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鉄筋のあきとは?あき継手や鉄筋のあき寸法・かぶりをまるっと解説

鉄筋のあき?あんまりよく知らない…

土木(鉄筋)を知らない人にとっては、あまりなじみのない言葉ですよね。

【あき】という単語は、土木(鉄筋)の世界ではよく使われるワードです。

そのほか【継手】と【かぶり】も!

今回の記事内容は【鉄筋のあき・継手・かぶり】について解説していきます。

それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。

 

鉄筋のあきとは?あき継手や鉄筋のあき寸法・かぶりをまるっと解説

鉄筋のあきとは、ズバリ「鉄筋どうしのあいだ(間隔)」のことです。

 

鉄筋のあきにおける基準(寸法)や注意点

コンクリート打設時において、コンクリートが鉄筋の周囲に十分にいきわたるようにするために、鉄筋のあきは所定の値を確保しなければいけません。

梁における軸鉄筋の水平方向のあきは20mm以上、粗骨材の最大寸法の4/3倍以上、鉄筋の直径以上が基準です。

また、2段以上に軸方向鉄筋を配置する場合には、鉛直あきは20mm以上、鉄筋直径以上となります。

いっぽう柱では、軸方向鉄筋のあきは40mm以上、粗骨材の最大寸法4/3倍以上、鉄筋直径の1.5倍以上です。

構造物の種類 水平のあき 鉛直(軸方向)のあき
  • 水平あき20mm以上
  • 粗骨材の最大寸法の4/3倍以上
  • 鉄筋の直径以上
  • 鉛直あき20mm以上
  • 鉄筋の直径以上
  • 軸方向のあきは40mm以上
  • 粗骨材の最大寸法の4/3倍以上
  • 鉄筋直径の1.5倍以上

 

鉄筋の継手(つぎて)とは?

鉄筋の継手とは、鉄筋どうしをつなぎ合わせる部分のことです。

 

鉄筋の継手における基準や注意点

鉄筋の継手は、位置や断面、あきの基準などに注意が必要です。

 

鉄筋の継手位置

鉄筋の継手位置は、できるだけ応力の大きい断面を避けること!

大きな引張応力を生じる梁のスパン中央付近などの断面では、できるだけ継手はつくらないようにしましょう。

 

継手の断面位置

継手は同一断面に集めないこと!

継手を同一断面に集めないために、継手位置を軸方向に相互にずらすキョリは、継手の長さに鉄筋直径の25倍を加えた長さ以上をとりましょう。

 

鉄筋重ね継手の基準

鉄筋の重ね継手は、所定の長さを重ね合わせて、直径0.8mm以上の焼きなまし鉄線で数カ所緊結することが基準となっています。

 

構造物から露出させておく鉄筋の保護方法

将来の継ぎ足しのために構造物から露出させておく鉄筋は、損傷・腐食などを受けないように、セメントぺーストや高分子材料の皮膜で保護してください。

 

鉄筋を配置したあとの継手施工方法

鉄筋を配置したあとに継手を施工する場合には、継手施工用の機器などが挿入できるあきを確保しましょう。

 

継手部どうしのあき基準(あき継手)

継手部どうしのあきは、粗骨材の最大寸法以上を確保してください。

 

圧接継手について

圧接継手の施工の注意点は以下のとおり

  • 圧接工(手動ガス圧接工技量資格検定試験合格者)は有資格者であること
  • 鉄筋径が相互に7mm以上異なるときは、圧接してはいけない
  • 圧接面はグラインダで仕上げて面取りする

圧接完了後は、ふくらみや寸法、ずれや偏心などについて外観試験をおこないます。

・圧接部のふくらみ径は鉄筋径の1.4d以上、ふくらみの長さLは鉄筋径の1.1以上とし、ふくらみの形状はなだらかであること

・圧接面のずれは、鉄筋径の1/4未満とする

・圧接面における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の1/5未満とする

・鉄筋どうしの角度が2°以上となる折れ曲がりがあってはいけない

・圧接部の片ふくらみはh1-h2≦d/5

・外観試験で不合格となった場合は、鉄筋の再圧接や再加熱をおこなう

・再圧接や再加熱をおこなった鉄筋についてはもういちど外観試験および超音波探傷試験を実施する

 

鉄筋のかぶりとは?

かぶりとは、鉄筋の表面とコンクリート表面とのあいだを最短キョリで測ったコンクリートの厚さのことです。

 

鉄筋のかぶりにおける注意点

かぶりが少ないときは、鉄筋沿いにひびわれが生じやすくなります。

よって所定のかぶりを確保するため、スペーサーなどを適切に配置してください。

スペーサーとは鉄筋どうしのあいだを確保するためのもの!

スペーサーの数は梁、床版などで1㎡あたり4個程度、ウェブや壁、柱などでは1㎡あたり2~4個くらい配置しましょう。

型枠に接するスぺ―サーは、モルタル製あるいはコンクリート製を使うことを原則とします。

 

鉄筋のあきとは?あき継手や鉄筋のあき寸法・かぶりをまるっと解説

【鉄筋のあき・継手・かぶり】まとめ

鉄筋のあきとは、鉄筋どうしのあいだ(間隔)のこと!

  1. 梁における軸鉄筋の水平方向のあきは20mm以上、粗骨材の最大寸法の4/3倍以上、鉄筋の直径以上
  2. 梁で2段以上に軸方向鉄筋を配置する場合には、鉛直あきは20mm以上、鉄筋直径以上
  3. 柱では、軸方向鉄筋のあきは40mm以上、粗骨材の最大寸法4/3倍以上、鉄筋直径の1.5倍以上

鉄筋の継手とは、鉄筋どうしをつなぎ合わせる部分のこと!

  1. 鉄筋の継手位置は、できるだけ応力の大きい断面を避けること
  2. 継手を同一断面に集めないために、継手位置を軸方向に相互にずらすキョリは、継手の長さに鉄筋直径の25倍を加えた長さ以上
  3. 鉄筋の重ね継手は、所定の長さを重ね合わせて、直径0.8mm以上の焼きなまし鉄線で数カ所緊結すること
  4. 継手部どうしのあきは、粗骨材の最大寸法以上を確保

圧接継手の施工の注意点

  1. 圧接工(手動ガス圧接工技量資格検定試験合格者)は有資格者であること
  2. 鉄筋径が相互に7mm以上異なるときは、圧接してはいけない
  3. 圧接面はグラインダで仕上げて面取りする

圧接完了後の外観試験について

  1. 圧接部のふくらみ径は鉄筋径の1.4d以上、ふくらみの長さLは鉄筋径の1.1以上とし、ふくらみの形状はなだらかであること
  2. 圧接面のずれは、鉄筋径の1/4未満とする
  3. 圧接面における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の1/5未満とする
  4. 鉄筋どうしの角度が2°以上となる折れ曲がりがあってはいけない
  5. 圧接部の片ふくらみはh1-h2≦d/5
  6. 外観試験で不合格となった場合は、鉄筋の再圧接や再加熱をおこなう
  7. 再圧接や再加熱をおこなった鉄筋についてはもういちど外観試験および超音波探傷試験を実施する

かぶりとは、鉄筋の表面とコンクリート表面との最短キョリで測ったコンクリートの厚さのこと!

  1. スペーサーの数は梁、床版などで1㎡あたり4個くらい、ウェブや壁、柱などでは1㎡あたり2~4個くらい配置
  2. 型枠に接するスぺ―サーは、モルタル製あるいはコンクリート製を使うことを原則

 

今回は以上です。

参考になればうれしいです。

ありがとうございました。

 

この記事を書いている人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学の土木工学科卒業
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報発信をしています。
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