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コンクリートの種類による記号一覧!セメントの種類や早強コンクリートの記号

コンクリート材料のセメントの種類と記号が知りたい!

こんなお悩みを解決します。

コンクリートの材料となるセメントの種類と記号を一覧表にまとめましたので参考にしてください。

 

コンクリートの種類による記号一覧!セメントの種類や早強コンクリートの記号

コンクリートの主な材料となるセメントはまず、

①ポルトランドセメント

②混合セメント

の2つに分けられます。

コンクリート材料①ポルトランドセメント系

ポルトランドセメントは、大きく分けると、

  1. 普通(N)
  2. 早強(H)
  3. 超早強(UH)
  4. 中庸熱(M)
  5. 低熱(L)
  6. 耐硫酸塩(SR)

に分けられます。(コンクリートの分類記号としても使われます)

くわしい特性などは以下の表をご覧ください。

ポルトランドセメント系
種別 記号 特性・用途
普通 N セメントと呼ばれるもの

一般的なコンクリート工事に使われる

普通(低アルカリ) NL 普通ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

早強 H 初期強度が大きく、工事を急ぐときや、寒中・道路用コンクリートなどに使用される

ただし、発熱量が大きいためマスコンクリートには適さない

早強(低アルカリ) HL 早強ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

超早強 UH 初期硬化速度がとくに大きく、材齢1日で普通ポルトランドセメントの7日とほぼ同じ強度を発現

急速施工用コンクリートに使われる

超早強(低アルカリ) UHL 超早強ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

中庸熱 M 水和熱量が小さいため、ダム工事など大量のコンクリートを扱うものに使われる
中庸熱(低アルカリ) ML 中庸熱ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

低熱 L 水和熱が低く、流動性にすぐれる

初期強度は小さいが長期強度は大きい

低熱(低アルカリ) LL 低熱ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

耐硫酸塩 SR 硫酸塩の腐食に対する抵抗が大きく、硫酸塩を含む地下水・下水・海水などに触れるコンクリートに使用される
耐硫酸塩(低アルカリ) SRL 耐硫酸塩ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

 

 

 

コンクリート材料②混合セメント系

混合セメントは、

混合セメント

  1. 高炉セメント(B)
  2. シリカセメント(S)
  3. フライアッシュセメント(F)

の3種類で、そのなかでさらにA種、B種、C種と分かれていきます。

 

混合セメント系
種別 記号 原料・製法
高炉セメント

(JIS R 5211)

A種

高炉スラグ

(%)

5を超え30以下 BA クリンカーと高炉スラグに適量の石膏を加えて混合、粉砕する

特色

  1. 水密性、耐熱性、耐塩性、耐食性の向上
  2. アルカリ(シリカ)骨材反応抑制効果
  3. 低熱
B種 30を超え60以下 BB
C種 60を超え70以下 BC

シリカセメント

(JIS R 5212)

A種

シリカ質

混合材

(%)

5を超え10以下 SA クリンカーとシリカ質混合材に適量の石膏を加えて混合、粉砕する

特色

  1. 水密性、化学抵抗性の向上
  2. 水和熱が低いが、乾燥収縮がやや大きいので、ひびわれに注意
B種 10を超え20以下 SB
C種 20を超え30以下 SC

フライアッシュセメント

(JIS R 5213)

A種

フライアッシュ

(%)

5を超え10以下 FA クリンカーとフライアッシュに適量の石膏を加えて混合、粉砕または、セメントとフライアッシュを均一に混合してつくる

特色

  1. ワーカビリティーの向上
  2. 水密性・耐海水性の向上
  3. 発熱量が少ないためダムなどのマスコンクリートに使用
B種 10を超え20以下 FB
C種 20を超え30以下 FC
クリンカーとは、セメントの原料にするためにつくられた、鉱物などが焼き固まったものです。焼塊(しょうかい)とも呼ばれます。

 

セメントに混合される、代表的な混和材は以下のとおりです。

混和材の種類 原料・製法
高炉スラグ 製鋼の高炉から副産物として出てくる鉄鉱石の石質部(スラグ)を水で急激に冷却し、こまかく粉砕した粉末のこと 主成分は石灰【CaO】と二酸化ケイ素(シリカ)【SiO₂】
シリカ 電気炉で、原料のけい石、石英、鉄くずなどから、シリコン合金やフェロシリコン合金を製造するときにできる副産物のこと 主成分は二酸化ケイ素(シリカ)【SiO₂】
フライアッシュ 石炭火力発電所において微粉炭を燃焼するとき、溶融した灰分が冷却されたものを電気集塵器などで集めた微粒子のこと 主成分は二酸化ケイ素(シリカ)【SiO₂】とアルミナ【Al₂O₃】

 

セメントができるまでの流れ

ちなみにセメントができるまでの流れはこんな感じです。

乾式法と呼ばれる製造工程を表しています。

石灰石と粘土、けい石および鉄さいを混合し、

乾燥⇒軽量⇒粉砕⇒混合⇒焼成⇒クリンカー⇒冷却⇒粉砕

の流れを経てセメントになります。

コンクリート・モルタル・セメントペーストの違いなどは別記事でご確認ください。

 

コンクリート材料のポルトランドセメントに含まれる化合物の含有率も記号に併せて確認

ポルトランドセメントの主成分は、酸化カルシウム(CaO)、二酸化ケイ素(シリカ、SiO₂)、酸化アルミニウム(アルミナ、Al₂O₃)、酸化鉄(Ⅲ)(Fe₂O₃)などです。

これらの化学成分は、単独で存在しているのではなく、焼成によって他種の化合物を形成します。

セメントに含まれる主な化合物の含有率はおおよそ以下のとおりです。

化合物の含有比率(%)
セメントの種類 主な化合物
ケイ酸3カルシウム

(3CaO・SiO₂)

ケイ酸2カルシウム

(2CaO・SiO₂)

アルミン酸3カルシウム

(3CaO・Al₂O₃)

鉄アルミン酸4カルシウム

(4CaO・Al₂O₃・FeO₃)

普通ポルトランドセメント 53 23 8 10
早強ポルトランドセメント 67 9 8 8
超早強ポルトランドセメント 68 6 8 8
中庸熱ポルトランドセメント 48 30 5 11
耐硫酸塩ポルトランドセメント 57 23 2 13

セメントの種類や記号に併せてチェックしておくとよいでしょう。

 

コンクリートの種類による記号一覧!セメントの種類や早強コンクリートの記号まとめ

コンクリート材料となるセメントの種類と記号一覧表

ポルトランドセメント系
種別 記号 特性・用途
普通 N セメントと呼ばれるもの

一般的なコンクリート工事に使われる

普通(低アルカリ) NL 普通ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

早強 H 初期強度が大きく、工事を急ぐときや、寒中・道路用コンクリートなどに使用される

ただし、発熱量が大きいためマスコンクリートには適さない

早強(低アルカリ) HL 早強ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

超早強 UH 初期硬化速度がとくに大きく、材齢1日で普通ポルトランドセメントの7日とほぼ同じ強度を発現

急速施工用コンクリートに使われる

超早強(低アルカリ) UHL 超早強ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

中庸熱 M 水和熱量が小さいため、ダム工事など大量のコンクリートを扱うものに使われる
中庸熱(低アルカリ) ML 中庸熱ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

低熱 L 水和熱が低く、流動性にすぐれる

初期強度は小さいが長期強度は大きい

低熱(低アルカリ) LL 低熱ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

耐硫酸塩 SR 硫酸塩の腐食に対する抵抗が大きく、硫酸塩を含む地下水・下水・海水などに触れるコンクリートに使用される
耐硫酸塩(低アルカリ) SRL 耐硫酸塩ポルトランドセメントで、アルカリ骨材反応を抑制することを目的としてる

セメント中の全アルカリ量を0.6%以下になるように調整されたもの

混合セメント系
種別 記号 原料・製法
高炉セメント

(JIS R 5211)

A種

高炉スラグ

(%)

5を超え30以下 BA クリンカーと高炉スラグに適量の石膏を加えて混合、粉砕する

特色

  1. 水密性、耐熱性、耐塩性、耐食性の向上
  2. アルカリ(シリカ)骨材反応抑制効果
  3. 低熱
B種 30を超え60以下 BB
C種 60を超え70以下 BC

シリカセメント

(JIS R 5212)

A種

シリカ質

混合材

(%)

5を超え10以下 SA クリンカーとシリカ質混合材に適量の石膏を加えて混合、粉砕する

特色

  1. 水密性、化学抵抗性の向上
  2. 水和熱が低いが、乾燥収縮がやや大きいので、ひびわれに注意
B種 10を超え20以下 SB
C種 20を超え30以下 SC

フライアッシュセメント

(JIS R 5213)

A種

フライアッシュ

(%)

5を超え10以下 FA クリンカーとフライアッシュに適量の石膏を加えて混合、粉砕または、セメントとフライアッシュを均一に混合してつくる

特色

  1. ワーカビリティーの向上
  2. 水密性・耐海水性の向上
  3. 発熱量が少ないためダムなどのマスコンクリートに使用
B種 10を超え20以下 FB
C種 20を超え30以下 FC

今回は以上です。

参考になればうれしいです。

ありがとうございました。

 

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