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1級土木・令和2年・問題BNo.21~No.25

1級土木・令和2年・問題BNo.21~No.25

No.21

土工工事における明り掘削の作業にあたり事業者が遵守しなければならな い事項に関する次の記述のうち, 労働安全衛生法令上、 正しいものはどれか。

  1. 地山の崩壊等による労働者の危険を防止するため, 労働者全員にその日の作業開始前, 大雨や中震 (震度4) 以上の地震の後, 浮石及びき裂や湧水の状態等を点検させなければ ならない。
  2. 掘削機械,積込機械等の使用によるガス導管, 地中電線路等の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは, これらの機械を十分注意して使用しなければならない。
  3. 地山の崩壊等により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、あらかじめ, 土止め支保工や防護網を設置し, 労働者の立入禁止等の措置を講じなければならない。
  4. 運搬機械が,労働者の作業箇所に後進して接近するとき,又は, 転落のおそれのあると きは,運転者自ら十分確認を行うようにさせなければならない。

解答3

1.労働安全衛生規則第358条(点検) に 「事業者は, 明り掘削の作業を行なうときは,地山の崩壊又は土石の落下による労働者の危険を防止するため,次の措置を講じなければならない」及び第1号に 「点検者を指名して, 作業箇所及びその周辺の地山について,その日の 作業を開始する前, 大雨の後及び中震以上の地震の後, 浮石,及びき裂の有無及び状態並び含水湧水及び凍結の状態の変化を点検させること」と規定されている。

2.同規則第 363条(掘削機械等の使用禁止) に 「事業者は, 明り掘削の作業を行なう場合において, 掘削機械, 積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管, 地中電線路その他地下に在する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは, これらの機械を使用してはならない」と規定されている。

3.同規則第361条 (地山の崩壊等による危険の防止) により正しい。

4.同規則第365条 (誘導者の配置) 第1項に 「事業者は, 明り掘削の作業を行なう場合において,運搬機械等が,労働者の作業箇所に後進して接近するとき, 又は転落するおそれのあるときは、誘導者を配置し, その者にこれらの機械を誘導させなければならない」 と規定されている。 したがって, 3.が正しい。

No. 22

埋設物ならびに架空線に近接して行う工事の安全管理に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。

  1. 埋設物が予想される箇所では, 施工に先立ち, 台帳に基づいて試掘を行い, 埋設物の種 類・位置・規格・ 構造などを原則として目視により確認する。
  2. 架空線に接触などのおそれがある場合は, 建設機械の運転手などに工事区域や工事用道 路内の架空線などの上空施設の種類・場所・高さなどを連絡し, 留意事項を周知徹底する。
  3. 架空線の近接箇所で建設機械のブーム操作やダンプトラックのダンプアップを行う場合 は、防護カバーや看板の設置, 立入禁止区域の設定などを行う。
  4. 管理者の不明な埋設物を発見した場合には,調査を再度行って労働基準監督署に連絡し、 立会いを求めて安全を確認した後に処置する。

解答4

1.土木工事安全施工技術指針 第3章 地下埋設物・架空線等上空施設一般第1節 地下埋設物一般 2.事前確認により正しい。

2.同章第2節 架空線等上空施設一般 3.現場管理 (2) により正しい。

3.同節1.事前確認 (2) により正しい。

4.同指針第3章第1節 2.事前確認 (4) に 「工事施工中において,管理者の不明な埋設物を発見した場合, 埋設物に関する調査を再度行って管理者を確認し、 当該管理者の立会を求め、安全を確認した後に処置すること」 と記されている。

No. 23

労働安全衛生法令上、事業者が行うべき労働者の疾病予防及び健康管理に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。

  1. 酸素欠乏症等のおそれのある業務に労働者を就かせるときは,当該労働者に代わりその者を指揮する職長を対象とした特別の教育を行わなければならない。
  2. 常時使用する労働者の雇い入れ時は、医師による健康診断から3ヶ月を経過しない者で 診断結果を証明する書面の提出を受けた場合を除き, 所定の項目について健康診断を行う 必要がある。
  3. さく岩機等の使用によって身体に著しい振動を与える業務等に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び6ヶ月以内ごとに医師による健康診断を行う必要がある。
  4. ずい道等の坑内作業等に常時労働者を従事させる場合は,原則として有効な呼吸用保護 具を使用させなければならない。

解答1

1.酸素欠乏症等防止規則第12条 (特別の教育) 第1項に 「事業者は、酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者を就かせるときは,当該労働者に対し, 特別の教育を行わなければならない」と規定されている。なお、 労働者を指揮するのは第11条より, 技能講習修了者から選任する作業主任者である。

2.労働安全衛生規則第43条 (雇入時の健康診断) により正しい。

3.同規則第45条 (特定業務従事者の健康診断) 第1項により正しい。

4.粉じん障害防 止規則第27条 (呼吸用保護具の使用) 第1項により正しい。

No. 24

コンクリート構造物の解体作業に関する次の記述のうち, 適当でないものはどれか。

  1. 圧砕機及び大型ブレーカによる取壊しでは, 解体する構造物から飛散するコンクリート 片や構造物自体の倒壊範囲を予測し、作業員, 建設機械を安全な作業位置に配置しなければならない。
  2. 転倒方式による取壊しでは, 縁切り,転倒作業は、 必ず一連の連続作業で実施し,その 日のうちに終了させ、縁切りした状態で放置してはならない。
  3. カッタによる取壊しでは,撤去側躯体ブロックへのカッタ取付けを原則とし,切断面付近にシートを設置して冷却水の飛散防止をはかる。
  4. ウォータージェットによる取壊しでは, 病院, 民家などが隣接している場合にはノズル 付近に防音カバーを使用したり, 周辺に防音シートによる防音対策を実施する。

解答3

1.国土交通省総合政策局建設施工企画課策定 建設機械施工安全マニュアル 第III編安全確認チェックシート構造物取壊し工 (圧砕機 大型ブレーカによる取壊し) により正しい。

2.土木工事安全施工技術指 針 第19章 構築物の取りこわし工事 第2節 取りこわし工 2転倒工法における必要な措置 (5) により正しい。

3.建設機械施工安全マニュアル構造物取壊し工 (カッタ ーによる取壊し)に以下の安全確認事項が記されている。

  1. 安全帯及び防護メガネを使用する。
  2. 撤去側躯体ブロックへのカッター取付けを禁止する。
  3. アンカー設置時は, ジャンカ, 空洞等を確認する。
  4. ブレード, 防 護カバーを確実に設置, 特にブレード固定用ナットは十分に締付ける。
  5. 撤去側躯体ブロッ クへのカッター取付けを禁止する。
  6. 切断面付近にはシートを設置し, 冷却水の飛散防止を 図る。
  7. 切断中は監視員を配置し、 関係者以外の立入禁止措置をする。

4.土木工事安全施工技術指針 第19章 構築物の取りこわし工事 第2節 取りこわし工により正しい。

No. 25

品質管理に関する次の記述のうち, 適当でないものはどれか。

  1. 品質管理は,品質特性や品質標準を定め, 作業標準に従って実施し, できるだけ早期に異常を見つけ、品質の安定をはかるものである。
  2. 品質特性は,工程の状態を総合的に表し、品質に重要な影響を及ぼすものであり,代用特性を用いてはならない。
  3. 品質標準は,現場施工の際に実施しようとする品質の目標であり、目標の設定にあたっては、ばらつきの度合いを考慮しなければならない。
  4. 作業標準は,品質標準を実現するための各段階での作業の具体的な管理方法や試験方法を決めるものである。

解答2

1.記述のとおり

2.品質特性は, 1工程の状態を総合的に表せるもの, 2工程に対して処置をとりやすいもの 3選定された品質特性と最終品質との関係が明らかなもの 4 構造物の品質に重要な影響を及ぼすもの, 5測定しやすい特性のもの, 6早期に結果が得ら れるもの, 7 できるだけ工程の初期に測定できるものを選ぶのが望ましい。 なお、品質特性として代用特性を用いる場合は, 目的としている品質特性と代用特性との関係が明確であるものを選ぶ。 用特性を用いる例としては,盛土の締固めにあたり, 使用する機械の機 種・締固め回数等を規定する工法規定方式がある。

3.品質標準は,品質のばらつきの度合いを考慮して余裕を持たせ、施工の過程に応じて試行錯誤を行い, 標準を改訂していく。

4.作業標準は,過去の実績, 経験及び実験結果を踏まえて, 工程に異常が発生した場合で も安定した工程を確保できる作業手順手法とし, 最終工程までを見越した管理が行える ように決定する。

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