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バッフルプレートやコンクリート運搬時間とは?生コンのダンプ運搬も

今回はコンクリート運搬のきほんです。

コンクリート運搬の方法や時間の決まりが知りたい

こんなお悩みを解決します。

コンクリート運搬について、運搬時間や使用する器具(漏斗管、バッフルプレートなど)も解説していますのでぜひどうぞ!

 

バッフルプレートやコンクリート運搬時間とは?生コンのダンプ運搬も

コンクリートの運搬は、できるだけ運搬時間がみじかいのが理想です。

またコンクリートのコンシステンシーやワーカビリティーなどの性能を満たし、かつ経済的な方法で運搬するのがのぞましいとされています。

 

現場までの生コン運搬(コンクリート)について

コンクリート練り混ぜから打ち終えるまでの時間は、

  • 気温が25℃を超えるときで1.5時間
  • 25℃以下のときで2時間以内

を標準としましょう。

 

また、レディーミクストコンクリートを使うときには、

JISA5308(ジス規格)

の運搬に関する規定をまもるようにしてください。

きほんは、生産者が練り混ぜを開始してから運搬車が荷おろし時点に到着するまでの時間を1.5時間以内としています。

 

いっぽうで、打ち込みまでの時間が長くなる場合には、コンクリート品質を保つため、遅延剤、流動化剤の使うことを検討して下さい。

運搬中に材料分離などが分かったときは、十分に練り直してから使いましょう。

※硬化がはじまってから練る【練り返し】コンクリートは使ってはいけません。

 

生コンクリート運搬車について(アジテータ、トラックミキサ、ダンプ)

コンクリート運搬車には一般的に、

  • アジテータトラック
  • トラックミキサ

などが用いられます。

 

荷おろしする直前に、ミキサーやアジテータを高速で回転すると、材料分離防止に効果的です!

スランプが5cm以下のような硬めのコンクリートを、10㎞以下くらいの短区間運搬であれば、ダンプトラックで運ぶのもありですよ。

 

現場内での生コンクリート運搬について

つづいては、現場内コンクリートの取り扱いについてです。

バケット

練り混ぜたコンクリートをバケットに受け、これをクレーン等の打ち込み場所まで運搬する方法です。

コンクリートの材料分離をもっとも少なくできます。

ダムのコンクリート打設などには、もっぱらこの方法が使われてますよー 😉

 

コンクリートポンプ

コンクリートポンプにおける、輸送管の径や配管の経路は、

ポイント

  1. 種類
  2. 品質
  3. 粗骨材の最大寸法
  4. コンクリートポンプの機種
  5. 圧送条件
  6. 圧送作業のしやすいさ
  7. 安全性

などを考えたうえで決めましょう。

 

一般的に、輸送管の径が大きいほど、圧送負荷は小さくて良いです。

しかし配管先端における作業性は低下するので、配管の移動に要する時間も長くなります。

さらに配管のキョリは、水平キョリで400m程度、鉛直キョリで50mくらいの高さまで送ることができますが、できるだけみじかく、曲がりの数をなるべく少なくすることが好ましいでしょう。

 

コンクリート圧送のときは、同程度のモルタルを圧送し、コンクリート中のモルタルがポンプなどに付着して少なくならないようにしてください。

またコンクリ―ト圧送は連続的に行い、できるだけ中断はさけましょう。

やむを得ず中断するときも1時間以内を原則とし、暑中コンクリートや流動化コンクリートなどの場合はさらに短い時間での中断することが大切です。

 

配管内での目詰まりを防ぐため、

  1. 単位セメント量は300㎏/㎥以上
  2. 粗骨材の最大寸法40mm以下
  3. 細骨材率をやや大きめの配合

としてくださいね。

 

コンクリートのスランプは、

  • プレストレストコンクリートの場合10cm以下
  • 無筋・鉄筋コンクリートの場合12cm以下

を標準とし、作業に適する範囲でできるだけ小さくしましょう。

 

ポンパビリティーを考慮しスランプを大きくする場合は、

  • 高性能AE減水剤を用いたコンクリート
  • 流動化コンクリート

などを使うことを原則としています。

 

この場合のスランプは18cm以下です。

スランプの基準や試験方法も確認しておきましょう。

またコンクリートの空気量は、圧送中の減少を考慮して決めてください。

いっぽう、コンクリート打ち込みなどについては別記事でまとめています。

ベルトコンベア

運搬キョリが長い場合には、コンクリートの乾燥を防止するため、覆いなどを使いましょう。

また、コンクリートの材料分離をふせぐためには、コンベア終端にはバッフルプレートや漏斗管を使います。

 

コンベアの終端は適度に移動させ、1ヵ所にまとめてコンクリートを下さないようにしてください。

勾配が30°以上になると、ベルトコンベアでは運搬できないので注意が必要です。

 

シュートほか漏斗管やバッフルプレート

シュートは水で洗ってから使うようにしてください。

高いところからシュートを用いてコンクリートを下す場合には、縦シュートを使わなければいけません。

 

そしてシュートを使ってコンクリートを流すまえには、モルタルを流下させるとよいです。

やむを得ず斜めシュートを用いる場合には、材料の分離を起こさないように、シュートの吐き口に漏斗管やバッフルプレート(板)を取り付けなければいけません。

 

いっぽうで縦シュートの下端とコンクリート打ち込み面との距離は1.5m以下とし、

シュートの傾きはコンクリートが材料分離を起こさないくらいで、一般的に水平2に対して鉛直1くらいの傾きとしてください。

 

 

バッフルプレートやコンクリート運搬時間とは?生コンのダンプ運搬まとめ

コンクリート運搬まとめ

  1. コンクリート運搬はできるだけ短いのが理想
  2. レディーミクストコンクリートを使うときには、ジス規格JISA5308の規定を守る
  3. コンクリート運搬には、一般的にアジテータトラックやトラックミキサなどが用いられ、荷おろしする直前に、ミキサーやアジテータを高速で回転すると、材料分離防止に効果的!
  4. バケットを用いると、コンクリートの材料分離を防げる
  5. コンクリートポンプは輸送管の径が大きいほど、圧送負荷は小さくて良い
  6. ポンパビリティーを考慮しスランプを大きくする場合は、高性能AE減水剤を用いたコンクリートあるいは流動化コンクリートなどを使うことを原則とし、この場合のスランプは18cm以下
  7. スランプが5cm以下のような硬めのコンクリートを、10㎞以下くらいの短区間運搬であれば、ダンプトラックで運ぶのもあり
  8. ベルトコンベアをつかうとき運搬キョリが長い場合には、コンクリートの乾燥を防止するため覆いなどを使う
  9. さらにコンクリートの材料分離をふせぐため、コンベア終端にはバッフルプレートや漏斗管を用いる
  10. 勾配が30°以上になると、ベルトコンベアでは運搬できないので注意が必要!
  11. シュートの傾きはコンクリートが材料分離を起こさない程度のものとし、一般的に水平2に対して鉛直1
コンクリート運搬の基準
コンクリート練り混ぜから打込み終了までの時間 気温が25℃を超えるときで1.5時間
気温が25℃以下のときで2時間以内
配管内での目詰まりを防ぐための基準 単位セメント量は300㎏/㎥以上
粗骨材の最大寸法40mm以下
細骨材をやや大きめの配合
コンクリートのスランプの基準 プレストレストコンクリートの場合10cm以下
無筋・鉄筋コンクリートの場合12cm以下
高性能AE減水剤を用いたコンクリートあるいは流動化コンクリートの場合18cm以下
縦シュートの下端とコンクリート打ち込み面との距離 1.5m以下
やむを得ず斜めシュートを用いる場合 材料の分離を起こさないように、シュートの吐き口に漏斗管やバッフルプレート(板)を取り付ける

 

今回は以上です。

ありがとうございました。

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学の土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインに情報発信をしています。
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