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1級土木・令和2年・問題BNo.16~No.20

1級土木・令和2年・問題BNo.16~No.20

No. 16

建設工事の労働災害防止対策に関する次の記述のうち, 適当でないものはどれか。

  1. 作業床の端, 開口部などには,必要な強度の囲い、手すり、覆いなどを設置し, 床上の 開口部の覆い上には,原則として材料などを置かないこととし、 その旨を表示する。
  2. 土留支保工内の掘削において,切ばり, 腹起しなどの土留支保工部材を通路として使用 する際は、あらかじめ通路であることを示す表示をする。
  3. 上下作業は極力避けることとするが,やむを得ず上下作業を行うときは,事前に両者の 作業責任者と場所,内容,時間などをよく調整し, 安全確保をはかる。
  4. 物体の落下しやすい高所には物を置かないこととするが,やむを得ず足場上に材料など を集積する場合には,集中荷重による足場のたわみなどの影響に留意する。

解答2

1.土木工事安全施工技術指針 第2章安全措置一般第5節 墜落防止の措置 2.作業床端, 開口部からの墜落防止措置 (8) 及び (10) により正しい。

2.同節 3. 掘削作業における 墜落防止措置 (3) に「土留・支保工内の掘削には, 適宜通路を設けることとし,切梁,腹起し等の土留・支保工部材上の通行を禁止すること」 と記されている。

3.同節 5.上下作 業時の連絡調整 (1) により正しい。

4.第6節 飛来落下の防止措置 4.高所作業 ・ 掘削箇 所周辺の材料等の集積 (1) により正しい。

No. 17

型枠支保工に関する次の記述のうち, 事業者が講じるべき措置として, 労働安全衛生法令上, 誤っているものはどれか。

  1. 型枠支保工の支柱の継手は、 重ね継手とし, 鋼材と鋼材との接合部及び交差部は,ボルト, クランプ等の金具を用いて緊結する。
  2. 型枠支保工については,敷角の使用, コンクリートの打設, くいの打込み等支柱の沈下を防止するための措置を講ずる。
  3. 型枠が曲面のものであるときは, 控えの取付け等当該型枠の浮き上がりを防止するための措置を講ずる。
  4. コンクリートの打設について, その日の作業を開始する前に,当該作業に係る型枠支保工について点検し、 異状を認めたときは補修する。

解答1

1.労働安全衛生規則第242条 (型枠支保工についての措置等) 第1項第3号に「支柱の継手は, 突合せ継手又は差込み継手とすること」 と規定されている。

2.同条第1号により正しい。

3.同条第5号により正しい。

4.同規則第244条 (コンクリートの打設の作業) 第1号により正しい。

No. 18

建設工事における墜落災害の防止に関する次の記述のうち, 事業者が講じるべき措置として、 適当なものはどれか。

  1. 移動式足場に労働者を乗せて移動する際は,足場上の労働者が手すりに要求性能墜落制止用器具 (安全帯) をかけた状況を十分に確認した上で移動する。
  2. 墜落による危険を防止するためのネットは, 人体又はこれと同等以上の重さの落下物による衝撃を受けた場合,十分に点検した上で使用する。
  3. 墜落による危険のおそれのある架設通路に設置する手すりは, 丈夫な構造で著しい損傷や変形などがなく, 高さ75cm以上のものとする。
  4. 墜落による危険のおそれのある高さ2m以上の枠組足場の作業床に設置する幅木は,著しい損傷や変形などがなく, 高さ15cm以上のものとする。

解答4

1.「移動式足場の安全基準に関する技術上の指針」 4使用 4-2移動 4-2-3に 「移動式足場に労働者を乗せて移動してはならないこと」 と記されている。

2.「墜落による危険を防止するためのネットの構造等の安全基準に関する技術上の指針」 4使用及び管理表示 4-6使用 制限に「次のネットは, 使用しないこと。 (2) 人体又はこれと同等以上の重さを有する落下 物による衝撃を受けたネット」 と記されている。

3.労働安全衛生規則第552条 (架設通路) 第1項第4号に 「墜落の危険のある箇所には,次に掲げる設備を設けること。 イ 高さ85cm 以上の手すり又はこれと同等以上の機能を有する設備」 と規定されている。

4.同規則第 563条(作業床) 第1項第3号イ (1) により正しい。

No. 19

建設機械の災害防止に関する次の記述のうち, 事業者が講じるべき措置として、労働安全衛生法令上, 誤っているものはどれか。

  1. 運転中のローラやパワーショベル等の車両系建設機械と接触するおそれがある箇所に労働者を立ち入らせる場合は,その建設機械の乗車席以外に誘導者を同乗させて監視にあた らせる。
  2. 車両系荷役運搬機械のうち、 荷台にあおりのある不整地運搬車に労働者を乗車させるときは,荷の移動防止の歯止め措置や, あおりを確実に閉じる等の措置を講ずる必要がある。
  3. フォークリフトやショベルローダ等の車両系荷役運搬機械には, 作業上で必要な照度が確保されている場合を除き, 前照燈及び後照燈を備える必要がある。
  4. 車両系建設機械のうち, コンクリートポンプ車における輸送管路の組立てや解体では, 作業方法や手順を定めて労働者に周知し,かつ, 作業指揮者を指名して直接指揮にあたらせる。

解答1

1.労働安全衛生規則第158 (接触の防止) 第1項に 「事業者は, 車両系建設機械を用いて作業を行なうときは, 運転中の車両系建設機械に接触することにより労働者に危険が生ずるおそれのある箇所に, 労働者を立ち入らせてはならない。(後略)」 及び第162条 (とう乗の制限) に「事業者は,車両系建設機械を用いて作業を行なうときは、乗車席以外の箇所に労働者を乗せてはならない」と規定されている。

2.同規則第151条の51第1項により正しい。

3.同規則第151条の16 (前照灯及び後照灯) 及び第151条の27 (前照灯及び後照灯) により正しい。

4.同規則第171条の3(作業指揮) により正しい。

No. 20

移動式クレーンの安全確保に関する次の記述のうち, 事業者が講じるべき 措置として、クレーン等安全規則上、 正しいものはどれか。

  1. クレーン機能付き油圧ショベルを小型移動式クレーンとして使用する場合, 車両系建設 機械運転技能講習修了者であれば, クレーン作業の運転にも従事させることができる。
  2. 移動式クレーンの定格荷重とは,負荷させることができる最大荷重から,フックの重 量・その他つり具等の重量を差し引いた荷重である。
  3. 移動式クレーンの作業中は, 運転者に合図を送りやすいよう, 上部旋回体の直近に労働者の中から指名した合図者を配置する。
  4. 強風のため移動式クレーンの作業の危険が予想される場合は, つり荷や介しゃくロープの振れに特に十分注意しながら作業しなければならない。

解答2

1.厚生労働省労働基準局事務連絡 「クレーン機能を備えた車両系建設機械の取扱いについ て」(平成12年2月28日) 3資格関係についてより, クレーン機能付き油圧ショベルを小型移動式クレーンとして使用する場合, 車両系建設機械と移動式クレーン両方の資格が必要となる。

2.クレーン等安全規則第1条(定義) 第1項第6号により正しい。

3.同規則第74条 (立入禁止) に「事業者は,移動式クレーンに係る作業を行うときは,当該移動式クレ ーンの上部旋回体と接触することにより労働者に危険が生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない」と規定されている。

4.同規則第74条の3(強風時の作業中止) に「事業者は,強風のため, 移動式クレーンに係る作業の実施について危険が予想されるときは,当該作業を中止しなければならない」と規定されている。

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