【コーヒーが冷めないうちに】
コーヒーが冷めるまでの数分間だけでも、過去や未来に行けるとしたら、あなたはだれに会いに行きますか?
それぞれの想いが時を超える、心温まるファンタジー小説。
感想をまとめましたが、ネタバレしてますのでご注意ください。
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コーヒーが冷めないうちに★感想(ネタバレあり)
【コーヒーが冷めないうちに】は、ある喫茶店のある席だけで起こる不思議な話。
たくさんのめんどくさいルールをクリアした人だけが、過去や未来に行くことができます。
ただし行けるのはコーヒーを入れてから冷めるまでの数分間です。
さらに過去や未来に行ったとしても、現実は変わらないとのこと。
それでも過去や未来に行ったそれぞれの想いに、心打たれ、涙なしでは読むことはできませんでした。
私自身が読んで心に残った部分をピックアップしてご紹介しますので、興味のある方はぜひご覧ください。
アメリカへ行ってしまった男と素直になれない女
たまたまこの喫茶店に入り、急にアメリカ行きを伝えた男。
「行かないで」
と言えず、素直になれなかった女は、後悔し、過去に戻ることを選択します。
過去に戻っても現実は変わらず、男がアメリカに行くことは変わりません。
だけど、男の夢を知っており、応援したいと思っていた気持ちは、大事な話があると言われ結婚話だとばかり思っていた気持ちに飲み込まれ、ちゃんと伝えることができませんでした。
過去に戻って、「行かないで」とは言えずとも、
「相談してほしかった」
と素直に言うことができました。
そうすると男の口から
「3年まってほしい」
との言葉が。
現実に戻ってきた女は、これから(未来)のことを真剣に考えるようになります。
【過去は変えられないけど未来は変えられる】
そう思えるようになったことは、過去に戻ってよかったですよね。
現実は変えられなくとも、心は確実に前向きに強くなったのを感じました。
記憶がなくなったとしても夫婦でいたい
若年性アルツハイマー認知症になってしまった夫婦の話。
これはもう、涙なしでは無理でした。(笑)
本では男性、映画では女性がアルツハイマー認知症であり、ちょこっと違いがありましたが、内容は同じでした。
病気により忘れられてしまう悲しみもありますが、忘れてしまうほうも苦しんでいたのです。
病気になったとき、夫婦としての在り方について綴った手紙を書いたフサギさん。(本では男性)
看護師として支えようと決めていたフサギさん(旧姓:コウタケさん)に、手紙には病気になっても夫婦でいたいという内容が書かれていました。
「辛くなったら離れればいい」
「俺のまえで看護師でいる必要はない」
受け取れなかった手紙には、今のコウタケさんを支える、励ます、そして思い直させる言葉が書いてあったのです。
看護師としてではなく【夫婦】として。
残りの人生をいっしょに歩んでいくと決めたコウタケさん。
大切な人の想いを知ることができて、本当に良かったです。
妹の夢をかなえるために
平井さんはスナックを営んでいましたが、実家は格式ある旅館。
跡継ぎを妹に任せて、平井さんは自由に生きると決めていました。
だけど妹は、何度も何度も会いに来て、旅館に戻るよう説得します。
それをうざったく、めんどくさく思うようになり、顔も見ずに帰してしまうこともしばしばありました。
そしてある日、平井さんに会いに来た妹は、交通事故で帰らぬ人となったのです。
「もう一度、くみ(妹)に会いたい」
そう強く願い、過去に戻った平井さん。
どんなにもがいても、妹が死ぬことは決まっている、だけど。
伝えたかった言葉がありました。
【ありがとう】
そして、旅館を継ぐことをくみ(妹)と約束したのでした。
実は、妹に旅館を継がせて恨まれていたと思っていた平井さんでしたが、くみ(妹)の本当の夢は、
「お姉ちゃんといっしょに旅館をやること」
だったのです。
くみ(妹)の夢をかなえるため、平井さんは実家で旅館を継ぐことを決意しました。
過去に戻ったことは、確実に平井さんの心と未来を変えたのです。
大切な人のためとなると、人は本当に強くなれますね。
旅館で0からスタートすることは大変だと思いますが、頑張ってほしい!と願わずにはいられません。
我が子に会って伝えたいこと
ケイは、この喫茶店のマスターであるナガレさんの奥様。
元々からだが弱く、妊娠したときも、母子ともに助かることは難しいと言われていました。
ケイ自身も、我が子を産むだけの体力しか残っていないということは分かっていたのです。
だからこそ、未来へ行って我が子に一目会いたいと思ったのでしょう。
未来へ行って我が子に会ったとき、はじめはお互いに委縮してしまって気まずい雰囲気に…。
だけどコーヒーが冷めないうちに、伝えなきゃならないことがある。
未来で会ったその子の名前はミキ(未来)。
【私を生んでくれてありがとう】
そう言葉にしたミキは、ケイが死んで寂しい思いをさせたかもしれないけど、ナガレやカズちゃん(ナガレの妹)からたくさんの愛情を注がれて育ったことがひしひしと感じられました。
そして、ケイはミキに、
【私の元に生まれてきてくれてありがとう】
そう伝えることができたのでした。
ケイちゃん、本当に良かったね。
大切な人を大切に想う気持ちがあふれていた本当に温かいエピソードでした。
※ちなみに映画ではケイちゃんの話は出てきません。(主演:有村架純さん)
一部オリジナルとなっていますので、それはそれでお楽しみくださいね 😉
コーヒーが冷めないうちに★おすすめな読み方
おすすめな読み方は【耳学】です。
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温かい優しいしゃべり口で、あっという間に物語のなかに引き込まれてしまいました。
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ありがとうございました。