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1級土木・令和元年・問題BNo.16~No.20

1級土木・令和元年・問題BNo.16~No.20

No. 16

建設工事現場における保護具の使用に関する次の記述のうち, 適当なものはどれか。

  1. 保護帽の材質は,PC, PE, ABSなどの熱可塑性樹脂製のものは使用できる期間が決め られているが, FRPなどの熱硬化性樹脂製のものは決められていない。
  2. 保護帽の着装体(ハンモック, ヘッドバンド,環ひも)を交換するときは, 同一メーカ 一の同一形式の部品を使用しなくてもよい。
  3. 安全靴は,作業区分による種類に応じたものを使用し、 つま先部に大きな衝撃を受けた場合は外観のいかんにかかわらず、 速やかに交換する。
  4. 防毒マスク及び防じんマスクは、酸素濃度不足が予想される酸素欠乏危険作業で用いなければならない。

解答3

1.保護帽の使用期間は,日本安全帽工業会では, PC, PE, ABSなどの熱可塑性樹脂製の 保護帽は3年以内, FRPなどの熱硬化性樹脂製のものは5年以内, 装着体は1年以内で交換を推奨している。

2.保護帽の装着体を交換するときは, 同一メーカーの同一型式の部品を使用する。

3.記述のとおり

4.防毒マスクは有毒ガス及び混在する粒子状物質を除去し, 防じんマスクはじん肺のおそれがある場所などにおいて粒子状物質 (粉じんなど)を除去するろ過式の呼吸用保護具であり, 酸素を供給する機能はない。 酸素濃度18%未満の場所における酸素欠乏危険作業では給気式呼吸用保護具を使用する。

No. 17

悪天候等の後には足場を使用する作業の開始前に足場の点検を行うが,悪 天候等の定義に関する次の記述のうち, 労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。

  1. 10分間の平均風速で毎秒10m以上の強風
  2. 1回の降雨量が30mm以上の大雨
  3. 1回の降雪量が25cm以上の大雪
  4. 震度階級4以上の地震

解答2

悪天候とは,労働省基発第101号 (昭和34年2月18日付) に

  1. 強風: 10分間の平均風速が 毎秒10m以上の風
  2. 大雨: 1回の降雨量が50mm以上の降雨
  3. 大雪: 1 回の降雪量が 25cm以上の降雪
  4. 中震以上の地震 震度階級4以上の地震

と定義されている。

No. 18

墜落による危険を防止するための安全ネットに関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。

  1. 安全ネットの損耗が著しい場合, 安全ネットが有毒ガスに暴露された場合等においては, 安全ネットの使用後に試験用糸について等速引張試験を行う。
  2. 規定の高さ以上の作業床の開口部等で墜落の危険のおそれがある箇所に, 囲い等を設け ることが著しく困難なときは, 安全ネットを張り, 労働者に要求性能墜落制止用器具(安 帯)を使用させる。
  3. 安全ネットの落下高さとは,作業床等と安全ネットの取付け位置の垂直距離に安全ネッ トの垂れの距離を加えたものである。
  4. 安全ネットには、製造者名, 製造年月,仕立寸法,網目, 新品時の網糸の強度を見やす い箇所に表示しておく。

解答3

1.「墜落による危険を防止するためのネットの構造等の安全基準に関する技術上の指針」 4 使用及び管理表示 4-4 定期試験等 4-4-2により正しい。

2.労働安全衛生規則第 519条(開口部等の囲い等) 第1項及び第2項より, 高さが2m以上の箇所では措置を講じなければならない。

3.「墜落による危険を防止するためのネットの構造等の安全基準に関する技術上の指針」 4-1落下高さ, ネットの垂れ及びネット下部の空き 4-1-1落下高 さに,「落下高さとは, 作業床等とネットの取付け位置との垂直距離」 と記されている。

4.同指針5表示により正しい。

No. 19

車両系建設機械の災害防止のために事業者が講じるべき措置に関する次の 記述のうち, 労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。

  1. 車両系建設機械の運転者が運転位置を離れるときは, バケット等の作業装置を地上に下ろすか,又は,原動機を止めて走行ブレーキをかけ, 逸走防止をはからなければならない。
  2. 車両系建設機械は、路肩や傾斜地における転倒又は転落に備え、転倒からの保護構造とシートベルトの双方を装備した機種以外を使用しないよう努めなければならない。
  3. 車両系建設機械を用いて作業を行うときは, 乗車席以外の箇所に労働者を乗せてはならない。
  4. 車両系建設機械のブーム・アーム等を上げ,その下で修理や点検作業を行うときは,不意な降下防止のため、 安全支柱や安全ブロックを使用させなければならない。

解答1

1.労働安全衛生規則第160条 (運転位置から離れる場合の措置) 第1項に 「事業者は,車 両系建設機械の運転者が運転位置から離れるときは,当該運転者に次の措置を講じさせなければならない。1) バケット, ジッパー等の作業装置を地上に下ろすこと。 2) 原動機を止 め、かつ走行ブレーキをかける等の車両系建設機械の逸走を防止する措置を講ずること」と 規定されており, 両方とも講じなければならない。

2.同規則第157条の2により正しい。

3.同規則第162条 (とう乗の制限) により正しい。

4.同規則第166条 (ブーム等の降下による危険の防止) 第1項により正しい。

 

No. 20

土工工事における明り掘削作業にあたり事業者が遵守しなければならない 事項に関する次の記述のうち, 労働安全衛生法令上, 正しいものはどれか。

  1. 土止め支保工を設けるときは, 掘削状況等の日々の進捗に合わせて, その都度,その組立図を作成し組み立てなければならない。
  2. ガス導管や地中電線路等の地下工作物の損壊で労働者に危険を及ぼすおそれがある場合は、掘削機械,積込機械及び運搬機械を十分注意して使用しなければならない。
  3. 明り掘削作業を行う場所については, 十分な明るさが確保できるので, 照度確保のための照明設備等について特に考慮しなくてもよい。
  4. 地山の崩壊又は土石の落下による危険防止のため, 点検者を指名し、その日の作業開始前,大雨や中震以上の地震の後、浮石及びき裂や湧水の状態等を点検させる。

解答4

1.労働安全衛生規則第370条 (組立図) に 「事業者は, 土止め支保工を組み立てるときは, あらかじめ、組立図を作成し,かつ, 当該組立図により組み立てなければならない」と規定されている。

2.同規則第363条 (掘削機械等の使用禁止) に 「事業者は、 明り掘削の作業 を行なう場合において, 掘削機械, 積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管,地中電線路その他地下に在する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは,これらの機械を使用してはならない」と規定されている。

3.同規則第367条 (照度の保持)に 「事業者は, 明り掘削の作業を行なう場所については、 当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持しなければならない」と規定されている。

4.同規則第358条 (点検) 第1号により正しい。

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