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シックハウス対策|建築基準法をかんたんに分かりやすく解説

シックハウス対策

建築基準法では、原則的に居室を有するすべての建築物に対し、シックハウス対策を義務づけています。

シックハウスとは、住宅の高気密化などが進むに従って、建材などから発生する化学物質などによる室内空気汚染と、それによる健康影響が指摘されているもの。

【シックハウス症候群】とも呼ばれ、その症状は「目がチカチカする」「鼻水」「のどの乾燥」「吐き気」「頭痛」「湿疹」など色々あります。

住宅におけるシックハウス対策をしっかり確認しておきましょう。

それではさっそく【シックハウス対策】スタートです!

 

シックハウス対策★建築基準法

シックハウス症候群

シックハウスの原因物質であるクロルピリホスの使用を禁止し、ホルムアルデヒドへの対策として以下のような規制を設けています。

シックハウス対策&制限

  1. 内装の仕上げ制限
  2. 24時間機械換気設備設置の義務づけ
  3. 天井裏等の制限

 

内装の仕上げ制限

住宅などの内装に使われる建材は、JIS、JASなどでホルムアルデヒドの発散量に応じ、F☆☆☆☆からF☆の4ランクに等級付けされています。

この等級によって居室の内装に使用できる面積が制限されています。

発散量 等級 放散速度 材料の区分 使用面積

(換気回数0.5回/h)

少ない

多い

F☆☆☆☆ 5μg/㎡h以下 規制対象外 制限なし
F☆☆☆ 5μg/㎡h~20μg/㎡h 第三種ホルムアルデヒド

発散建築材料

床面積の2倍以内
F☆☆ 20μg/㎡h~120μg/㎡h 第二種ホルムアルデヒド

発散建築材料

床面積の約0.3倍以内
F☆

(または表示なし)

120μg/㎡h超 第一種ホルムアルデヒド

発散建築材料

使用禁止

規制対象となる「内装仕上げ」に該当するのは、居室内の床・壁・天井・造り付け家具の面材部分など、室内の主な【面】部分です。

室内に面さない部分やドア枠などの軸状の部材、部分的に使う塗料や接着剤などは原則として対象外となっています。

項目 規制対象になるもの 規制対象にならないもの
対象場所 住居の居間、寝室、事務室、会議室、商店の売り場

工場の作業場、集会室、ホテルのロビー、映画館の客席ホール

喫茶店の客席、厨房、公衆浴場の更衣室、浴室など

倉庫、物置など
対象箇所 壁、床、天井の面的な部分 柱などの軸材、回り縁、窓台、巾木

手すり、鴨居、敷居、長押等の造作部分

建具枠、部分的に用いる塗料、接着剤など

対象建材 合板、木質系、フローリング、構造用パネル、集成材、単板積層材

MDF(中質繊維板)、パーティクルボード、その他の木質建材

ユリア樹脂板、壁紙、保温材、緩衝材、断熱材、塗料、仕上げ塗材、※接着剤

左記以外の建材、接着剤

※でん粉系接着剤、ユリア樹脂等(ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂またはホルムアルデヒド系防腐剤)を用いた接着剤、酢酸ビニル樹脂系溶剤形接着剤、ゴム計溶剤形接着剤、ビニル共重合樹脂系溶剤形接着剤、再生ゴム系溶剤形接着剤が対象

 

24時間機械換気設備設置の義務づけ

換気

建築物は原則として、機械換気設備の設置が義務づけられています。

すべての居室において、1時間あたり0.5回以上の換気ができる設備を24時間連続して使用することが必要です。

 

ちなみに24時間機械換気設備は、ドアに換気ガラリやアンダーカットを設けるなどして、各室からの換気扇までの空気が通る経路と角質の換気量が確保されていれば、1台の換気扇で複数の居室に対応することができます。

 

天井裏等の制限

居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため、天井裏など(天井裏、床下、納戸)にはホルムアルデヒドの発散が少ない建材を使ってください。

それか機械換気設備あるいは気密層や通気止めを設けて、天井裏などの空気が室内に流入しないようにする必要があります。

 

シックハウス対策★室内空気の汚染物質

家のなかの空気はさまざまな原因で汚染されます。

室内の空気を正常に保ち健康な生活を送るために、室内空気の汚染物質とその許容濃度を確認しておきましょう。

許容濃度は建築基準法やビル管理法で定められているよ

注意

  1. 二酸化炭素
  2. 一酸化炭素
  3. 化学物質
  4. 浮遊粉塵

二酸化炭素

二酸化炭素

室内の汚染物質では、まず人間が吐き出す二酸化炭素(CO₂)が挙げられます。

通常の濃度では問題ありませんが、4~5%を超えると危険です。

室内での一般的な二酸化炭素の許容濃度は0.1%(1000ppm)となっています。

 

一酸化炭素

適切な換気をせずにストーブや調理で火を使うと、燃焼の際に室内の酸素が消費されて酸素濃度が低下し、一酸化炭素(CO)が発生する不完全燃焼を起こします。

ガス中毒などの原因となる一酸化炭素の許容濃度は0.001%(10ppm)です。

 

化学物質

接着剤や塗料に含まれるホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)といった化学物質は、シックハウス症候群の原因物質とされています。

とくに問題視されているホルムアルデヒドの許容濃度は0.1mg/㎥(30分間平均値)と定められています。

 

浮遊粉塵

喫煙や作業などによっても発生する浮遊粉塵(ふゆうふんじん)は、とくに細かい粒子(粒径10μm以下)の場合で許容濃度が0.15mg/㎥とされています。

人体への呼吸器へ直接影響を及ぼすと言われていますので、注意したい物質のひとつです。

 

シックハウス対策まとめ

シックハウス対策における材料の区分と使用面積

発散量 等級 材料の区分 使用面積

(換気回数0.5回/h)

少ない

多い

F☆☆☆☆ 規制対象外 制限なし
F☆☆☆ 第三種ホルムアルデヒド

発散建築材料

床面積の2倍以内
F☆☆ 第二種ホルムアルデヒド

発散建築材料

床面積の約0.3倍以内
F☆

(または表示なし)

第一種ホルムアルデヒド

発散建築材料

使用禁止

建築基準法の規制対象一覧

項目 規制対象になるもの 規制対象にならないもの
対象場所 住居の居間、寝室、事務室、会議室、商店の売り場

工場の作業場、集会室、ホテルのロビー、映画館の客席ホール

喫茶店の客席、厨房、公衆浴場の更衣室、浴室など

倉庫、物置など
対象箇所 壁、床、天井の面的な部分 柱などの軸材、回り縁、窓台、巾木

手すり、鴨居、敷居、長押等の造作部分

建具枠、部分的に用いる塗料、接着剤など

対象建材 合板、木質系、フローリング、構造用パネル、集成材、単板積層材

MDF(中質繊維板)、パーティクルボード、その他の木質建材

ユリア樹脂板、壁紙、保温材、緩衝材、断熱材、塗料、仕上げ塗材

接着剤【でん粉系接着剤、ユリア樹脂等(ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂またはホルムアルデヒド系防腐剤)を用いた接着剤、酢酸ビニル樹脂系溶剤形接着剤、ゴム計溶剤形接着剤、ビニル共重合樹脂系溶剤形接着剤、再生ゴム系溶剤形接着剤】

左記以外の建材、接着剤

室内空気の汚染物質と許容濃度

室内空気の汚染物質 許容濃度
二酸化炭素 0.1%(1000ppm)
一酸化炭素 0.001%(10ppm)
ホルムアルデヒド 0.1mg/㎥
浮遊粉塵(10μm以下) 0.15mg/㎥

必要な換気量と換気回数

対象 必要換気量と換気回数
一般の部屋 在室者1人当たり30㎥/h
シックハウス対策 0.5回以上/h

 

以上です。

ありがとうございました。

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