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1級土木・令和2年二次No.8~No.11

選択問題2【問題8】1級土木★過去問(解答・解説)

コンクリート打込み後に発生する, 次のひび割れの発生原因と施工現場における防止対策をそれぞれ1つずつ解答欄に記述しなさい。

ただし, 材料に関するものは除く。

(1) 初期段階に発生する沈みひび割れ

(2) マスコンクリートの温度ひび割れ

【解答欄】

(1) 初期段階に発生する沈みひび割れ
(2) マスコンクリートの温度ひび割れ

以下を参考に1つずつ記述する。

  原因 対策
(1) 初期段階に発生する沈みひび割れ 壁とスラブとが連続しているコンクリート構 みひび割れ造物等では, 断面の異なるそれぞれの部分でコ ンクリートに生じる沈下の程度に差があるため、一度にコンク リートを打ち込むと断面の変わる境界面でひび割れが発生することが多い。
  • コンクリートは断面の変わる箇所でいったん打ち止め, そのコンクリートの沈下が落ち着いてから上層コンク リートを打ち込む。
  • 再振動によりコンクリートは再び流動性を帯びてコンクリート中に出来た空隙や余剰水が少なくなり、コンクリート強度及び鉄筋との付着強度の増加, 沈 みひび割れ防止に効果がある。 再振動を行う適切な時期は、締固めによって再び流動性が戻る状態の範囲で、できるだけ遅い時間が良い。
  • コンクリートが固まり始めるまでの間に発生したひび割れは,タンピングと再仕上げによって修復する。
(2) マスコンクリートの温度ひび割れ セメントの硬化時における水和熱に起因した温度応力により発生する。

マスコンクリートでは硬化時の水和熱によりコンクリート温度が著しく上昇するとともに, 硬化したコンクリートの温度が降下する過程でその体積が拘束され, 温度ひび割れが起こる。

  • 打込み区画の大きさやリフト高さ,継目の位置, 打ち継 ぎ時間間隔, 型枠の材料や構造, 養生方法等を適切に選定する。
  • ひび割れ誘発目地によりひび割れの発生位置の制御を 行う。
  • パイプクーリングやプレクーリングにより冷却する。
  • ひび割れ制御鉄筋によりひび割れ幅の抑制を行う。
  • コンクリート部材内外の温度差が大きくならないよう に,また,部材全体の温度降下速度が大きくならない ように, コンクリート温度をできるだけ緩やかに外気 温に近づける。
  • コンクリート表面を断熱性の高い材料で覆い保温・保護する。

選択問題2【問題9】1級土木★過去問(解答・解説)

盛土の締固め管理方式における2つの規定方式に関して, それぞれの規定方式名と締固め管理の方法について解答欄に記述しなさい。

【解答欄】

規定方式名 締固め管理の方法

以下を参考に1つずつ記述する。

規定方式名 締固め管理の方法
品質規定方式 品質規定方式による盛土の締固め管理は, 盛土に必要な品質を満足するように, 施工部位・材料に応じて管理項目 基準値・頻度の品質を仕様書に明示し, 締固め方法については原則として施工者に委ねる方式である。

【管理方法】

  1. 最大乾燥密度,最適含水比を利用する方法
  2. 空気間隙率または飽和度を規定する方法
  3. 締め固めた土の強度, 変形特性を規定する方法
工法規定方式 工法規定方式による締固め管理は、 使用する締固め機械の機種、 まき出し厚, 締固め回数 などの工法そのものを仕様書に規定する方式であり,事前に現場での試験施工において設計で設定した盛土の所要力学特性を確保するための品質基準 (締固め度, 空気間隙率あるい は飽和度の各規定値) を満足する施工仕様 (転圧機種, 転圧回数, 敷均し厚等)を求めておくことが原則である。

【管理方法】

➀タスクメータ・タコメータを利用する方法

締固め機械にタスクメータやタコメータ等を取付け、締固め機械の稼働時間を記録し, この稼働時間をチェックすることにより, 管理する方法。

②TS (トータルステーション)・GNSS (衛星測位システム)を利用する方法

締固め機械の走行軌跡をTSやGNSSでリアルタイムに計測し, 締固め機械の走行位置 をパソコン画面でメッシュに分割した盛土地盤に重ね合わせることにより, 各メッシュの 転圧回数を管理する。

選択問題2【問題10】1級土木★過去問(解答・解説)

建設工事現場における機械掘削及び積込み作業中の事故防止対策として, 労 働安全衛生規則の定めにより、 事業者が実施すべき事項を5つ解答欄に記述しなさい。ただし, 解答欄の (例) と同一内容は不可とする。

【解答欄】※解答欄(例)省略

1
2
3
4
5

以下から5つえらんで記述する。

★建設工事現場における機械掘削及び積込み作業中の事故防止対策【事業者が実施すべき事項(労働安全衛生規則)】

第154条 (調査及び記録) 車両系建設機械を用いて作業を行なうときは,当該車両系建設機械の転落、 地山の崩壊等によ る労働者の危険を防止するため、あらかじめ,当該作業に係る場所について地形, 地質の状態等を調査し、その結果を記録しておく。
第155条 (作業計画) 車両系建設機械を用いて作業を行なうときは、あらかじめ, 調査により知り得たところに適応する作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行なう。
第157条 (転落等の防止等 第2項)路肩,傾斜地等で車両系建設機械を用いて作業を行う場合において,当該車両系建設機械の転倒又は転落により労働者に危険が生ずるおそれのあるときは, 誘導者を配置し、 その者に当該車両系建設機械を誘導させる。
第157条の2 路肩, 傾斜地等であって、 車両系建設機械の転倒又は転落により運転者に危険が生ずるおそれ のある場所においては、転倒時保護構造を有し、かつ、シートベルトを備えたもの以外の車両 系建設機械を使用しないように努めるとともに、 運転者にシートベルトを使用させるように努める。
第158条 (接触の防止) 車両系建設機械を用いて作業を行なうときは, 運転中の車両系建設機械に接触することにより 労働者に危険が生ずるおそれのある箇所に、労働者を立ち入らせない。 ただし、誘導者を配置 し、その者に当該車両系建設機械を誘導させるときは、この限りでない。
第159条 (合図) 車両系建設機械の運転について誘導者を置くときは、一定の合図を定め、 誘導者に当該合図を行なわせる。
第160条 (運転位置から離れる場合の措置) 車両系建設機械の運転者が運転位置から離れるときは、当該運転者に, バケット, ジッパー等の作業装置を地上に下ろす, また, 原動機を止め,かつ, 走行ブレーキをかける等の車両系建 設機械の逸走を防止する措置を講じさせる。
第162条 (とう乗の制限) 車両系建設機械を用いて作業を行なうときは、乗車席以外の箇所に労働者を乗せない。
第163条 (使用の制限) 車両系建設機械を用いて作業を行うときは、転倒及びブーム, アーム等の作業装置の破壊による労働者の危険を防止するため、 当該車両系建設機械についてその構造上定められた安定度, 最大使用荷重等を守る。
第167条 (定期自主検査) 車両系建設機械については、1年以内ごとに1回、定期に、車体、原動機, 動力伝達装置,走行装置, 操縦装置, 制動装置, 作業装置, 油圧装置, 電気系統, 保安装置等の異常の有無について自主検査を行う。
第168条 車両系建設機械については, 1月以内ごとに1回、定期に,ブレーキ,クラッチ, 操作装置及び作業装置の異常の有無, ワイヤロープ及びチェーンの損傷の有無, バケット, ジッパー等の 損傷の有無等ついて自主検査を行う。
第355条 (作業箇所等の調査) 地山の掘削の作業を行う場合において, 地山の崩壊, 埋設物等の損壊等により労働者に危険を 及ぼすおそれのあるときは、 あらかじめ, 作業箇所及びその周辺の地山について, 形状, 地質 及び地層の状態, き裂, 含水, 湧水及び凍結の有無及び状態, 埋設物等の有無及び状態, 高温のガス及び蒸気の有無及び状態をボーリングその他適当な方法により調査し, これらの事項について知り得たところに適応する掘削の時期及び順序を定めて,当該定めにより作業を行う。
第358条(点検) 明り掘削の作業を行なうときは、 地山の崩壊又は土石の落下による労働者の危険を防止するため、点検者を指名して, 作業箇所及びその周辺の地山について, その日の作業を開始する前、 13 大雨の後及び中震以上の地震の後、 浮石及びき裂の有無及び状態並びに含水, 湧水及び凍結の状態の変化の点検, 発破を行なった後、 当該発破を行なった箇所及びその周辺の浮石及びき裂の有無及び状態を点検させる。
第359条 (地山の掘削作業主任者の選任) 掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削の作業については, 地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者のうちから, 地山の掘削作業主任者を選任する。
第360条 (地山の掘削作業主任者の職務) 地山の掘削作業主任者に, 1. 作業の方法を決定し, 作業を直接指揮させる, 2. 器具及び工具を点検し、 不良品を取り除く, 3. 要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視させる。
第361条 (地山の崩壊等による危険の防止) 明り掘削の作業を行なう場合において, 地山の崩壊又は土石の落下により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、 あらかじめ, 土止め支保工を設け, 防護網を張り, 労働者の立入りを 禁止する等当該危険を防止するための措置を講じる。
第362条 (埋設物等による危険の防止 第1項)埋設物等又はれんが壁, コンクリートブロック塀, 擁壁等の建設物に近接する箇所で明り掘削の作業を行なう場合において,これらの損壊等により労働者に危険を及ぼすおそれのあるとき は,これらを補強し、 移設する等当該危険を防止するための措置が講じられた後でなければ, 作業を行なわせない。
第362条第2項 明り掘削の作業により露出したガス導管の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのある場合は、防護受け防護等による当該ガス導管についての防護を行ない, 又は当該ガス導管 を移設する等の措置を行う。
第363条 (掘削機械等の使用禁止) 明り掘削の作業を行なう場合において, 掘削機械, 積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管, 地中電線路その他地下に存する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらの機械を使用しない。
第365条 (誘導者の配置) 明り掘削の作業を行なう場合において,運搬機械等が, 労働者の作業箇所に後進して接近するとき、又は転落するおそれのあるときは、 誘導者を配置し, その者にこれらの機械を誘導させる。
第366条(保護帽の着用) 明り掘削の作業を行なうときは, 物体の飛来又は落下による労働者の危険を防止するため,当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させる。
第367条(照度の保持) 明り掘削の作業を行なう場所については,当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持する。

選択問題2【問題11】1級土木★過去問(解答・解説)

建設工事にともなう騒音又は振動防止のための具体的対策について5つ解答欄に記述しなさい。

ただし, 騒音と振動防止対策において同一内容は不可とする。

また、解答欄の (例) と同一内容は不可とする。

【解答欄】※解答欄(例)省略

1
2
3
4
5

国土交通省 「建設工事に伴う騒音振動対策技術指針」に下記のように記されているため、これらを参考に5つ記述する。

  • 建設機械等は, 整備不良による騒音、振動が発生しないように点検 整備を十分に行う。
  • 作業待ち時には、 建設機械等のエンジンをできる限り止めるなど騒音、振動を発生させない。
  • 作業にあたっては, 低騒音型建設機械を使用する。
  • 掘削はできる限り衝撃力による施工を避け, 無理な負荷をかけないようにし、不必要な高 速運転やむだな空ぶかしを避けて, ていねいに運転する。
  • 掘削積込機から直接トラック等に積込む場合,不必要な騒音, 振動の発生を避けててい ねいに行う。
  • ブルドーザを用いて掘削押し土を行う場合, 無理な負荷をかけないようにし、後進時の高 速走行を避けて, ていねいに運転する。
  • 振動、衝撃力によって締固めを行う場合, 建設機械の機種の選定, 作業時間帯の設定等に ついて十分留意する。
  • 運搬車の走行速度は,道路及び付近の状況によって必要に応じ制限を加えるように計画, 実施する。 なお、 運搬車の運転は、不必要な急発進, 急停止, 空ぶかしなどを避けて,ていねいに行う。
  • 既製杭を施工する場合には, 中堀工法, ブレボーリング工法等を原則とし, 作業時間帯, 低騒音型建設機械の使用等の騒音, 振動対策を検討する。
  • 鋼矢板, 鋼杭を施工する場合には, 油圧式圧入引抜き工法, 多滑車式引抜き工法, アース オーガによる掘削併用圧入工法, 油圧式超高周波くい打工法, ウォータジェット工法等を 原則とし、作業時間帯, 低騒音型建設機械の使用の騒音, 振動対策を検討する。
  • コンクリートプラントやアスファルトプラントの設置にあたっては, 周辺地域への騒音, 振動の影響が小さい場所を選び, 十分な設置面積を確保し、 必要に応じ防音対策を講ずる。
  • コンクリート構造物を取り壊す作業現場は, 騒音対策, 安全対策を考慮して必要に応じ防 音シート,防音パネル等の設置を検討する。
  • 空気圧縮機,発動発電礎等で, 可搬式のものは, 低騒音型建設機械を使用し、定置式のも のは、騒音、振動対策を講じる。
  • 空気圧縮機,発動発電機, 排水ポンプ等は, 工事現場の周辺の環境を考慮して, 騒音、振 動の影響の少ない箇所に設置する。

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