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リッパビリティーとは?リッパ作業やブルドーザのリッパ掘削&規格

リッパビリティーとは何?

こんな疑問にお答えします。

リッパビリティ―の定義から、ブルドーザについてのリッパ作業のほか、リッパ掘削や規格、特徴などをまとめました。

ぜひ参考にしてください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😉

リッパビリティーとは?リッパ作業やブルドーザのリッパ掘削&規格

リッパビリティーとは、リッパ作業における地山の弾性波速度で対象の岩の硬軟による破砕のしやすさを表します。

ブルドーザのリッパ作業や規格・リッピング

【リッパ作業イメージ図】

リッパとは、土木工事などでブルドーザにつけるアタッチメントの一種で、岩石やコンクリート、アスファルトを破砕する役割をもつものです。

そしてリッパ作業により、地山の弾性波速度で対象の岩の硬軟による破砕のしやすさ=リッパビリティーを判定します。

岩の破砕をリッピングと言い、リッピングは岩の順目(流れ目)ではなく逆目に沿って行うのが効果的です。

 

そのほかリッパ作業の特徴や注意点は以下のとおりですので参考にしてください。

リッパ作業のポイント

  1. 破砕深さは一定で行い、爪の数は地盤が硬くなるほど減らす
  2. リッパ間隔は地盤が硬くなるほど狭くする
  3. トラクターの重量やけん引力のほか、チップの貫入深さ、速度など運転操作を正しく行う
  4. 大きな節理のある岩の場合は、ふかし発破を併用すると効果的である
  5. リッパビリティ(リッパ能力)はブルドーザの重量に比例する
  6. リッパ作業は下り勾配を利用して行う
  7. リッパは弾性波速度の平均値として2.0㎞/sec程度の岩盤までが対象

【ブルドーザのリッパ装置(爪)イメージ図】

また、地山弾性波速度とリッパ装置付きブルドーザの規格とリッパの爪数はこんな感じです。

地山の弾性波速度

(m/sec)

爪数
黒色片岩

凝灰岩

粘板岩

など比較的もろい岩

砂岩

花崗岩

安山岩

珪岩

など比較的かたい岩

21t級 32t級
600未満 900未満 3本 3本
600以上1000未満 900以上1,400未満 2本 3本
1,000以上1,400未満 1,400以上1,800未満 1本 2本
1,400以上1,700未満 1,800以上2,100未満 - 1本

とくに弾性波速度がもろい岩で1,400以上1,700未満、硬い岩で1,800以上2,100未満の場合は、爆破掘削を標準とし、岩掘削量が多い場合は、基本的に32t級1本爪のブルドーザを使用するのが一般的です。

一方で、建設機械の走行時にはコーン指数が関係します。

 

ブルドーザのリッパ作業における関連用語の定義

ブルドーザ関連の用語をまとめるとこんな感じです。

ブルドーザ関連用語 定義や意味
運転質量 完全な作業装置(フロントアタッチメント)を装備して作業するときの総質量

規定量の燃料、潤滑油、作動油、冷却水、乗員1名分(75㎏)、携行工具などの質量を加えた質量

掘削物などの質量は含まない

機体質量 運転質量から作業装置、乗員、燃料、潤滑油、冷却水、作動油、携行工具などの質量を差し引いた本体の乾燥質量
けん引力 トラクタのけん引力は地盤条件とトラクタの質量(自重)によって決まる

けん引力P=uWg(N)

W:トラクタの質量

u:粘着係数

g:標準の重力加速度(9.8m/s²)

粘着係数uは、履帯式トラクタで80~90%、車輪式トラクタで50~70%

けん引出力 エンジン出力から動力伝達部分の内部まさつなどにより消費される分を除いて、実際にトラクタがけん引作業を有効に発揮できる出力のこと

ダイレクトドライブの場合は、エンジン出力の80%程度

トルコンパワーシフトでは、トルクコンバータでの損失が加わって60~70%程度

接地圧 接地圧(せっちあつ)とは、接地面に作用する単位面積当たりの荷重のこと

接地圧(kPa)=運転質量(㎏)×9.81×10/2×履帯幅(cm)×接地長(cm)

ちなみに湿地ブルドーザは、幅の広い三角断面の履板を用いて広い接地面積をもたせて接地圧を下げたもので、軟弱地での作業性を改良したもの

登坂能力 トラクタが登坂できる最大能力を表すもの

一般的に履帯式トラクタの登坂角度限界は30°であるが、地盤条件により履板と地表面とのすべりが起こる場合もあるので注意する

 

土木で使う!リッパ掘削ができるブルドーザの種類と特徴

ブルドーザと言っても、実はけっこう種類があるんです。

ブルドーザの種類と特徴を以下の表にまとめましたので参考にしてください。

種類 特徴
ストレートドーザ 進行方向にブレード(排土板)を直角に取り付けたもの

ブレードの角度は変更できない

アングルドーザ ブレード面が進行方向に対して20~30°の角度で取り付けられたもの

斜面掘削、整地などに用いられ、土砂の横方向への送りも可能

チルトドーザ 走行路面に対してブレードを左右に傾けることができる

溝堀り、切削、硬質土の掘削などに用いることが多い

Uドーザ ブレードがU形になっており掘削土がこぼれにくく、土運搬の効率がよい
レーキドーザ 木などの伐開、岩石の掘り起こしなどに用いられる
リッパドーザ トラックの後方に爪(シャンク)をつけて、岩盤の破砕掘削に使われる
スクレープドーザ スクレーパとクローラ式ブルドーザを組み合わせたもの

通常ブルドーザのエンジン搭載部分がスクレーパのボウルになっている

土をこね返すことなく、軟弱地における40~250mくらいの中距離掘削、土運搬、まきだし作業に適す

※スクレーパ:土砂掘削、積み込み、運搬、敷き均しを一貫して行える建設機械

 

リッパビリティーとは?リッパ作業やブルドーザのリッパ掘削・規格まとめ

リッパビリティーとは、リッパ作業における地山の弾性波速度で対象の岩の硬軟による破砕のしやすさ

リッパとは、土木工事などでブルドーザにつけるアタッチメントの一種で、岩石やコンクリート、アスファルトを破砕する役割をもつもの

リッパ作業のポイント

  1. 破砕深さは一定で行い、爪の数は地盤が硬くなるほど減らす
  2. リッパ間隔は地盤が硬くなるほど狭くする
  3. トラクターの重量やけん引力のほか、チップの貫入深さ、速度など運転操作を正しく行う
  4. 大きな節理のある岩の場合は、ふかし発破を併用すると効果的である
  5. リッパビリティ(リッパ能力)はブルドーザの重量に比例する
  6. リッパ作業は下り勾配を利用して行う
  7. 岩の破砕をリッピングと言い、リッピングは岩の順目(流れ目)ではなく逆目に沿って行うのが効果的
  8. リッパは弾性波速度の平均値として2.0㎞/sec程度の岩盤までが対象

地山の弾性波速度

(m/sec)

爪数
黒色片岩

凝灰岩

粘板岩

など比較的もろい岩

砂岩

花崗岩

安山岩

珪岩

など比較的かたい岩

21t級 32t級
600未満 900未満 3本 3本
600以上1000未満 900以上1,400未満 2本 3本
1,000以上1,400未満 1,400以上1,800未満 1本 2本
1,400以上1,700未満 1,800以上2,100未満 - 1本

以上です。

ありがとうございました。

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員(土木)の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 現場監督・施工管理の経験あり
  • 1級土木施工管理技士の資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインに情報を発信中!
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