【No.12】
下図は, 一般的な鋼材の応力度とひずみの関係を示したものであるが, 次の記述のうち, 適当でないものはどれか。
- 点Pは, 応力度とひずみが比例する最大限度である。
- 点Yuは, 弾性変形をする最大限度である。
- 点Uは, 最大応力度の点である。
- 点Bは, 破壊点である。
解答2
鋼材の応力度とひずみの図において呼称は以下のとおり
点P:応力度とひずみが比例する最大限度(比例限度)
点E:弾性変形をする最大限度 (弾性限度)
点Yu:応力度が増えないのにひずみが急増しはじめる上降伏点
点Y:応力が急減少し、ひずみが増加する下降伏点点Uは応力度が最大となる最大応力度(引張り強さ)
点B:鋼材が破断する破壊点(破断点)
なお、点Rは塑性域にある任意の点で呼称はない。
【No.13】
鋼材の溶接接合に関する次の記述のうち, 適当なものはどれか。
- 開先溶接の始端と終端は, 溶接欠陥が生じやすいので, スカラップという部材を設ける。
- 溶接の施工にあたっては, 溶接線近傍を湿潤状態にする。
- すみ肉溶接においては, 原則として裏はつりを行う。
- エンドタブは, 溶接終了後, ガス切断法により除去してその跡をグラインダ仕上げする。
解答4
1.開先溶接の始端には溶込み不良やプローホール等、終端にはクレータ割れ等の欠陥が生 じやすいため、部材と同等の開先を有するエンドタブを取り付ける。スカラップとは、鋼構造部付の溶接接合部において、溶接線の交差を避けるために一方の母材に設ける円弧状の切欠きのこと。
2.溶接線近傍に水分が付着していると、溶接に悪影響を与えるため、十分に乾燥させる。
3.すみ肉溶接は鋼板を重ねたり、T型に直交する2つの接合面に溶着金属を盛って接合したりする溶接方法である。裏はつりとは、完全溶込み溶接継手において、先行した溶接部の間先底部の溶込み不良の部分、あるいは先行した溶接部の初層部分等を裏面からはつり取ることを指す。
4.記述のとおり
【No.14】
コンクリート構造物の耐久性を向上させる対策に関する次の記述のうち, 適当なものはどれか。
- 塩害対策として, 水セメント比をできるだけ大きくする。
- 塩害対策として, 膨張材を用いる。
- 凍害対策として, 吸水率の大きい骨材を使用する。
- 凍害対策として, AE減水剤を用いる。
解答4
1.塩害はコンクリート中に侵入した塩化物イオンが鋼材に腐食・膨張を生じさせ、コンクリートにひび割れ、はく離等の損傷を与える現象である。対策として、水セメント比を小 さくし、密実なコンクリートとすることが重要である。
2.膨張材は硬化過程において膨張を起こさせる混和材であり、乾燥収縮や硬化収縮等に起因するひび割れの低減や、ケミカルプレストレス導入によるひび割れ耐力の向上等が図れる。
3.凍害はコンクリート中の水分の凍結融解作用により、膨張と収縮を繰り返し、組織に緩みまたは破壊をもたらす現象である。吸水率の大きい骨材は多孔質であり、内部の自由水の凍結により膨脹圧が発生し、耐凍害性を損なう原因となるため、吸水率の小さい骨材を使用する。
4.AE減水剤には、単位水量及び単位セメント量の低減と、コンクリート中に微小な独立した空気の (エントレインドエア)を均等に連行し、エントレインドエアがコンクリートの凍結時における水の膨脹圧を緩和し、凍結融解に対する抵抗性を向上させる効果がある。
【No.15】
河川堤防の施工に関する次の記述のうち, 適当でないものはどれか。
- 堤防の腹付け工事では, 旧堤防との接合を高めるため階段状に段切りを行う。
- 引堤工事を行った場合の旧堤防は, 新堤防の完成後, ただちに撤去する。
- 堤防の腹付け工事では, 旧堤防の裏法面に腹付けを行うのが一般的である。
- 盛土の施工中は, 堤体への雨水の滞水や浸透が生じないよう堤体横断方向に勾配を設ける。
解答2
1.記述のとおり
2.引堤とは、川幅を拡幅するために堤防を堤内地(堤防で洪水氾濫から守られている住居や農地のある側)のほうに移動させてつくりかえることをいう。引堤工事を行った場合、新堤防は圧密沈下や法面の安定に時間を要するので、 堤防法面の植生の生育状況、堤防本体の締固めの状況 (自然転圧)などを考慮し、原則, 新堤防完成後3年間は旧堤除去を行ってはならない。
3.4.記述のとおり
【No.16】
河川護岸の施工に関する次の記述のうち, 適当なものはどれか。
- 根固工は, 水衝部等で河床洗掘を防ぎ, 基礎工等を保護するために施工する。
- 高水護岸は, 単断面の河川において高水時に表法面を保護するために施工する。
- 護岸基礎工の天端の高さは, 洗掘に対する保護のため計画河床高より高く施工する。
- 法覆工は, 堤防の法勾配が緩く流速が小さな場所では, 間知ブロックで施工する。
解答1
1.記述のとおり
2.高水護岸は、複断面の河川で高水敷幅が十分あるような箇所の堤防の表法面を、コンクリートブロック張工、蛇篭、布団かごなどを設置し、高水時に保護するものである。
3.護岸基礎工の天端高さは、洪水時に洗掘が生じても護岸基礎の浮上りが生じないよう、過去の実績 や調査研究成果などを利用して最深河床高を評価して設定する。なお、計画低水路河床高と現況河床高のうち低いほうから0.5~1.5m程度深くすることが多い。
4.法覆工は、堤防・河岸を被覆し、保護する主要な構造部分で法勾配が緩く流速が小さな場所では平板ブロックが用いられ、法勾配が急で流速の大きな急流部では間知ブロック (積プロック)が用いられる。
前の問題を見直す?/次の問題へ進む?
TOPページに戻る