「思い出が消えないうちに」のあらすじ&感想!ネタバレあり名言も

思い出が消えないうちに 書籍レビュー
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「思い出が消えないうちに」は、「コーヒーが冷めないうちに」、「この嘘がばれぬうちに」のその後を描いたストーリーです。(著者:川口俊和)

読むならまずは「コーヒーが冷めないうちに」と「この嘘がばれぬうちに」を読んでからにしましょう。

~とある街の、とある喫茶店の、とある座席には不思議な都市伝説があった~

その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れると言います。

めんどくさいルールを知ってもなお、過去に戻った人たちのそれぞれのストーリー。

あらすじや感想をまとめましたので参考にしてください。(ネタバレあり)

ちなみに次のシリーズは「さよならも言えないうちに」です。

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「思い出が消えないうちに」のあらすじや感想(ネタバレあり)名言も

コーヒー

この物語は、「コーヒーが冷めないうちに」と同じように、過去に戻れる座席がある喫茶店。

舞台は「コーヒーが冷めないうちに」から15年後のお話です。

しかも、喫茶店「フニクリフニクラ」ではなく、ナガレの母親が営んでいた函館の喫茶店「ドナドナ」

ナガレの母親である”ゆかり”は、ほっとけない性格で、喫茶店にやってきた父親を探す子といっしょに、いきなりアメリカへ飛び立ってしまいました。

そんな自由奔放な母親に代わって、ナガレは喫茶店の代理店長を行うことに。

そして過去に戻れるコーヒーを入れられるカズの娘、「さち(幸)」とカズを連れていくことになりました。

※時田家の女メモ

  • 時田家は、女の子を生むと過去に戻れるコーヒーは入れられなくなる。(よってカズはもう過去に戻れるコーヒーは入れられない)
  • そしてその時田家に生まれた女の子は、7歳から過去に戻れるコーヒーを入れることができる。

ちなみに喫茶店「フニクリフニクラ」は、ナガレの娘「みき(未来)」が残ることになりました。

それぞれの物語のあらすじや感想をぜひどうぞ!

ネタバレ➀ばかやろうが言えなかった娘の話

だいたい、過去に戻りたい人って

「だれかに会いたい」

「大切な気持ちを伝えたい」

とか、どちらかというと前向きな行動が多い気がしますよね。

だけどこの人は違います。

両親が死んで、親せき中をたらい回しにされ、今現在「不幸」であるために両親を憎んでいるという…。

そして文句を言うために過去に戻りたいという、ちょっとしたひねくれ者です。(笑)

だけど結局、過去に戻って自分はしっかり愛されていたことを知り、スッキリした気持ちで帰ってきました。

しかしこれで終わらないのが喫茶店「ドナドナ」

若かりし頃の母親が、自分に会いにきたのです。

母親自身、生きることに疲れてしまって死のうと考えていたときに、未来へ行くことをゆかりに勧められていたのでした。

コーヒーが冷めきるまでの短い時間でしたが、母娘の心がしっかりつながった瞬間。

「生まれてきてくれてありがとう」

生きる希望と、これからの幸せのために、がんばる気持ちが生まれた瞬間でもありました。

過去に戻っても現実は変わらない。

だけど変えられるもの(大切な気持ち)もあるんだな~としみじみ感じました。

ネタバレ②亡くなった妻に会いに行った芸人の話

亡くなった妻に会いに行くポロンドロン(芸名)の片割れ「とどろき」

妻の夢でもあった芸人グランプリで優勝し、逆に生きる意味を失ってしまいました。

過去に妻に会いにいって、そのまま戻らないつもりだったのに…。

「死んだら終わりじゃない」

妻である節子にそう言われ、咤激励された「とどろき」は、また生きる勇気をもらえたのでした。

死んでしまった人に会いに行くのは、会いたい気持ちとつらい気持ちが半々な気がします。

現実は変わらないと分かっていても、どこかでどうにかできないかと考えてしまう。

私は実際にこの喫茶店があっても、過去に行く勇気がないかもしれません。

だけど、とどろきさんや節子さんの繊細で美しい、薄いガラスのような心の描写に、胸はギュッと締め付けられたように感じました。

節子さんのためにも、とどろきさんには、残りの人生を精一杯生きてほしいです。

ネタバレ③お互いの幸せを願う姉妹

妹の急死で、精神的に参ってしまい、眠れなくなってしまったレイコ。

妹が死んだのが夢か現実か分からないくらい追い詰められていました。

そんなある日、精神科医でレイコの担当医でもあるサキに連れられ、喫茶店「ドナドナ」にやってきました。

そこに妹が現れたのです。

妹が未来へやってきた理由は、

「お姉ちゃんに幸せになってほしい」

という気持ちからでした。

自分が死んだことで、お姉ちゃんを悲しませて不幸にしないように。

レイコ自身も、幸せになることが妹への精いっぱいの供養になるということに気づけたのです。

お互いの幸せを願う2人の気持ちは同じなんですよね。

心にジーンとくる、素敵な姉妹の物語でした。

ネタバレ④明日世界が終わるなら?素直になれないふたりの話

喫茶店「ドナドナ」でアルバイトをしているレイジは、芸人をめざす青年です。

そしてレイジの幼馴染であるナナコ。

お互い、物心ついたときから一緒にいたため、互いを好きであることにも気づいてないパターン。

だけどそんなある日、ナナコが自分の病気について打ち明けようとしたときに、タイミング悪く?レイジの芸人オーディション合格が決まったのでした。

そしてすれ違いのまま、レイジは東京へ、ナナコは移植手術のためアメリカへ旅立ちます。

函館に一時戻ってきたレイジは、その時はじめてナナコの病気と渡米について知ったのでした。

モヤモヤする気持ちの正体が分からず、さらにイライラする負のループ。

だけど、いつも「さち」が読んでいた本の問いかけをふと思い出すのでした。

【明日世界が終わるなら】

その言葉に背中を押され、レイジは過去に戻ってナナコに会うことを決めました。

しかし過去に戻っても、なかなか素直になれない二人。

だけど死ぬのが怖いというナナコの気持ちを知り、現実は変わらないし、未来もどうなるか分からないならと。

「お前は俺の嫁になる」

まさかのプロポーズに私までドキドキしました…。(笑)

しかしその後、ナナコの訃報が届いてしまいました。

悲しすぎる結末…(つらい)

だけどナナコはつらい副作用にも負けず懸命にがんばっていたそうです。

きっと、あのプロポーズが心の支えになっていたことは間違いありません。

言葉って本当に魔法のような力をもっていますよね。

少しの間だけでも、ふたりの気持ちが通じ合ってよかったです。

涙なしではいられない、心揺さぶられる物語ばかりでした 🙂

「思い出が消えないうちに」のあらすじや感想(ネタバレあり)まとめ

【思い出が消えないうちに】は、「コーヒーが冷めないうちに」のその後を描いたストーリー

ストーリー名言
ばかやろうが言えなかった娘の話生まれてきてくれてありがとう(母から娘へ)
亡くなった妻に会いに行った芸人の話死んだら終わりじゃない
お互いの幸せを願う姉妹お姉ちゃんに幸せになってほしい
明日世界が終わるなら?素直になれないふたりの話お前は俺の嫁になる

ちなみに私はAudibleでこの本を聴きました。

プロによる臨場感たっぷりの朗読に、一気に物語のなかへ引き込まれました~!

涙なしでは聴けない愛の物語をぜひ自分の耳で体験してみてください。

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また思い出が消えないうちにが読み終わったら、「さよならも言えないうちに」もぜひ読んでみてください。

ありがとうございました。

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