寒い地域ではどこでも起こりうる【水道管の凍結】
水道管が凍結しやすい温度や条件は以下のとおりです。
水道管の凍結
- 外気温がマイナス4℃以下のとき
- 1日中、外気温が氷点下である「真冬日」がつづくとき
- 冬などに長時間水道を使用しないとき
とくに北海道や東北、寒冷地域などに住む人は要チェック!
予防や対策方法をまとめましたので参考にしてください。
水道管の凍結を防止するために(予防)
水道管の凍結予防
- 水抜きを行う
- 保温材で水道管を覆う(タオルや保温チューブなど)
- 水を出しっぱなしにする
- 追い炊き機能のあるお風呂は水を溜めておく(水を循環)
水抜きを行う
水抜きとは、水道管の水をあらかじめ抜いておくことで、寒冷地ではよく行われる凍結予防方法です。
東北に住んでいる筆者も、冬になると毎年やってます 🙂
そして水抜きを行うための装置が「水抜栓」と呼ばれるもの。
水抜栓にはハンドル式と電動式があり、設置場所も家によって異なりますので、設置場所や使い方を確認しておきましょう。
ハンドル式の場合は、水抜栓を時計回りに回します。
最後まで右に回しきると、蛇口をひねっても水が出なくなる仕組みで、屋内だけでなく、屋外も水抜きを行います。
電動式には、水道管内が一定の温度以下になると自動で水抜きを行う自動式と、水抜きボタンを押す手動式があります。
凍結を予防するため、冬の間は電源を切らないようにしてください。
保温材で水道管を覆う(タオルや保温チューブなど)
水道の凍結を予防するには、タオルや保温チューブなどで水道管に巻き付けるなどの方法があります。
タオルを水道管に巻き付けて、ビニールテープ等で留めます。
雨や雪が降ってもしっかり保温できるよう、上からビニール袋を被せたり、水に強いテープを使ったりすると良いでしょう。
また、市販で保温材や保温チューブも販売されています。
水道管がむき出しになるのを防ぎ、雨や雪にも強いのが利点です。
保温チューブは筒状で片側に切り込みが入ったウレタン素材のものが主流で、切り込みが入っているので水道管にはめ込んで固定でき、簡単に取り付けられます。
イメージはこんな感じです。↓↓
TRUSCO(トラスコ) 保温チューブ40A用 内径49mmX2M THT40P
アルミガラスクロステープ/50mm×20M/強粘着/保温 保冷 耐熱 目地
巻き付ける保温テープなどもあるとさらに便利ですよ 😉
水を出しっぱなしにする
水道の凍結を防ぐために、水道の水を出しっぱなしにする方法もあります。
蛇口をひねって水を鉛筆の芯くらいの細さにし、ちょろちょろと出し続けることで水が凍りにくくなります。
水道を使わない深夜は特に凍結しやすいため、寝る前に水を出しておくとよいでしょう。
しかしこの方法は水道代がかかるというデメリットもあるため、出した水はバケツ等に受けて掃除や洗濯に使うのが良いかもしれません。
一方で、この方法は、大寒波のときには通用しない場合があります。
水を出しっぱなしにして対策しても、水道が凍ってしまったという事例もあるので注意が必要です。
大寒波が予想されるときは、水を出していても凍ってしまうリスクがあるので、保温材の使用や水抜きなど他の対策で予防しましょう。
追い炊き機能のあるお風呂は水を溜めておく(水を循環)
水道管の凍結を防ぐには、約35度に設定温度を下げた状態で一晩中追い炊きをする方法もおすすめです。
追い炊き自動モードがある給湯器なら、電源を入れたままにしておけば温度が下がったタイミングで追い炊きをしてくれます。
給湯器内の温度が下がらないので、凍結防止に効果的と言われています。
水道管が凍結してしまったときの対策
水道管の凍結対策
- 水道管や防寒水栓柱に50℃程度のお湯をかける(熱湯は×)
- カイロやドライヤーを使って水道管を温める
水道が凍結したら、水道管や、防寒水栓柱にお湯をかけて温める方法があります。(防寒水栓柱の水道が凍った場合は、防寒水栓柱にあるビニール製の外フタと発泡スチロール製の中フタを外してお湯をかける)

ただし注意点としては、熱湯はかけてはいけないということです。
なぜなら、熱湯をかけることによって、急激な温度差で水道管や蛇口が破損するおそれがあるから。
とくに塩化ビニル管などの耐熱温度は70~80度なので、熱湯をかけると排水管が損傷する恐れもあります。
お湯をかけるときは、50度程度のお湯を使うことを覚えておいてください。
【手順】
- 水道管の凍結している箇所をタオルで覆う
- 50度程度のお湯をゆっくりかける
- 途中で水道の蛇口をひねり、水が出るかを確認しながらくりかえす
一方で、水道管の凍結によってお湯の用意ができないときは、凍結部分にドライヤーの温風を当てる方法があります。
ただし時間がかかり、その場に居続けなければならないことがデメリットです… 🙄
そんなときは、カイロを当てて凍結部分を温める方法も有効です。
ドライヤーは温風をあて続けなくてはなりませんが、カイロならその場を離れることができます。
水道管が凍結して破裂してしまった場合の応急処置
水道管が破裂したとき
- 元栓を閉める
- 破裂した部分をタオルなどで覆う
処置をするときははケガや汚れを防止するため、ゴム手袋などを着用してください。
まずは水道の元栓(止水栓)を閉めましょう。
元栓を閉めないで作業すると、水漏れの原因になるからです。
水道の元栓は戸外に埋め込まれているメーターボックス内にあります。
フタ部分に「量水器」や「止水栓メーター」などと書いてあるので確認してください。
メーターボックスを開けると水道メーターとバルブがあり、バルブを時計回りに回すと水が止まります。
ただし、バルブが回しにくい場合は、バルブが破損し水が止められなくなる恐れがあるため、無理に開けようとせず水道業者に依頼しましょう。
また、破裂した部分が確認できる場合は、破裂した部分をタオルなどで覆いましょう。
そしてタオルからしみ出てくる水をバケツなどで受けとり、水を吸い切ったらタオルを替えて吸い取ることをくりかえします。
一方、これらの上記による方法はあくまで応急処置です。
水道が破裂した場合、水道に関する知識のない人が分解や修理をするのは、状況を悪化させる恐れがあります。
応急処置が終わったら、自治体の水道局や地域の業者などに連絡し、プロの技術者による修理をお願いしてください。
以上です。
そのほか、水道に関する記事は以下のとおりですので、興味のある方はぜひご覧ください。
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ありがとうございました。
この記事を書いた人

- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国立大学の土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 水道事務所の勤務経験あり
- 転職活動経験あり(現在フリーランス)
- 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
- 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や公務員のあれこれ、仕事をメインにさまざまな情報発信中!