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コンクリート舗装の施工方法とは?施工手順やアスファルト舗装との違い

こんにちは、1級土木施工管理技士のちゃんさとです。

今回のテーマは【コンクリート舗装】

施工方法や構成、アスファルト舗装との違いについてサクッと解説していきます。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😉

 

コンクリート舗装の施工方法とは?施工手順やアスファルト舗装との違い

コンクリート舗装を施工する場合、型枠工法とスリップフォーム工法の2つがあります。

コンクリート舗装の施工方法➀型枠工法

まずは型枠工法から!

コンクリート舗装★型枠工法

  1. 型枠設置(高さ調整材や型枠固定用鉄ピン)
  2. 路盤清掃
  3. 目地金物設置
  4. コンクリート運搬
  5. 荷下ろし・下層敷きならし
  6. 鉄網・鉄筋設置
  7. 上層敷きならし
  8. 締固め・荒仕上げ(打ち込み目地含む)
  9. 平坦仕上げ(打ち込み目地含む)
  10. 粗面仕上げ
  11. 初期・後期養生(型枠脱型・清掃含む
  12. 目地切断
  13. 目地清掃・注入
  14. 型枠脱型・清掃

さらにこの型枠工法には人力と機械施工の2つがあり、特徴は以下のとおりです。

型枠工法
人力施工 機械施工
小規模工事、機械施工が不可能な異形版

アジテータ車によるコンクリート運搬

施工量10~15㎥/時間程度(条件による)

仕上げには簡易フィニッシャを使用

大型工事

ダンプトラックによるコンクリート運搬

施工量30~60㎥/時間程度

【機械の組み合わせ】

敷き均し:コンクリートスプレッダ(ブレード型)

締固め:コンクリートフィニッシャ

仕上げ:平坦仕上げ機(縦型、斜め型)

 

コンクリート舗装の施工方法②スリップフォーム工法

一方で、機械施工で標準になりつつある工法が【スリップフォーム工法】です。

型枠を使用せず、締固め・成形を行いながら連続的にコンクリート構造物を構築する「コンクリート連続打設工法」です。

1日の施工面積が大きく、型枠工が不要で、センサーや情報化施工により平坦性の向上が見られることがメリット!

しかしデメリットとしては、使用するコンクリートが特殊なことです。

スランプ値は3.5㎝(標準2.5㎝)、空気量は5.5%(標準4.5%)など、スペックが異なる自立性の高いコンクリートが必要になります。

スリップフォーム工法の流れをまとめると以下のとおりです。

スリップフォーム工法施工の流れ ポイント
①センサー設置 SF工法の場合、ICTを活用するためセンサーは不要
②荷下ろし SF機からの直接荷下ろしする場合は、鉄筋の上にコンクリートが重くのしかかるので注意が必要

横取り機からの荷下ろしでは、先行しすぎるとコンクリート表面が乾いてしまうので注意が必要

③締固め・成型 SF機1台で対応できるため、暑中もトラブルが少ない
④表面仕上げ 荒仕上げ

平坦仕上げ(人力フロート、オートフロートがある)

粗面仕上げ

コンクリート舗装の単価などについては別記事でまとめていますので、併せてご確認ください。

 

コンクリート舗装の構成と各部

ここで少し、一般的なコンクリート舗装の構成についても確認しておきましょう。

舗装の断面はこんな感じです。(上から下)


コンクリート舗装

 
 
横目地・縦目地 コンクリート舗装施工後に設けられる継ぎ目
コンクリート版 【コンクリート舗装の種類】

  1. 普通コンクリート舗装
  2. 連続鉄筋コンクリート舗装(CRCP)
  3. 転圧コンクリート舗装(RCCP)
  4. 早期交通解放型コンクリート舗装(1DAY PAVE)
  5. ポーラスコンクリート舗装
  6. コンポジット舗装
鉄網
ダウエルバ―・タイバー ダウエルバ―:横目地(膨張目地、収縮目地)を横断している丸棒

タイバー:縦目地(ダミー目地、突合せ目地)を横断している異形棒鋼

アスファルト中間層 コンクリート舗装では、アスファルト中間層を設置することで、コンクリート版の施工性や舗. 装の耐久性、路盤の耐水性を向上することができる
路盤
路床

 

コンクリート舗装とアスファルト舗装の違い

コンクリート舗装とアスファルト舗装の違いは以下の表をご覧ください。

項目 コンクリート舗装 アスファルト舗装
初期費用 高い 低い

※アスファルトの高騰によって価格差は、かなり縮小

設計期間 20年

※コンクリート舗装は耐久性の高さから、設計期間は長い

10年
施工性 悪い

※コンクリート舗装は大規模な施工箇所が多い事から、小規模工事などの汎用的な施工機械が少ない

良い

※アスファルト舗装では、舗装の規模によって施工機械が充実している

補修性 悪い

※コンクリート舗装では補修頻度は少ないが、補修の日数が長くなる傾向

良い

※アスファルト舗装では補修頻度は高いが、補修にかかる日数は短い

工期 長い 短い
ライフサイクルコスト 低い

※コンクリート舗装はその耐久性から、維持補修の回数は少ない

高い

※アスファルト舗装では、わだち掘れや流動等によって維持補修が多い

車の乗り心地(初期) 悪い

※コンクリート舗装はひび割れ制御の為に、目地を設けているので乗り心地は悪い

良い
車の乗り心地(長期) 良い

※コンクリート舗装は摩耗や変形が少ないため、長期においては乗り心地が損なわれず安定している

悪い

※アスファルト舗装では、わだち掘れや変形によって乗り心地が悪くなっていく

車の燃費(環境性能) 良い

※コンクリート舗装は路面の転がり抵抗が小さい

悪い

※アスファルト舗装では路面の変形が大きいため、転がり抵抗が大きい

車の騒音(環境性能) 高い

※コンクリート舗装には短い間隔で目地が設けられているため、走行時の騒音に影響する

低い
路面温度 低い

※コンクリート舗装は白色系なので路面温度が低い

高い

※アスファルト舗装では黒色系のため路面温度が高い

どちらもメリット・デメリットがありますので、現場状況や維持管理、価格などを加味して設計すると良いでしょう。

コンクリート舗装の施工方法とは?施工手順やアスファルト舗装との違いまとめ

コンクリート舗装★型枠工法

  1. 型枠設置(高さ調整材や型枠固定用鉄ピン)
  2. 路盤清掃
  3. 目地金物設置
  4. コンクリート運搬
  5. 荷下ろし・下層敷きならし
  6. 鉄網・鉄筋設置
  7. 上層敷きならし
  8. 締固め・荒仕上げ(打ち込み目地含む)
  9. 平坦仕上げ(打ち込み目地含む)
  10. 粗面仕上げ
  11. 初期・後期養生(型枠脱型・清掃含む
  12. 目地切断
  13. 目地清掃・注入
  14. 型枠脱型・清掃
スリップフォーム工法施工の流れ ポイント
①センサー設置 SF工法の場合、ICTを活用するためセンサーは不要
②荷下ろし SF機からの直接荷下ろしする場合は、鉄筋の上にコンクリートが重くのしかかるので注意が必要

横取り機からの荷下ろしでは、先行しすぎるとコンクリート表面が乾いてしまうので注意が必要

③締固め・成型 SF機1台で対応できるため、暑中もトラブルが少ない
④表面仕上げ 荒仕上げ

平坦仕上げ(人力フロート、オートフロートがある)

粗面仕上げ

項目 コンクリート舗装 アスファルト舗装
初期費用 高い 低い

※アスファルトの高騰によって価格差は、かなり縮小

設計期間 20年

※コンクリート舗装は耐久性の高さから、設計期間は長い

10年
施工性 悪い

※コンクリート舗装は大規模な施工箇所が多い事から、小規模工事などの汎用的な施工機械が少ない

良い

※アスファルト舗装では、舗装の規模によって施工機械が充実している

補修性 悪い

※コンクリート舗装では補修頻度は少ないが、補修の日数が長くなる傾向

良い

※アスファルト舗装では補修頻度は高いが、補修にかかる日数は短い

工期 長い 短い

以上です。

ありがとうございました。

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインに情報発信中!
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