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ヒートアイランド現象の原因と対策|簡単にわかりやすく解説

ヒートアイランド現象

ヒートアイランド現象とは、都市部を中心にした地域で、周辺地域よりも高温の空気がドーム状に覆われる現象のことです。

気温分布図の等高線が島の形を描くことから、ヒートアイランド(島)と呼ばれています。

土木分野では「環境工学」で学ぶ専門用語で、社会的問題のひとつとも言えるでしょう。

そんなわけで、今回は【ヒートアイランド現象】を深堀り!

原因や対策などを簡単にわかりやすくまとめましたので、ぜひどうぞ 🙂

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からご覧ください。

 

ヒートアイランド現象の原因!かんたん解説

空

ヒートアイランド現象の原因は主に以下の2つです。

ヒートアイランド現象の原因

  1. 都市化に伴う地表面の人工的改変
  2. 大量のエネルギー消費による熱のとどまり

 

都市化に伴う地表面の人工的改変

アスファルトやコンクリートは、森林などに比べて熱を蓄える量が多いです。

アスファルトやコンクリートは暖まりにくく冷えにくい性質があるよ

つまり、日中に吸収した熱がすぐに放出されず、熱が地面にこもりやすくなり、ヒートアイランド現象の原因になります。

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大量のエネルギー消費による熱のとどまり

都市部では人が集中し人口も多いため、大量のエネルギー消費が行われます。

たとえば車やエアコン、電気やパソコンの使用などで熱が排出されますよね。

それらの排熱量が大きくなると、気温を高め、ヒートアイランド現象の原因になるわけです。

 

そしてヒートアイランド現象におけるデメリットは、熱中症などの健康影響だけではありません。

  • 冷房使用の増加による二酸化炭素(CO₂)排出量の増加
  • 大気循環や集中豪雨など局地現象の変化
  • 本来越冬できない生物が越冬可能になるなど生態系への影響

なども懸念されているのです。

 

ヒートアイランド現象の対策★簡単まるわかり

ヒートアイランド現象の対策についてみていきましょう。

ヒートアイランド現象の対策

  1. 屋上や壁面の緑化(緑のカーテン)
  2. 低炭素まちづくりの推進
  3. 省エネに優れた建築物の普及促進
  4. 下水再生水の利用
  5. 「打ち水」実施によるヒートアイランド問題の意識向上
  6. 日傘の利用

ヒートアイランド現象は社会的問題でもあるため、国土交通省や環境省も積極的に取り組んでいますよー!

 

屋上や壁面の緑化(緑のカーテン)

壁面の緑化

建物の屋上や壁面を緑化することで、建物の熱のとどまりを緩和してくれます。

一般の家庭であれば、一軒家の壁や庭、アパートなどのベランダに緑を増やすことも立派なヒートアイランド現象の対策となります。

さらに具体的に言えば、アサガオやゴーヤなど、つる性の植物を建築物の壁面や窓の外側を覆うように育てて緑化を行うものです。

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観葉植物のおすすめ種類と特徴・室内に置く場所の注意点まるっと解説

 

低炭素まちづくりの推進

車の利用をへらし、公共機関の利用促進を軸とした低炭素まちづくりを推進しています。

個人でも、できるだけ車を使わず、自転車や徒歩、電車を利用すると良いでしょう。

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省エネに優れた建築物の普及促進

省エネ性能に優れた建築物をえらぶことも大切。

これから家を購入する方などは、省エネ性能が高い家をえらぶことで、人工排熱を減らすことができます。

 

下水再生水の利用

下水再生水の利用は、主に国や県、町などの自治体が行うヒートアイランド現象対策です。

下水再生水の利用や、水と緑のネットワーク創出により、地表面被覆の改善を図ります。

また、下水関連の記事は以下のとおりですので、興味のある方はぜひご覧ください。

「打ち水」実施によるヒートアイランド問題の意識向上

国交省では、ヒートアイランド問題における水の二次利用、水の循環の重要性への関心を喚起するため、広く国民に楽しく「打ち水」に参加してもらう「打ち水大作戦」を官民の協調により全国で展開しています。

一方、「打ち水」とは涼を得たり、土ぼこりが舞い上がるのを防ぐために、庭や道路に水をまくことです。

主に夏の暑さをしのぐことを目的に昔から行われてきたものですが、ヒートアイランド現象の対策として今でも有効な手段です。

打ち水はもともとは「神様が通る道を清めるため」に行われたものだったそう!

 

日傘の利用

日差しを遮るため、日傘を差すこともヒートアイランド現象の適応策と言えるでしょう。

日傘は女性のイメージがつよいかもしれませんが、熱中症予防にもなるため男女関係なく使用が推進されています。

真夏などに外出する際は、体温を上昇させすぎないように、積極的に日傘を使っていきましょう。

 

以上です。

そのほか、環境工学に関連する記事は以下のとおりです。

興味のある方はぜひどうぞ 🙂

ありがとうございました。

 

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