今回のテーマは【ISO14000シリーズ】についてです。
ISOとはInternational Organization for Standardizationの略で、国際標準機構の略称です。
そしてISO規格は国際標準化機構が定めている国際規格のことで、とくに建設業で取り組まれているものは、ISO9000ファミリーとISO14000シリーズの2種類となっています。
ISO9000については以下の記事をご覧ください。
ISO9000とは?ファミリー構成や規格を簡単にチェックしよう
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
ISO14000シリーズとは?定義などを簡単にチェック
近年では、地球環境問題が大きく取り上げられていますよね。
これらの問題の多くは、企業活動による生産活動や製品の使用・廃棄によってもたらされています。
このため、環境管理に関する規格が必要となりました。
このような背景を基に、環境マネジメントシステムと呼ばれる【ISO14000】が生まれたのです。

ISO14000は、企業が自主的に環境方針を定め、それを実行していくためのマネジメントシステムを規定した規格であり、環境基準のような法規制的なものではありません。
ISO14000で対象とされる範囲は、原則的にはその企業が活動することによって発生するすべての環境負荷に対して考える必要があります。
企業内部だけでなく、顧客が使用することによって発生する環境負荷や廃棄されるときの環境に対する影響なども含むと考えられていますよ 🙂
ISO14000シリーズの規格
それではISO14000シリーズにおける規格を簡単に見ていきましょう。
ISO14000シリーズ
- ISO14000
- ISO14001
- ISO14004
- ISO14010
- ISO14012
- ISO14015
- ISO14020
- ISO14031
- ISO14040
- ISO14050
- ISO14063
- ISO14064
ISO14000
企業が自主的に環境方針を定め、それを実行していくためのマネジメントシステムを規定した規格です。
環境基準のような法規制的なものではありません。
環境マネジメントシステムに関する国際規格群の総称とも言えるでしょう。
ISO14001
法定要求事項および著しい環境影響についての情報を考慮しながら組織が方針や目的を策定できるように、環境マネジメントシステムの要求事項を規定しています。
ISO14001を取得した組織や企業は、地球環境へ配慮した組織・企業活動を行っていると国際的に認められると言えるでしょう。
ISO14004
環境マネジメントシステムを実施し、改善しようとする組織を支援することが目的です。
またこの規格は、持続可能な開発の懸念に沿うとともに、多様な文化的、社会的および組織上の枠組みと両立しうるものであると規定されています。
ISO14010
組織、監査員およびその依頼者に対し、環境監査の実施に共通の一般原則に関sるう指針を示すことを意図しています。
この規格は環境監査と関連用語の定義、および環境監査の一般原則を規定しています。
ISO14012
この規格は、環境監査員ならびに主任環境監査員のための資格基準に関する手引きを提供し、内部監査員および外部監査員の両方に適用可能であるとしています。
ISO14015
用地、つまり土地の土壌汚染にスポットをあてた対策が記載されている規格であり、環境課題が事業に及ぼす影響を査定するものです。
土壌汚染対策法や自治体の土壌汚染に関する条例の強化、不動産証券化スキームの適用等に伴い、あらゆる組織において自らの土地または取得 予定の土地に関する環境上の問題に対応するために定められています。
ISO14020
「環境ラベル」に関することが規定されています。
環境ラベルとは消費者に対して企業の環境に対する取り組みをアピール(伝達)するためのモノのことを指し、例えばグリーンマークやエコマークなどが該当します。
ISO14031
環境パフォーマンスについて規定した規格です。
環境パフォーマンスとは組織が発生させている環境への負荷(影響)への対策の成果について定められています。
ISO14040
ライフサイクルアセスメントについての定められています。
ライフサイクルアセスメント(LCA)とは、ある製品の製造開始段階(原材料の仕入等も含む)~エンドユーザーに届くまでの工程それぞれでの環境負荷(影響)を明確にし、低減するための改善策を考えることです。
【環境負荷の見える化】として主に使用されています。
ISO14050
ISO14001に記載がある単語について解説されています。
環境マネジメントシステムを理解するうえで、必要な知識や用語の意味がまとめられています。
ISO14063
環境コミュニケーションに関することが定められています。
環境コミュニケーションとは環境問題への取り組みについて意見の交換会などを実施し、問題の未然防止や発生した際の影響の低減を図り、すべての関係者が環境問題についての理解を深めて信頼関係を構築していく取り組みのことです。
ISO14064
温室効果ガスに関する規格(群)です。
内容としては算出方法、報告、検証などについて規定されています。
一方で、ISO14065は認定機関を対象に、ISO14066は審査員を対象に記述されています。
ISO14000とISO14001の違い
一方で、とくにISO14000とISO14001の違いについても解説しておきます。
一般に見たり聞いたりしているのは、ISO14001またはJISQ14001が多いでしょう。
ISO14000 | ISO14001 |
環境マネジメントシステムに関する国際規格群の総称
企業が自主的に環境方針を定め、それを実行していくためのマネジメントシステムを規定した規格 |
環境マネジメントシステムの要求事項や実施についての手引き |
ちなみにJISQ14001は、日本産業規格のうちマネジメントシステム分野についての記載文書であり、ISOの原文内容を変えることなく和訳した文章のことです。
日本国内での認証審査や構築運用のときに使用するのはJISQが主流になります。
以上です。
【環境関連】
ありがとうございました。