こんにちは、1級土木施工管理技士のちゃんさとです。
今回は、2級土木の第一次検定における必須問題で、ほぼ毎年のように出ている分野をピックアップしまとめました。

例題も併せて載せておきますので、ぜひ試験勉強にお役立てくださーい!
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
2級土木第一次検定★必須問題でほぼ毎年出ている分野とは?
必須問題でとくに出題頻度が高い項目はこちら!
第一次検定★必須問題
- 水準測量
- 公共工事標準請負契約約款
- 建設機械の特徴・用途・性能表示
- レディーミクストコンクリートの品質管理
- 環境保全対策
- 建設リサイクル法
- コンクリート造の工作物解体等作業における災害防止
- ネットワーク式工程表
- 盛土の締固め・品質管理
それぞれの出題傾向や過去問をチェックしていきましょう。
水準測量
水準測量の問題では、地盤高を求める計算問題が多く出題されています。
後視や前視、高低差の表を埋めるような問題ですので、水準測量の計算手順はしっかり確認しておいてください。
【関連記事】
水準測量★過去問題
【問題】
測点No. 5の地盤高を求めるため、測点No.1を出発点として水準測量を行い下表の結果を得た。測点No.5の地盤高は次のうちどれか。
測点No. | 距離
(前測点とのキョリ) |
後視 | 前視 | 高低差 | 備考 | |
+ | - | |||||
1 | ― | 0.8 | 測点No.1…地盤高8.0m | |||
2 | 20 | 1.6 | 2.2 | |||
3 | 30 | 1.5 | 1.8 | |||
4 | 20 | 1.2 | 1.0 | |||
5 | 30 | 1.3 | 測点No.5…地盤高( )m |
選択肢 ①6.4m、②6.8m、③7.2m、④7.6m
【解答】
表を整理し完成させ、それぞれの測点における地盤高を計算しましょう。
No.2の地盤高:8.0m(No.1の地盤高)+(0.8(No.1の後視)ー2.2m(No.2の前視)=6.6m
No.3の地盤高:6.6m(No.2の地盤高)+(1.6(No.2の後視)ー1.8m(No.3の前視)=6.4m
No.4の地盤高:6.4m(No.3の地盤高)+(1.5(No.3の後視)ー1.0m(No.4の前視)=6.9m
No.5の地盤高:6.9m(No.4の地盤高)+(1.2m(No.4の後視)ー1.3m(No.5の前視)=6.8m
測点No. | 距離
(前測点とのキョリ) |
後視 | 前視 | 高低差 | 備考 | |
+ | - | |||||
1 | ― | 0.8 | 測点No.1…地盤高8.0m | |||
2 | 20 | 1.6 | 2.2 | 1.4 | ||
3 | 30 | 1.5 | 1.8 | 0.2 | ||
4 | 20 | 1.2 | 1.0 | 0.5 | ||
5 | 30 | 1.3 | 0.1 | 測点No.5…地盤高(6.8)m |
また別解として、表の高低差の総和を測点No.1の地盤高8.0mに足してもOK!
8.0+(0.5+(-1.4-0.2-0.1))=6.8m
解答:②6.8m
公共工事標準請負契約約款
発注者や受注者、監督員や設計図書に関しての基礎知識が出題されています。
一般的な内容が多いので、過去問をくりかえせば簡単に解けるでしょう。
逆に言えば、公共工事標準請負契約約款の問題は落としたくない分野です。
公共工事標準請負契約約款★過去問題
【問題】
公共工事標準請負契約約款に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 設計図書において、監督員の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料の検査に直接要する費用は、受注者が負担しなければならない
- 受注者は工事の施工にあたり、設計図書の表示が明確でないことを発見したときは、ただちにその旨を監督員に通知し、その確認を請求しなければならない
- 発注者は、設計図書において定められた工事の施工上必要な用地を受注者が工事の施工上必要とする日までに確保しなければならない
- 工事材料の品質に関しては、設計図書にその品質が明示されていない場合は、上等の品質を有するものでなければならない
【解答】
公共工事標準請負契約約款(工事材料の品質および検査等)第1項に、
【工事材料の品質については、設計図書に定めるところによる。設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、中等の品質を有するものとする】
と規定されています。
よって4がまちがいです。(そのほかの文章は正しいのでそちらも確認しておきましょう)
解答:4
建設機械の特徴・用途・性能表示
建設機械について、それぞれの特徴や用途を聞かれる問題が多く出題されています。
どんな特徴があるのか、またどんな場面で使用するのかはまとめておくと良いでしょう。
とくに現場経験があまりない方は、名称・特徴・用途はセットで確認しておいてください。
建設機械★過去問題
【問題】
建設機械に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- ランマは、振動や打撃を与えて、路肩や狭い場所などの締固めに利用される
- クラムシェルは、水中掘削など広い場所での浅い掘削に使用される
- トラクターショベルは、土の積み込み、運搬に使用される
- タイヤローラは接地圧の調節や自重を加減することができ、路盤などの締固めに使用される
【解答】
クラムシェルは、ロープに吊り下げたバケットを自由落下させて土砂をつかみ取る建設機械です。
一般土砂の孔堀り、シールド工事の立坑掘削、地下鉄工事の集積土さらい等、狭い場所での深い掘削に適しています。
よって解答は2です。(×水中掘削など広い場所での浅い掘削)
1,3,4の正しい文章も同様にチェックしておきましょう。
解答:2
レディーミクストコンクリートの品質管理
レディーミクストコンクリートの品質管理(受け入れ検査や合格判定)には、
- 圧縮強度
- スランプ
- 空気量
- 塩化物含有量
などの項目があります。
それぞれ基準が設けられていますので、必ずチェックしておくようにしてください。
レディーミクストコンクリートの品質管理★過去問題
【問題】
レディーミクストコンクリート(JIS A 5308)の受入検査と合格判定に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 圧縮強度試験は、スランプ、空気量が許容値以内に収まっている場合にも実施する
- 圧縮強度の3回の試験結果の平均値は、購入者の指定した呼び強度の強度値以上である
- 塩化物含有量は、塩化物イオン量として原則3.0㎏/㎥以下である
- 空気量4.5%のコンクリートの許容差は、±1.5%である
【解答】
塩化物含有量は、塩化物イオン量として0.3㎏/㎥以下と規定されています。
よって解答は3です。
解答:3
【関連記事】
環境保全対策
環境保全対策とは、工事での騒音や振動、悪臭、水質汚濁、粉塵などを防止するための対策です。
とくに騒音や振動に関する機械(圧縮機・発電機・運搬車両など)の選定や使用方法、環境への配慮などについて出題されることが多いです。
環境保全対策★過去問題
【問題】
建設工事における環境保全対策に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- 土工機械は、常に良好な状態に整備し、無用な摩擦音やガタつき音の発生を防止する
- 空気圧縮機や発電機は、騒音、振動の影響の少ない場所に設置する
- 運搬車両の騒音・振動の防止のためには、道路および付近の状況によって必要に応じて走行速度に制限を加える
- アスファルトフィニッシャーは、敷き均しのためのスクリード部の締固め機構において、バイブレータ式の方がタンパ式よりも騒音が大きい
【解答】
アスファルトフィニッシャーの騒音レベルは、バイブレータ式がタンパ式に比べて5~6dB(A)と小さいことから、夜間工事等、静かさが要求される場合にはバイブレータ式を採用する。
よって解答は4です。
解答:4
建設リサイクル法
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)に定められている建設資材などについて問われます。
上記の表は必ず確認しておきましょう。(※コンクリート塊に鉄も含む)
建設リサイクル法★過去問題
【問題】
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)に定められている特定建設資材に該当しないものは次のうちどれか。
- 建設発生土
- コンクリートおよび鉄からなる建設資材
- アスファルト・コンクリート
- 木材
【解答】
特定建設資材とは以下の通りです。
- コンクリート塊
- コンクリートおよび鉄から成る建設資材
- アスファルト・コンクリート塊
- 木材
建設発生土は該当しないので、解答は1です。
解答:1
【関連記事】
コンクリート造の工作物解体等作業における災害防止
労働安全衛生規則におけるコンクリート造の解体等作業主任者の職務内容について問われます。
ふだん現場での安全管理をしている方にとってはラッキー問題(簡単)といえるでしょう。
建設リサイクル法★過去問題
【問題】
高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体作業に伴う危険を防止するために事業者行うべき事項に関する次の記述のうち、労働安全衛生法上、誤っているものはどれか。
- 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を注意しながら行う
- 器具、工具等を上げ、または下すときはつり綱、つり袋などを労働者に使用させる
- 解体作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立ち入りを禁止する
- 作業主任者を選任するときは、コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習を修了した者のうちから選任する
【解答】
労働安全衛生規則第517条の15(コンクリート造の工作物の解体等の作業)において、
【強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中止する】
と規定されているため、1が間違いです。
解答:1
ネットワーク式工程表
ネットワーク工程表は、クリティカルパスを求める問題や作業日数を計算する問題が出題されています。
計算問題は落としたくないので、しっかり計算方法を確認しておきましょう。
ネットワーク工程表★正誤問題
【問題】
上記のネットワーク工程表に関する次の記述のうち、適当なものを1つ選びなさい。
- クリティカルパスは⓪→①→②→④→⑤→⑨である
- 作業Kの最早開始日は、工事開始後19日である
- ①→⑥→⑦→⑧の作業余裕日数は4日である
- 工事開始から工事完了までの必要日数(工期)は27日である
【解答】
- クリティカルパスは⓪→①→②→④→⑤→⑨である:×クリティカルパスは最長の所要日数であるため、⓪→①→②→③→⑤→⑨である
- 作業Kの最早開始日は、工事開始後19日である:×→最早開始日は、工程が複数ある場合は最長の所要日数であるため、⓪→①→②→③→⑤→⑧の23日である
- ①→⑥→⑦→⑧の作業余裕日数は4日である:○→所要日数①→⑥→⑦→⑧の所要日数は19日で⑧の作業余裕日数は23日なので、23日-19日=4日
- 工事開始から工事完了までの必要日数(工期)は27日である:×→工事完了までの必要日数(工期)は、クリティカルパス上の所要日数となるため、⓪→①→②→③→⑤→⑨=29日となる
解答:3
【関連記事】
盛土の締固め・品質管理
盛土の締固めの品質に関する問題は、とくに品質規定方式と工法規定方式について確認しておくと良いでしょう。
品質規定方式 | 工法規定方式 | |
土木工事などにおける盛土の管理において、発注者が必要な品質を仕様書に明示し、締固め方法については受注者(施工者)にゆだねる方法 | 締固め機械の機種、敷き均し厚さ、締固め回数などを仕様書で定め、これにより一定の品質を確保しようとする方法
例:ローラやブルドーザの走行回数などで規定する ただしこの方法を適用する場合には、あらかじめ現場締固め試験(試験施工)を実施して、工法規定の妥当性を確認しておく必要あり |
|
①締固め度および乾燥密度で規定する方法 | 一般の土に利用
締固め度=(現場における締固め後の乾燥密度ρd)/(基準となる室内締固め曲線における最大乾燥密度ρmax)×100(%) ①砂置換による土の密度試験方法 ②RI計器による方法 |
盛土材料の土質、含水比があまり変化しない現場に適している
【工法規定の盛土材料として要求される一般的性質】 ①締固め後の圧縮性が小さいこと ②せん断強さが大きく所定の強度が得られること ③粒度分布が良いこと ④吸水による膨潤性が低いこと ⑤雨水などの浸食に強いこと(透水性が小さいこと) ⑥施工性が良いこと ⑦機械のトラフィカビリティが良いこと |
②空気間隙率または飽和度を施工含水比で規定する方法 | 高含水比などの粘性土に利用
空気間隙率⇒粘性土10%以下、砂質土15%以下 飽和度⇒粘性土85~95%、砂質土不適用 |
|
③強度特性、変形特性で規定する方法 | 砂質土や岩塊、玉石など強度低下が起こりにくい安定した盛土材に利用
CBR、支持力係数K値、貫入抵抗、たわみ量 |
【関連記事】
盛土の締固め品質管理★過去問題
【問題】
盛土の締固め品質に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 締固めの目的は、土の空気間げきを大きくし、吸水による膨張を小さくし、土を安定した状態にすることである
- 締固めの品質規定方式は、盛土の締固め度などを規定する方法である
- 締固めの工法規定方式は、使用する締固め機械の機種や締固め回数、盛土材料の敷き均し厚さなどを規定する方法である
- 最もよく締まる含水比は、最大乾燥密度が得られる含水比で最適含水比である
【解答】
締固めの目的は、土の空気間げきを少なくし、透水性を低下させ、水の浸入による軟化や膨張を小さくし、土を最も安定した状態にして、盛土完成後の圧密沈下などの変形を少なくすることです。
よって適当でない文章は1です。
そのほか、2,3,4の文章は正しく、覚えておきたい内容ですので必ずチェックしておきましょう。
解答:1
以上です。
また、Youtubeでも同じ内容を配信していますので、興味のある方はぜひどうぞ!
ありがとうございました。