクリートの許容うち重ね時間と気温の関係
コンクリートの許容うち重ね時間とは、コンクリートを層状に打ち重ねるときに、下層のコンクリート打ち込みが終わってから上層のコンクリートを打ち込み始めるまでの時間です。
外気温が25℃を超えるとき、2.0時間以内(120分)
外気温が25℃以下のとき、2.5時間以内(150分)
コンクリートの打ちあがり速度
コンクリートの打ちあがり速度とは、コンクリート打ち込み始めて終わるまでの速さ(時間)のことです。
一般的なコンクリートの打ちあがり速度は、30分につき、コンクリート高さ1m~1.5mくらいを標準としています。
コンクリート締固め
コンクリート打設で1ヵ所あたりの振動時間
コンクリートを内部振動機(棒状バイブレータ)などで締め固めるときには、1ヵ所あたり5秒~10秒かけて締め固めてください。
コンクリート打設で再振動をする場合
コンクリートを適切に再振動すると、コンクリート中の空げき(すきま)が少なくなり、強度や鉄筋との付着強度、ひびわれの防止などに効果があります。
またコンクリートの再振動は、締固めが可能な範囲でできるだけおそい時期がよいとされています。
時間としては、コンクリートの許容うち重ね時間を参考にして2.5時間後(150分)くらいが目安です。
コンクリート打設方法の打込み・締固めなどの注意点
コンクリート打ち込み時の注意点
- コンクリートは打ち込んだ型枠内で横移動させないこと
- 計画した打継目以外は、打ち込み完了までコンクリートを連続して打ち込むこと
- ブリーディング水が表面に集まった場合は、取り除いてから打ち込むこと
コンクリートは打ち込んだ型枠内で横移動させない
コンクリートを横移動させると、材料分離を起こす可能性があります。
材料分離を起こすとコンクリートの性能や強度が下がってしまいます。
したがって、コンクリートは型枠内で横移動させてはいけません。
コンクリートは連続して打ち込む
不要な打継目をへらすために、コンクリートは連続して打ち込みましょう。
打継目(うちつぎめ)とは打継ぎをおこなった境目のこと。
不要な打継目は構造物の弱点になりやすいため、打継目をできる限り少なくすることが大切です。
ブリーディング水は取り除く
ブリーディングとは、固まらないコンクリートやモルタルの材料分離によって、練り混ぜ水の一部が表面にでてくる現象のことです。
過度なブリーディングが生じると、セメントや骨材が沈降してコンクリートの性能や強度が低下します。
コンクリートを打ち込むときは、ブリーディング水をしっかり取り除くようにしましょう。
コンクリートの打ち込みについてさらにくわしく知りたいかたは以下の記事を参考にしてください。
コンクリート締固め時の注意点
- コンクリートの締固めは内部振動機を使うことを原則とする
- 内部振動機は鉛直に挿入し、挿入間隔は一般的に50cm以下とする
- 内部振動機はコンクリート下層に10cm程度挿入する
- うすい壁などの内部振動機が使えない場所は、型枠振動機をつかう
- 締固めの時間目安は、1ヵ所あたり5秒~15秒とする
- 内部振動機を引き抜くときは、穴のあとが残らないようにゆっくりと引き抜く
- 再振動するときは、コンクリートの締固めができる範囲でできるだけおそい時期にする
コンクリートの締固めは内部振動機を使うことを原則とする
内部振動機とは、コンクリートが固まる前の状態でつかう棒状の振動機のことです。
棒状バイブレータともよばれ、生コンの中に入れて使います。
内部振動機は鉛直に挿入し、挿入間隔は、一般的に50cm以下とする
(※内部振動機イメージ図)
内部振動機をコンクリートに挿入するときは、まっすぐ(鉛直)になるようにしてください。
また内部振動機を使う間隔は、50cm以下になるように挿入しましょう。
内部振動機はコンクリート下層に10cm程度挿入する
(※内部振動機イメージ図)
2層以上のコンクリートを締固める場合は、内部振動機がコンクリート下層に10cmくらい挿入するようにしてください。
内部振動機が下層に入っていないと、振動がうまく伝わらずコンクリートの締固めができません。
うすい壁などの内部振動機が使えない場所は、型枠振動機をつかう
コンクリートの締固めにおいて、うすい壁などの場所には内部振動機が使えない場合があります。
そんなときは、型枠振動機を使って外から振動を与えて締固めます。
(※型枠振動機イメージ図)
締固めの時間目安は、1ヵ所あたり5秒~15秒とする
コンクリート締固めの時間目安は1ヵ所あたり5秒~15秒です。
コンクリート標準示方書〔施工編)でも記載されている基準ですので覚えておきましょう。
内部振動機を引き抜くときは、穴のあとが残らないようにゆっくりと引き抜く
内部振動機をすばやく引き抜いてしまうと、コンクリートに穴が残ってしまい、コンクリート内部の骨材が均等になりません。
だから内部振動機を引き抜くときは、コンクリートの様子をみながらゆっくり引き抜くようにしてください。
再振動するときは、コンクリートの締固めができる範囲でできるだけおそい時期にする
コンクリートが材料分離したりひび割れしたりしたときは、コンクリートを再振動させて締固めなければなりません。
再振動するときには、コンクリートの締固めができる範囲でできるだけおそい時期にしてください。(150分後くらいが目安)
コンクリートの締固めの注意点についてさらにくわしく知りたいかたは以下の記事を参考にしてください。(↓以下リンク)
コンクリート打設の養生時間や気温
湿潤養生期間の標準(コンクリートが所定の強度を確保する期間)
日平均気温 | 普通ポルトランドセメント | 混合セメントB | 早強ポルトランドセメント |
15℃以上 | 5日 | 7日 | 3日 |
10℃以上 | 7日 | 9日 | 4日 |
5℃以上 | 9日 | 12日 | 5日 |
養生期間と気温の関係はセットで覚えておきましょう。
温度制御養生(工場製品など)
工場製品の養生では、練り混ぜたあとに2~3時間以上経過してから蒸気養生をおこなってください。
寒中コンクリートや暑中コンクリート打設について
定義
- 日平均気温が4℃以下の場合、寒中コンクリートとして取りあつかうこと
- 日平均気温が25℃を超える場合、暑中コンクリートとして取りあつかうこと
打ち込み
- 寒中コンクリートはコンクリート温度を5~20℃に保ちます。
- 暑中コンクリートのコンクリート温度上限は35℃以下とします。
養生
寒中コンクリートの養生は、初期凍害を防止するためにコンクリート温度を5℃以上、さらに2日間は0℃以上に保ってください。
また暑中コンクリートの場合、気温が高く湿度が低いためひびわれを起こす可能性が高いです。
そんなときは散水、覆い(おおい)などをして、直射日光やかぜを防いでください。
混和剤
気温が高すぎたり低すぎたりする場合は、混和剤(AE剤、減水剤、凝結遅延剤、硬化促進剤など)を適切に使い、コンクリートの性能を確保しましょう。
コンクリート打設に伴うひびわれについて
コンクリートの主なひび割れパターンはこちらです。
- 沈みひび割れ
- 乾燥収縮ひび割れ
- 水和熱によるひび割れ
- アルカリシリカ反応によるひび割れ
とくに沈みひび割れなどはコンクリート打設後すぐに確認できます。
ひびわれを確認したら、再振動やタンピングなどで対応するようにしてくださいね 🙂
ひびわれの原因と対策は以下の表にまとめましたので参考にしてください。
コンクリートひびわれパターンや補修方法については別記事でご確認ください。
コンクリート打ち込みの注意点や温度・時間!気温やうち重ね時間まとめ
打設時間や気温について
運搬
- コンクリートの練り混ぜてから、運搬車が荷おろし時点に到着するまでの時間は1.5時間(90分)以内とし、圧送をやむを得ず中断するときは1時間以内とする。
打ち込み
- 練り始めから打ち終わりまで:外気温が25℃を超えるときは1.5時間以内(90分)、外気温が25℃以下なら2.0時間以内(120分)とする。
- 許容うち重ね時間:外気温が25℃を超えるとき、2.0時間以内(120分)、外気温が25℃以下のとき、2.5時間以内(150分)とする。
- 打ちあがり速度:コンクリートの打ちあがり速度は、30分につき、コンクリート高さ1m~1.5mくらいを標準とする。
締固め
- コンクリートを内部振動機(棒状バイブレータ)などで締め固めるときには、1ヵ所あたり5秒~10秒かけて締め固める。
- 再振動させる場合は、締固めが可能な範囲でできるだけおそい時期がよい(目安150分)
打ち込みや締固めの注意点について
打ち込み
- コンクリートは打ち込んだ型枠内で横移動させないこと
- 計画した打継目以外は、打ち込み完了までコンクリートを連続して打ち込むこと
- ブリーディング水が表面に集まった場合は、取り除いてから打ち込むこと
締固め
- コンクリートの締固めは内部振動機を使うことを原則とする
- 内部振動機は鉛直に挿入し、挿入間隔は、一般的に50cm以下とする
- 内部振動機はコンクリート下層に10cm程度挿入する
- うすい壁などの内部振動機が使えない場所は、型枠振動機をつかう
- 締固めの時間目安は、1ヵ所あたり5秒~15秒とする
- 内部振動機を引き抜くときは、穴のあとが残らないようにゆっくりと引き抜く
- 再振動するときは、コンクリートの締固めができる範囲でできるだけおそい時期にする
養生の気温や時間(日数)について
湿潤養生期間の標準(コンクリートが所定の強度を確保する期間)
日平均気温 | 普通ポルトランドセメント | 混合セメントB | 早強ポルトランドセメント |
15℃以上 | 5日 | 7日 | 3日 |
10℃以上 | 7日 | 9日 | 4日 |
5℃以上 | 9日 | 12日 | 5日 |
温度制御養生(工場製品など)
- 工場製品の養生では練り混ぜたあとに、2~3時間以上経過してから蒸気養生を行う。
寒中コンクリートと暑中コンクリートの打設について
定義
- 日平均気温が4℃以下の場合、寒中コンクリートとして取りあつかうこと
- 日平均気温が25℃を超える場合、暑中コンクリートとして取りあつかうこと
打ち込み
- 寒中コンクリートはコンクリート温度を5~20℃に保つ。
- 暑中コンクリートはコンクリート温度の上限は35℃以下とする。
養生
- 寒中コンクリートの養生は、初期凍害を防止するためにコンクリート温度を5℃以上、さらに2日間は0℃以上に保つ
- 暑中コンクリートは、気温が高く湿度が低いとひびわれを起こす可能性があるため、散水、覆い(おおい)などをして、直射日光やかぜを防ぐ。
混和剤
- 気温が高すぎたり低すぎたり場合は、混和剤(AE剤、減水剤、流動化剤)などを適切に使い、コンクリートの性能を確保する
コンクリートひびわれについて
コンクリートの主なひび割れパターンは、①沈みひび割れ②乾燥収縮ひび割れ③水和熱ひび割れ④アルカリシリカひび割れなどがある
今回は以上です。
ありがとうございました。