今回のテーマは【フロン】
土木の環境工学分野から、地球温暖化や私たちへのさまざまな影響について解説していきます。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
そもそもフロンとは何?

聞いたことあるけどよく知らない…という人が多いのではないでしょうか。
フロンとは、フッ素と炭素からできる化合物のことで、フルオロカーボンと呼ばれるものです。
国で定められているフロン排出抑制法では、
- CFC(クロロフルオロカーボン)
- HFC(ハイドロフルオロカーボン)
- HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)
の3つを「フロン類」と呼んでいます。
化学的に安定した性質をもち、人体への毒性が小さいことから、私たちの身の回りでもさまざまな用途で活用されてきました。
フロンの使用例
- 冷蔵・冷凍庫の冷房
- 建物の断熱材
- カーエアコン
- 洗濯乾燥機(ヒートポンプ式)
- ホコリとりスプレー
- ルームエアコン
フロンが増えるとオゾン層が破壊される!?

そう考える人もいるかもしれませんね。
だけどフロンは、オゾン層破壊の原因物質であることが明らかになったのです。
オゾン層とは上空の成層圏にあり、有害な紫外線を吸収して地球上の生物を守る役割を担っています。
しかしフロン類が大気中に放出されると、オゾン層まで到達して、オゾン層を破壊してしまいます。
ちなみに南極では、オゾン層に穴が空いたような状態になる、いわゆるオゾンホールが発生し、1980年以降、急激に拡大しました。
現時点では拡大傾向はみられず、回復すると予測されていますが、深刻な状況であることは変わらず、引き続き対策が必要とされています。
フロンでオゾン層が破壊されるとどうなる?

はい、それではオゾン層破壊と私たちの関係についてみていきましょう。
前章で、
「オゾン層とは上空の成層圏にあり、有害な紫外線を吸収して地球上の生物を守る役割を担っている」
ということをお話しました。
つまり、オゾン層が破壊されると地上に到達する有害な紫外線が増加します。
そうすると、私たちの体には「皮膚がん」や「白内障」などの健康被害を発生させる恐れがあります。
また、フロンは温室効果もあります。

太陽からの光で暖められた地球の表面から外に向かう赤外線の多くが、熱として大気に蓄積され、再び地球の表面に戻ってくるよ
標準状態(0℃,1気圧の状態)における単位排出容積あたりで相対的に比較すれば、フロンは二酸化炭素よりも温室効果が高いです。
そして温室効果により熱が蓄積され、地球温暖化の原因にもつながります。
なお、地球温暖化により、
- 洪水などの自然災害の増加
- 干ばつの増大
- 海水面の上昇
- 生態系への変化
- 人体への影響(熱中症や皮膚がん)
などの影響が予測できるというわけですね。
以上です。
フロンを減らすため、国や企業でさまざまな対策や工夫がなされています。
節約したり、車の使用頻度を減らしたりなど、個人でできることも少なからずあるでしょう。
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興味のある方はぜひどうぞ!
ありがとうございました。
この記事を書いた人

- 元公務員(土木職)の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ
- 現場監督・施工管理の経験あり
- 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛け等の資格もち
- ブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や公務員のあれこれ、仕事をメインにさまざまな情報を発信
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