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1級土木・令和元年・問題ANo.41~No.45

1級土木・令和元年・問題ANo.41~No.45

No. 41

鉄道工事における路盤に関する次の記述のうち, 適当でないものはどれか。

  1. 路盤は,軌道に対して適当な弾性を与えるとともに路床の軟弱化防止, 路床への荷重を 分散伝達し,排水勾配を設けることにより道床内の水を速やかに排除するなどの機能を有 する。
  2. 土路盤は, 良質な自然土とクラッシャランの複層で構成する路盤であり,一般に強化路盤に比べて工事費が安価である。
  3. 路盤には土路盤, 強化路盤があるが,いずれを用いるかは,線区の重要度,経済性,保 守体制などを勘案して決定する。
  4. 強化路盤は, 道路, 空港などの舗装に既に広く用いられているアスファルトコンクリー 卜,粒度調整材料などを使用しており、 繰返し荷重に対する耐久性に優れている。

解答2

1.記述のとおり

2.土路盤は, 支持力が大きく, 圧縮性が小さく, 噴泥が生じにくい良質な自然土、またはクラッシャラン等の単一層で構成する。一般に強化路盤より工事費は安価である。

3.4.記述のとおり

No. 42

鉄道の軌道の維持管理に関する次の記述のうち, 適当でないものはどれか。

  1. 軌道狂いは,軌道が列車荷重の繰返し荷重を受けて次第に変形し、 車両走行面の不整が生ずるものであり, 在来線では軌間,水準, 高低, 通り, 平面性, 複合の種類がある。
  2. 道床バラストは, 材質が強固でねばりがあり, 摩損や風化に対して強く, 適当な粒形と粒度を持つ材料を用いる。
  3. 軌道狂いを整正する作業として,有道床軌道において最も多く用いられる作業は,マルチプルタイタンパによる道床つき固め作業である。
  4. ロングレール敷設区間では,冬季の低温時でのレール張出し, 夏季の高温時でのレールの曲線内方への移動防止などのため保守作業が制限されている。

解答4

1.2.3記述のとおり

4.ロングレールは締結装置 と枕木を介して道床に固定されているため, 温度変化による伸縮ができず, レール内部に大 きなレール軸力が発生する。 このようなときに, 道床をかき乱したりレール締結装置をゆるめる作業などを行うと, 夏季にはレール張出し, 冬季にはレールの曲線内方への移動などを生ずるため保守作業が制限されている。

No. 43

鉄道 (在来線) の営業線内又はこれに近接した工事における保安対策に関す る次の記述のうち, 適当なものはどれか。

  1. 可搬式特殊信号発光機の設置位置は, 隣接線を列車が通過している場合でも、作業現場 から800m以上離れた位置まで列車が進来したときに、列車の運転士が明滅を確認できる 建築限界内を基本とする。
  2. 軌道短絡器は, 作業区間から800m以上離れた位置に設置し, 列車進入側の信号機に停 止信号を現示する。
  3. 既設構造物などに影響を与えるおそれのある工事の施工にあたっては,異常の有無を検測し、異常が無ければ監督員などへの報告を省略してもよい。
  4. 列車の振動, 風圧などによって、 不安定かつ危険な状態になるおそれのある工事又は乗務員に不安を与えるおそれのある工事は, 列車の接近時から通過するまでの間は,特に慎重に作業する。

解答1

1.記述のとおり

2.軌道短絡器は,工事施工箇所付近に装着し、 閉そく信号機が停止信号を現示していることを確認する。軌道短絡器は, 2本のレールを電線で短絡し、通常 の状態でないことを接近列車に知らせる器具である。

3.既設構造物などに影響を与えるお それのある工事の施工に当たっては、異常の有無の検測し, これを監督員等に報告しなければならない。

4.列車の振動, 風圧などによって, 不安定かつ危険な状態になるおそれのあ る工事又は乗務員に不安を与えるおそれのある工事は、列車の接近時から通過するまでの間は、一時施工を中止する。

No. 44

シールド工法の施工管理に関する次の記述のうち, 適当でないものはどれか。

  1. 土圧式シールド工法において切羽の安定をはかるためには, 泥土圧の管理及び泥土の塑性流動性管理と排土量管理を慎重に行わなければならない。
  2. 泥水式シールド工法において切羽の安定をはかるためには, 泥水品質の調整及び泥水圧と掘削土量管理を慎重に行わなければならない。
  3. 土圧式シールド工法において, 粘着力が大きい硬質粘性土や砂層, 礫層を掘削する場合には,水を直接注入することにより掘削土砂の塑性流動性を高めることが必要である。
  4. シールド掘進にともなう地盤変位は, 切羽に作用する土水圧の不均衡やテールボイドの発生, 裏込め注入の過不足などが原因で発生する。

解答3

1.土圧式シールド工法は、切羽と隔壁の間に掘削土砂を加圧 ・ 充満させ, その土圧により 切羽の安定をはかりながら掘進する工法であり, 掘進量に合わせた排土量を保持できるよう, 泥土圧の管理及び泥土の塑性流動性管理と排土量管理を行う。

2.泥水式シールド工法にお いては,地山の条件に応じて比重や粘性など泥水品質を調整した泥水を加圧循環し、切羽の土水圧に対抗する泥水圧によって切羽の安定をはかるのが基本であり, 泥水圧を保持するに は、切羽面で泥水圧を伝達するのに十分な泥膜の形成が必要である。 また掘削土量管理は, 送泥管及び排泥管に設置した流量計と密度計のデータから偏差流量と掘削乾砂量を求め, 地 山の取込み量から切羽の状態を把握するのが一般的である。

3.粘着力が大きい硬質粘性土 や砂層,礫層の掘削時には、掘削土の流動性が低下し, カッターヘッド等への粘性土の固着による掘進停止などのトラブルが発生するため、 適切な添加材を注入して塑性流動性を確保するとともに, カッターチャンバ内やカッターヘッドへの掘削土砂の付着を防止する。

4.シールド掘進による地盤変位の原因としては、➀切羽に作用する土水圧の不均衡,②掘進時の地山の乱れ③テールボイドの発生と裏込め注入の過不足, ④一次覆工の変形及び変位, ⑤地下水位の低下などがある。

No. 45

鋼橋の防食法に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。

  1. 塗装は,鋼材表面に形成した塗膜が腐食の原因となる酸素と水や, 塩類などの腐食を促進する物質を遮断し鋼材を保護するものである。
  2. 耐候性鋼は,鋼材表面に生成される保護性さびによってさびの進展を抑制するものであるが,初期の段階でさびむらやさび汁が生じた場合は速やかに補修しなければならない。
  3. 溶融亜鉛めっきは,一旦損傷を生じると部分的に再めっきを行うことが困難であることから、損傷部を塗装するなどの溶融亜鉛めっき以外の防食法で補修しなければならない。
  4. 金属溶射の施工にあたっては、温度や湿度などの施工環境条件の制限があるとともに,下地処理と粗面処理の品質確保が重要である。

解答2

1.記述のとおり

2.耐候性鋼は鋼材に適量の合金元素(銅, クロム, ニッケルな ど)の添加により, 鋼材表面に緻密なさびを生成し, 腐食の原因となる酸素や水から鋼材を保護しさびの進展を抑制する。初期段階でさびむらやさび汁が生ずる場合があるが,通常の場合、時間の経過とともに鋼材表面に保護性さびが形成されて暗褐色となりさび汁の流出もなくなるため, 補修の必要はない。

3.溶融亜鉛めっきの損傷部は,溶射あるいは塗装により補修する。

4金属溶射は,下地処理あるいは粗面処理を施した鋼材面に,溶融した金 属を圧縮空気で吹き付けて皮膜層を形成させる方法

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